演劇研修所ニュース
第14回 五館合同特別講義が行われました
12月14日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場、国立劇場おきなわ、新国立劇場の五館の研修生のための特別講義が開講されました。
当講義は五館の国立劇場で研鑽を積んでいる研修生が一堂に会して、伝統芸能分野と現代舞台芸術分野の相互交流を図りながら、各分野の養成・研修事業の特徴をいかすために、各界一流の芸術家を講師にお招きして行うもので、2008年より開催されています。
今年は新国立劇場からは、オペラ研修生3名、バレエ研修生4名、演劇研修生13名が参加いたしました。
第14回目となる今回は、歌舞伎音楽・竹本 太夫で人間国宝の竹本葵太夫(たけもと あおいだゆう)師を講師にお迎えし、"良き舞台人になるために"をテーマに特別講義をしていただきました。
▲竹本葵太夫師
当講義では、芸事に関係のない家庭環境の中、伝統芸能の世界に入るきっかけとなった舞台との出会い、周囲への感謝など舞台人になるための姿勢・心構えや伝承継承の重要性など、多岐にわたるお話をしていただきました。
師から「感動する心を持ち続けることは舞台人として大切なことです。自然、人間や芸術などに接した時、何かを感じて芸に結び付けることが大事です。芸というのは良い悪いではなく、観てくださるお客様が、演じ手を信じてくださるか信じてくださらないかです。今回のテーマである"良き舞台人になるために"とは、最終的には"魅力ある舞台人になる"ということではないかと思います」と深淵なお言葉をいただきました。
最後に質疑応答も行われ、各研修生から活発に質問が発せられ、師からユーモアを交えた温かなお答えをいただき、和やかな雰囲気の中、今年の特別講義が終了しました。
▲質疑応答
それぞれの研修生たちが、ジャンルを越えた舞台芸術の普遍性を学ぶ大変貴重な機会となりました。
また、今年は4年ぶりに五館の研修生の交流会も開催され、普段接点のない研修生間の楽しいひと時となりました。
▲集合写真(前列右から6人目竹本葵太夫師、7人目日本芸術文化振興会 長谷川眞理子理事長)
竹本葵太夫 歌舞伎音楽・竹本 太夫
[芸 歴]
昭和51年 8月 女流義太夫の太夫竹本越道に入門。
昭和54年 7月 初代竹本扇太夫から、扇太夫の前名の竹本葵太夫を二代 目として許され、国立劇場『仮名手本忠臣蔵』五段目で 初舞台。
昭和55年 3月 国立劇場第3期歌舞伎音楽(竹本)研修修了。
平成元年 1月 松竹株式会社と専属契約を結ぶ。
[受賞歴]
昭和58年3月 芸団協助成義太夫協会新人奨励賞/国立劇場奨励賞/ 第4回松尾芸能賞舞台音楽新人賞
同 年 5月 御園座社長賞
昭和62年 3月 第37回芸術選奨文部大臣新人賞
平成 3年11月 歌舞伎座賞
平成 7年10月 松竹会長賞
平成 8年 3月 国立劇場優秀賞
平成13年 7月 重要無形文化財保持者(総合認定)に認定される。
平成19年 7月 国立劇場優秀賞
平成26年12月 国立劇場特別賞
平成29年10月 第37回伝統文化ポーラ賞優秀賞
令和元年10月 重要無形文化財保持者(個人指定)に認定される。
令和 4年 3月 日本芸術院賞授賞
[その他]
平成21年度~ 国立劇場歌舞伎音楽(竹本)研修講師。
平成27年度~ 一般社団法人伝統歌舞伎保存会理事。
▼様々な研鑽の成果をぜひ劇場でご覧ください。
【次回新国立劇場オペラ研修所公演のご案内】
新国立劇場オペラ研修所公演『カルメル会修道女の対話』
◆公演日程:2024年3月1日(金)~3日(日)
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