演劇研修所ニュース

第18期生公演 朗読劇『風が吹くとき』稽古スタート!

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この夏の朗読劇『風が吹くとき』 (8月9日(金)~ 12日(月・祝)上演)の稽古が始まりました!

新国立劇場演劇研修所では、毎年夏に、過去の歴史に向き合う2つの朗読劇、『少年口伝隊一九四五』と『ひめゆり』を繰り返し上演してきました。 今回は世界に視野を広げ、世界中の人に愛されているレイモンド・ブリッグズ作の絵本「風が吹くとき」をもとにした新作朗読劇に18期生10名で挑戦します。
奇しくも、8月2日(金)からのアニメーション映画版「風が吹くとき」のリバイバル上映とも時期が重なりました。国際情勢に緊張感が高まる今だからこそ、皆様にご覧いただきたい作品です。


稽古前の顔合わせには、出演者である第18期生に加え、演出を務める田中麻衣子氏、宮田慶子氏(演劇研修所長)、野口毅氏(舞台監督)、鈴木大介氏(映像)、阿部朱美氏(衣裳)、椎名一浩氏(演出助手・第11期修了)が参加しました。

稽古を前に、演出の田中麻衣子氏や宮田慶子演劇研修所長らから激励の言葉がありました。

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演出・田中麻衣子氏
研修生活も3年目ですね。いよいよ小劇場の舞台に立つことになります。

緊張したり、意気込みが空回りしたりすることもあると思いますが、そのような思いをすべて作品に注いでお客様に届けられたらと思います。奇しくも映画もリバイバル上映されます。今、この作品が上映されるべきだという世の中になっているんだと思います。2024年に生きているみんなの感覚をきちんと使い、自分たちの言葉にして、現実を見つめて作品に取り組みたいと思います。


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宮田慶子演劇研修所長

夏の朗読劇は、『少年口伝隊』、『ひめゆり』 と、絶対忘れてはいけない、風化させてはいけない題材を扱ってきました。これらのことを、日本人としてその時代時代で考えていかなくてはいけません。

今年は新作として、題材は、日本から世界へと移りました。とても大きなチャレンジです。

「風が吹くとき」は40年程前の1982年に出版されました。イギリスの作家、レイモンド・ブリッグズさんが、かわいい親しみやすい絵を通し、日本に核爆弾が落ちたことが風化し始め、相変わらず核への危機感が増えつつある時期に、当たり前の日常に対する深い思いを託してこのテーマをお書きになったのだと思います。40年以上経ったいま、この作品に描かれている夫婦以上の行動が一庶民の我々にできるだろうか......強く突き付けられます。

老夫婦を演じることに対してハードルもありますが、この作品が伝えていることの大きさを掴めば、年齢は問題ではないと思います。置かれた状況で何ができるのか、平和な日常がいかに尊いかは、年齢関係なくすべての人に言えることです。

よく演出家と話し合い、いっぱいアドバイスをいただきながら、新たなチャレンジをみんなで頑張りましょう。


公演は8月9日(金)~ 8月12日(月・休)まで、新国立劇場小劇場にて。
稽古場の模様は、X・FBから日々お届けいたします。是非お楽しみに!