演劇研修所ニュース

【レポート】海外招聘講師Emma Bonnici氏特別授業

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イギリスよりEmma Bonnici氏を招聘し、先月、第18・19期生(2・
3年次)を対象とした特別授業を開講しました。
2019年、日英演劇アカデミー国際交流公演『怪物/The Monster』上演の際、新国立劇場演劇研修所がマンチェスター・メトロポリタン大学演劇学校を招聘したご縁によるこの授業も、今回で2度目となりました。
今回の特別授業では、舞台俳優のための身体づくり、周囲と呼吸やエネルギーの合わせ方などを、Emma氏自ら研修生と一緒に動き回りながら、教えていただきました。

身体づくりの授業では、骨盤を意識したエクササイズを行いました。音楽に合わせて身体を動かし、その中から湧き出る参加者全員のエネルギーを感じ取り、エクササイズを通じてエネルギーが自分の身体のどこから発せられているのかを体感しました。棒を使いペアでエネルギーの受け渡しのワークなども行いました。

「絶えず相手とコンタクトして」「
相手の言葉に身体が反応し変化することを感じて」「自由を感じたら自由を表現して」氏は力強い声かけの合間にも、研修生たちの間を自在に動き回り、「どこからエネルギーは出ている?」「どのように感じる?」と絶えず問いかけ続けます。

全身で動き続けることで、頭で考えるのではなく、
身体がエネルギーに連鎖して自然と動き、それが表現につながるということを、研修生たちも自分の肉体を通じて体感していました。

約10日間に渡る密度の濃い刺激的なプログラムを経て、
研修生たちは自身の身体の使い方、集中力の持続など、今後舞台人として必須となる様々な事柄を学び表現の幅を広げるヒントを得ていました。

Emma Bonnici

ロンドンを拠点として国内外で活躍。ダイナミックな演技を得意とするパフォーマーとして教鞭を執る他、講演も行う。その教授法や演技の考え方および方法論は、複数の受賞歴のある2つのフィジカルシアター・カンパニーに所属したポーランドでの8年間の経験が大きく影響している。
アンサンブルワークへの強い関心からホリスティックな身体論に興味を持ったことが頭蓋仙骨療法(クレニオセイクラル・セラピー)の資格取得につながり、その後も身体構造と神経学、エネルギー論の深い関係性を掘り下げている。
声と身体のアンサンブルを探求する中リーダシップとフォロワーシップについて考え、身体の調整、身体表現、見ることと見られること、多方向的に耳をすますことを通してなめらかなコミュニケーションと創造性の促進に取り組む。
これまで数多くのダンサーが自分の声を発見し、歌手が自分の身体を発見する手助けをしてきた。
TedXに登壇し、「The Power of the Voice(声の力)」と題した講演で自らの活動について語ったこともある。

授業の様子

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