新国立劇場2013/2014シーズンは、ヴェルディ生誕200周年のハイライトを飾る「リゴレット」新制作で開幕いたします。醜い道化師リゴレット、純真な娘ジルダ、放蕩者マントヴァ公爵を軸に繰り広げられる、愛、呪い、そして復讐の悲劇。原作は「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユーゴーです。ヴェルディ作品の中でも高い人気を誇り、「女心の歌」「慕わしき人の名は」「悪魔め、鬼め!」など数々の名アリアで彩られています。美しい重唱が多いのも「リゴレット」の魅力。なかでも第3幕の四重唱「美しい恋の乙女よ」は、オペラ史上最も美しい四重唱とされ、この4月に公開された映画「カルテット!人生のオペラハウス」(ダスティン・ホフマン監督)でも取り上げられています。
タイトルロールを歌うのは、2000年にオペラ・デビューし、今や世界の一流歌劇場で引く手あまたの活躍を見せるイタリア人バリトン、ヴラトーニャ。リゴレット役は昨年9月サンフランシスコ・オペラでロールデビューを果たし大絶賛、今回の新国立劇場は3回目の舞台となります。ジルダ役は美貌と美声を兼ね備えたゴルシュノヴァが、2010年「フィガロの結婚」スザンナに続き登場。マントヴァ公爵は、2011年「椿姫」アルフレードで甘い声で聴衆を魅了したキムです。
好色なマントヴァ公爵は今日も女漁りに余念がない。公爵に仕える道化師リゴレットは、皮肉と追従で公爵のご機嫌を取っており、宮廷の人々に嫌われている。娘を公爵に弄ばれたモンテローネ伯爵は、嘲るリゴレットに呪いの言葉を浴びせる。一方、リゴレットの一人娘ジルダは身分を偽ったマントヴァ公爵に恋をしてしまう。リゴレットに恨みを持つ廷臣はジルダをリゴレットの女と思い込み、ジルダを誘拐、公爵のもとに連れ去る。これを知ったリゴレットは、半狂乱で殺し屋スパラフチーレに公爵殺害を依頼するが、公爵を愛するジルダが密かに身代わりとなる。リゴレットが殺し屋から受け取った袋を開けると瀕死のジルダが…。