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「キーン或いは狂気と天才」稽古場通信

第5号  10月1日



 「キーン 或いは狂気と天才」の稽古はとうとう劇場の板(ステージ)の上に乗っかりました。仕込が始まったのが、先週末のこと。週頭から、俳優さんが舞台の上に乗っての稽古です。

 しかし、俳優さんが舞台に上がって最初にすることは「場当たり」ということ。稽古場と随分と勝手が違いますし、楽屋から舞台袖までの実際の距離も、身体に染み込んでません。もちろん客席と舞台の距離感も。そんな実際の距離感とか空間の感覚を手に入れることから始まります。
 もちろん、本番と同じ衣裳を着て、ステージの上で稽古を始めますが、しっくり身体になじんでいなかったり、動きに不都合があったり、大急ぎで衣裳さんと相談しながら、手直しをしていきます。たとえば靴にしても、滑った方が良かったり滑らない方が良かったり、その俳優の動きによって要求が違います。そこである時は靴の裏にゴム底をつけてみたり、さながら靴屋さんのような働きをスタッフはしています。


 こうして、さまざまなモノが舞台に上がると、照明も入った稽古となります。いわゆる舞台稽古というものです。実際に照明が入ってみると、これまた物語がものすごく見えてきます。でも、その照明も打ち合わせたとはいえ、一つの案に過ぎません。これでいいのか、もっと効果的にするには…プランニングそのものを考え直したり、秒数を数えて計ったりして調整しています。
 照明の効果はそれだけにとどまりません。衣裳がその明かりの下で、狙い通りに見えているのか。汚しがもっと必要かどうか、衣裳関係の人々はそれこそ鵜の目・鷹の目で舞台稽古を見続けます。衣裳が舞台装置をさわるとき、衣裳が引っかからないか、色がつかないか、そんなことまで見守っています。

 こうして、スタッフに支えられながら、いよいと舞台の幕が上がるのです。稽古も残すところあと二日、初日はもうすぐです。


「キーン」稽古場通信員
桂屋桂丸

 さて、「稽古場通信」は主に裏から見た芝居の作り方で、アプローチしていますが、これに出演している俳優さんたちから直に、この作品について聞くことが出来ます。それは10月10日(日)、13日(水)の両日、公演終演後に、どの日の公演チケットをお持ちになっていれば、ご覧いただけます。どんな思いで作品に取り組んだか、何にこだわったか、生の声で俳優さんから見た「キーン」が伝えられます。江守徹さんのほか、峰さを理さん、渡辺梓さんが登場の予定です。

to be continued
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E-mail katiraya@nntt.jac.go.jp

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