演劇研修所ニュース

第19期生修了公演『社会の柱』稽古場だより

2月10日(火)より、いよいよ第19期生の集大成、修了公演『社会の柱』の開幕です。

第19期生からの、公演にかける意気込みと見どころを日替わりでお届けいたします!

レールルン 役:井神崚太(いがみ・りょうた)

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【意気込み】

稽古を通して、何度もわからなくなりました。

何が正しいのか、自分の考えはなぜここまでズレているのか。その度に役の根源に潜り込み、探し続ける日々でした。レールルンという人物は強い信念を持っています。
正しさを過信しているからこそ生まれる善悪の感覚は、自分と重なる部分も多く、稽古を重ねるほどこの役を愛おしく感じました。

修了公演という大切な舞台で、完璧な答えを出すよりも、迷いながら必死に立つ姿を、ありのまま届けたいと思います。

【見どころ】

『社会の柱』を読んだ日から、正しさとは何かを考え続けています。道徳は大切ですが、それを守っていても前に進めない時がある。誰かにとって不道徳なことが、別の誰かにとっては大きな一歩になることもある。個人はどう在るべきか、知らぬ間に誰かを裁いていないか。作品を通して、その問いを皆様と歩んでいけたらと思います。



ヒルマール・トンネセン 役:菊川斗希(きくかわ・とき)

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【意気込み】

今回演じるヒルマール・トンネセンは、神経質で「ヒャー!」と弱音を吐く傍観者でありながら、ベルニック夫人のいとことして家族の内情を敏感に感じ取る男です。分裂気質の繊細さと、ささやかなプライドの狭間で揺れる人間臭さを表現できたらと思います。
本公演が、研修所での最後の公演となります。これまでの夏公演、秋公演も、自分の最後の舞台だと思って臨んできました。今回も変わらず、一瞬一瞬を大切に、全公演を自分の最後の舞台のように魂を込めます!

【見どころ】

全てが見どころなんですが、やっぱりベルニック領事の内面の葛藤や変化に特に注目して欲しいです。新国立劇場演劇研修所の修了者を交えた、19期生の最後の公演を目に焼き付けてほしいです!



ローナ・ヘッセル嬢 役:辻坂優宇(つじさか・ゆう)

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【意気込み】

かつての恋人に、あなたは立ち上がれるはずだと信じること。ローナは少し不器用だけど、強くてしなやかで、でっかい愛を持った人だと思っています。こんな魅力的な役ができることが、本当に本当にうれしいです。                 全力で憎み、そして全力で愛した同期全員で舞台に立てるのはもう今後ないんだろうなと思うと、寂しいです。一瞬一瞬を大切に、関わってくださる全ての方のお力添えに感謝し、千秋楽の幕が降りるまでエレガントに探求し続けます。



【見どころ】

ローナの登場時にどれだけ客席までもを巻き込んでローナの空気にできるかが、まずこの作品の重要なポイントのひとつだと思っています。稽古では毎回緊張しますが、興奮もします。楽しんで観ていただきたいです。そして今回、女性陣はとても優美なドレスを着せていただきます。その華やかさにもぜひご注目ください。



ヨーハン・トンネセン 役:中島一茶(なかじま・いっさ)

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【意気込み】

最後の最後!その先に続く未来に向けて、今日も稽古を重ねています。日々与えられた役と真剣に向き合い、試し、考え、行動する。その積み重ねの中で、ありがたいことに充実した毎日を送っています。秋の公演の打ち上げで、演出の宮田さんに「僕、ビビってるんです」と打ち明けたことを、昨日のことのように思い出します。最後の公演、俳優として本当に舞台に立ち切れるのか。今も不安は消えませんが、その不安を支えてくれるのは、この三年間積み重ねてきた自分自身です。逃げずに真摯に向き合い続け、初日の幕を迎えます。



【見どころ】

15年アメリカに住んでいたヨーハンとローナが領事カルステン・ベルニックの治める田舎町へ里帰りします。異物として歓迎されない二人はこの街の人々にどのように映るのか。二人がこの街にもたらすものは何なのかをご覧下さい。



マルタ・ベルニック嬢 役:田村良葉(たむら・かずは)

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【意気込み】

研修公演も三本目、そして研修生としては最後の公演にとても気合いが入っています。今回の作品は19世紀ノルウェーが舞台ということで、価値観や宗教観がまるで違うので、どれだけ当時のノルウェーと人々を理解し、自分に近づけられるかが大事だと思っています。特に私が今回演じるマルタは、とても宗教的な人で、忍耐強い女性です。そんな彼女の繊細だけど強い、彼女の内面の美しさをお見せすることができたらと思っています。

【見どころ】

まず、ドレスを着ていた時代というのが興味を惹かれるなと思います。現代では日常で見ることがあまりない風景で、外側の品の良さと内面に渦巻く魂の渇望の2つの要素が見え隠れする。内側に押さえ込んでいた部分が溢れた時、人はどうなるのか......。
そんな人間らしさを楽しんで観ていただけたらと思います。



オーラフ 役:千田 碧(ちだ・あお)

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【意気込み】

差別を差別とも思われなかった時代に、抑圧され、後ろ指を指された人々は、決して一朝一夕で自らの権利を勝ち得たわけではありません。意思や望みを持ち続け、発信し続けた人々が礎となり、長い時間をかけて、今の社会を形作っています。
鷹揚な態度は時に寛容さとは異なります。厳しい糾弾によって自らの偏った考えに気付かされた時、人は痛みと共に、本当に理解すべきことを見据えられるのではないでしょうか。
葛藤し、変化できるということこそが、人間という存在の魅力的な部分です。それを少しでも観客の皆様に感じていただけたらと思います。


【見どころ】

この戯曲には、さまざまな考えと社会的地位を持つ人々が登場します。

彼らは己を律し、あるいは他者から抑圧されながら、新しい時代と対峙することとなります。

彼らの交わす激論とそれによって至る結末は、先の見えない苦しみや葛藤の中でもがく人たちを先達する光になりえると感じます。

ぜひ、注目していただけると幸いです。



ベルニック夫人 役:向井里穂子(むかい・りほこ)

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【意気込み】

2年と10ヶ月前、この場所に来た時にはまだ遠い先のことだった修了公演が、いま目の前にあります。長いなぁと感じていた3年間が、いま過ぎようとしています。長くて短い研修生活の中で、いま、私の手には何があるのか、改めて自分自身と向き合いながら稽古に励んでいます。研修生活で得たことは沢山あっても、太刀打ちできずにもどかしく思うことが山のようにあります。そしてそれは、この場所を出てからもずっと続くのだと思います。それでも、私の身体に日々地層のように積み重なっていった演劇への情熱と愛は本物だと信じて。前へ、前へ進んでいきます!


【見どころ】

ヘンリック・イプセンという大劇作家の作品に、贅沢すぎる舞台効果や衣裳で挑戦できることを、心から嬉しく思います。背伸びをしても中々喰らいつけないこの重厚な作品に、どうすれば近付いていけるのか、100年以上前から届いた言葉たちと睨めっこする毎日です。急速に変化する時代を生きた人々の、ひと筋縄ではいかない会話を、是非楽しんでいただければと思います。



ベルニック領事 役:﨑山新大(さきやま・しんた)

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【意気込み】

「入所した後は、今の生活がガラッと変わるほど芝居漬けの日々になるが、その覚悟はあるか」と入所試験の面談で言われた言葉を、今でも鮮明に覚えています。入所当初は、長く感じた3年でしたが、あっという間に過ぎ去り、気付けば修了公演を残すのみとなりました。その秒速で駆け抜けた日々の中で、俳優としても、﨑山新大、一個人としても貴重な体験をし、集大成として舞台で表現できることが楽しみでなりません。芝居漬けの日々から得たものを最大限発揮し、修了生と19期生一丸となって送る、『社会の柱』を楽しんでもらえれば幸いです。


【見どころ】

家庭や職場等、誰かと共に生きる事は生活を送る上で必要不可欠です。私はよく、良いように見られたいという自意識が働くことが多々あります。しかしその為に、自分の首を絞めてきた事もあります。正直でいる事、これは本当に勇気のいる行為です。この作品は、そんな正直になりたい人の後押しをしてくれるものだと私は思います。

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