新国立劇場 日本の現代舞台芸術年表

新国立劇場が制作、上演するオペラ、舞踊、演劇は、明治以来それぞれのジャンルが相互に影響し合い、また世界の芸術文化とともに歩んできました。この年表から現在に続く流れを概観し、現代舞台芸術の今を再発見していただけますと幸いです。

監修 
オペラ
昭和音楽大学オペラ研究所
舞踏
川島京子
演劇
佐藤優

昭和(後編)/平成 1946-1997

太字=劇場関連 ■=新国立劇場関連 国外=国外の出来事
  社会 オペラ 舞踊 演劇
 
1946(昭和21) 芸術祭 新円切り替え/日本国憲法公布
文部省第1回芸術祭(今日出海提唱)
藤原歌劇団、《椿姫》《カルメン》《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》上演/長門美保歌劇団第1回公演、《蝶々夫人》上演/東京都(都民劇場主催)、アイヒベルク《アルカンタラの医者》上演/三浦環没(享年62) 伊藤道郎、アーニーパイル劇場第1回公演/東京バレエ団結成、《白鳥の湖》全幕日本初演 振付:小牧正英、オデット:松尾明美:貝谷八百子、王子:東勇作:島田廣(50年第7回公演で自然消滅)/「現代舞踊名流の日」石井漠、高田せい子、江口・宮ら各舞踊団が参加 村山知義ら「新協劇団」を再建/東京芸術座、イプセン《人形の家》で第1回公演
俳優座、ゴーゴリ《検察官》で第1回公演/川上貞奴没(享年75)、森本薫没(享年34)
1947(22) 6・3・3学制発足
国立劇場設立準備のために演劇文化委員会発足
藤原歌劇団、《ラ・ボエーム》《カルメン》上演、《タンホイザー》日本初演/長門美保歌劇団、《魔弾の射手》上演 小牧バレエ団、《バラの精》日本初演/東京新聞社主催「現代舞踊祭」石井漠、高田せい子、江口・宮ら各舞踊団が参加/石井みどり、終戦後第1回東京リサイタル開催/東京バレエ団第3回公演《コッペリア》全幕日本初演(振付:小牧正英) 民衆芸術劇場(民藝)結成/「悲劇喜劇」創刊/秋田雨雀主宰、舞台芸術学院(舞芸)開校
1948(23) 帝銀事件/極東国際軍事裁判判決
新橋演舞場、名古屋御園座、浅草国際劇場、大阪角座など復興開場/松竹新喜劇、大阪中座で初公演
長門美保歌劇団、サリヴァン《ミカド》《蝶々夫人》上演/藤原歌劇団、《セビリアの理髪師》《椿姫》《蝶々夫人》上演、高木東六《春香》初演、《ドン・ジョヴァンニ》日本初演 松山樹子、松山バレエ団結成/橘秋子バレエ団、《未完成交響曲》発表/日本芸術舞踊家協会発足(会長:伊藤道郎)、記念公演開催/石井漠、《さまよえる群像》《機械は生きている》発表 民藝第1回公演として村山知義脚色《破戒》上演/山本安英、木下順二ら「ぶどうの会」結成
1949(24) 東京美術学校、東京音楽学校を統合し東京藝術大学となる/湯川秀樹博士、日本人初のノーベル賞受賞 藤原歌劇団、《カルメン》《椿姫》《蝶々夫人》《ローエングリン》上演、《エフゲニ・オネーギン》日本初演/長門美保歌劇団、メノッティ《泥棒とオールドミス》日本初演、《フィデリオ》上演/関西歌劇団第1回公演、《椿姫》上演 谷桃子バレエ団結成/東京バレエ団第6回公演《レ・シルフィード》日本初演(振付:メリー・ジェニス)、《シェヘラザード》日本初演(振付:小牧正英)/大野一雄現代舞踊第1回公演《花と椅子》《七つの雷電の歌より》他上演 俳優座実験劇場始まる、第1回ボーマルシェ《フィガロの結婚》/文学座、アトリエ公演を始める、第1回サローヤン《わが心高原に》(会場は毎日ホール。信濃町のアトリエでの公演は50年から)
1950(25) 朝鮮戦争勃発/金閣寺焼失
明治座再建開場
藤原歌劇団《カルメン》《椿姫》《トスカ》《ファウスト》上演、《ジプシー男爵》、ハドリー《ビアンカ》日本初演、ヒジ小池主演《蝶々夫人》上演/関西歌劇団、《カルメン》上演 橘秋子、橘バレエ学園設立(52年に学校法人橘バレエ学校に)/芸術祭合同公演にて高田せい子が《湖底の夢》、石井漠が《神とバヤーデレ》を発表/小牧バレエ団、《ペトルーシュカ》日本初演/江口・宮舞踊団、《プロメテの火》発表 第二次民藝再建/ぶどうの会、木下順二《夕鶴》で第1回公演/小山内薫追悼記念新劇合同公演《かもめ》上演
1951(26) 羅生門 サンフランシスコ講和条約
映画《羅生門》ベニス国際映画祭でグランプリ/歌舞伎座再建開場/ムーラン・ルージュ新宿座閉鎖
藤原歌劇団、《カルメン》《アイーダ》《蝶々夫人》上演、トマ《ミニョン》日本初演/東京オペラ協会、《トゥーランドット》日本初演/関西歌劇団、《蝶々夫人》《椿姫》上演/都民劇場制作、文部省芸術祭主催公演、《ファウストの劫罰》上演 石井みどり、《ひめゆりの塔》発表/谷桃子バレエ団、《トゥオネラの白鳥》《火の鳥》初演/江口隆哉、《日本の太鼓(鹿踊り)》発表/貝谷バレエ団、《シンデレラ》日本初演 帝劇第1回ミュージカル、菊田一夫《モルガンお雪》上演/俳優座養成所設立/民藝、三好十郎《炎の人》滝沢修主演で初演
1952(27) 日劇ミュージックホール開場 藤原歌劇団、《夕鶴》初演、第1回アメリカ公演、《蝶々夫人》上演/東京二期会第1回公演、《ラ・ボエーム》上演/ゲルハルト・ヒュッシュ参加、《タンホイザー》《ドン・ジョヴァンニ》上演/都民劇場制作、文部省芸術祭公演、《フィガロの結婚》日本初演 服部・島田バレエ団、《さまよえる肖像》発表/松尾明美バレエ団結成、《ジゼル》全幕日本初演/セルジュ・リファール・バレエ団来日公演《白の組曲》《牧神の午後》他上演/小牧バレエ団、ソニア・アロワを招聘し《眠れる森の美女》全幕日本初演 青俳結成(53年《フォスター大佐告白する》で旗揚げ)
1953(28) テレビ放送開始 藤原歌劇団創立20周年記念特別公演、《椿姫》《セビリアの理髪師》《ラ・ボエーム》《カルメン》連続上演、第2回アメリカ公演、《蝶々夫人》上演/東京二期会、《オテロ》舞台日本初演、《フィガロの結婚》上演/グルリット・オペラ協会、《魔笛》日本初演 オリガ・サファイア引退公演、松尾明美が《旋律》、松山樹子が《白狐の湯》発表/スラヴェンスカ・フランクリン・バレエ団来日公演(アレクサンドラ・ダニロワが客演)/貝谷バレエ団、《くるみ割り人形》全幕日本初演/石井漠、《人間釈迦》発表 浅利慶太ら四季創立(54年《アルデール又は聖女》で旗揚げ)/文学座、T.ウィリアムズ《欲望という名の電車》杉村春子主演で初演/手織座、仲間結成/加藤道夫自殺(享年35)
1954(29) 福竜丸 第5福竜丸被爆 関西歌劇団、《蝶々夫人》上演、清水脩《修禅寺物語》初演/グルリット・オペラ協会、《ホフマン物語》《ボリス・ゴドゥノフ》日本初演/東京二期会、ブリテン《ルクリーシアの凌辱》舞台日本初演、《コジ・ファン・トゥッテ》日本初演 東勇作バレエ団、《桜咲く国》《はなかげ》他発表/小牧バレエ団、ノラ・ケイ、アントニー・チューダーを招聘/貝谷バレエ団、スタニスラフスキー= ダンチェンコ版《白鳥の湖》日本初演/マーサ・グレアム舞踊団初来日公演《心の洞穴》他上演(振付:マーサ・グレアム) 岸田國士、文学座《どん底》演出中に急逝(享年63)/民藝、A.ミラー《セールスマンの死》滝沢修主演で初演/第1回岸田演劇賞(現岸田國士戯曲賞)に、木下順二《風浪》、飯沢匡《二号》/青年座、東京演劇アンサンブル、テアトル・エコー、新人会結成
1955(30) アーニー・パイル劇場返還、東京宝塚劇場として新装開場 大阪労音制作、團伊玖磨《ききみみずきん》初演/関西歌劇団、大栗裕《赤い陣羽織》、芝祐久《白狐の湯》初演/藤原歌劇団、メノッティ《領事》日本初演/都民劇場、NHK交響楽団、《売られた花嫁》日本初演 松山バレエ団、《白毛女》発表/松尾明美、バレエ実験劇場で《未来のイヴ》《イルミナシオン》《乞食王子》発表/服部・島田バレエ団、《令嬢ジュリー》発表/橘バレエ団、アレクサンドラ・ダニロワを招聘し合同公演《パ・ド・カトル》日本初演 文学座、芥川比呂志《ハムレット》に絶賛の声/マルセル・マルソー初来日
1956(31) テアトロン賞設置/大阪・梅田、東京・新宿コマスタジアム相次いで開場 東京二期会、《ピーター・グライムズ》日本初演/関西歌劇団、石桁真礼生《卒塔婆小町》初演/藤原歌劇団第3回アメリカ公演、《蝶々夫人》、サリヴァン《ミカド》上演/第1回NHKイタリア歌劇団公演、《アイーダ》《トスカ》《ファルスタッフ》他上演/都民劇場制作、《ばらの騎士》日本初演 貝谷バレエ団、《ロミオとジュリエット》日本初演/全日本芸術舞踊協会発足(会長:石井漠、72年に現代舞踊協会に再編)/服部・島田バレエ団、《シルビア》日本初演/牧阿佐美バレヱ団結成 新劇団協議会発足
国外ブレヒト没(享年58)/オズボーン《怒りをこめてふり返れ》世界初演
青山杉作没(享年67)
1957(32) 芸術座、森繁久彌主演《暖簾》で開場 関西歌劇団、大栗裕《夫婦善哉》初演/青年グループ、《修道女アンジェリカ》日本初演、続いてプッチーニの三部作を一括上演/團伊玖磨《夕鶴》ヨーロッパ初演(チューリッヒ) 牧阿佐美バレヱ団、《飛鳥物語》発表(振付:橘秋子)/牧阿佐美バレヱ団、アレクサンドラ・ダニロワ、フレデリック・フランクリン招聘/ボリショイ劇場バレエ団初来日公演/松山バレエ団、《バフチサライの泉》日本初演 日本俳優協会発足/久保田万太郎、文化勲章受章/小山内薫追悼30周年記念三大劇団合同公演、ハウプトマン《寂しき人々》上演
1958(33) フェスティバル フェスティバルホール開館/東京宝塚劇場焼失 青山圭男、米メトロポリタン・オペラの《蝶々夫人》を演出/都民劇場制作、《ペレアスとメリザンド》日本初演/藤原歌劇団創立25周年記念公演、團伊玖磨《楊貴妃》初演/林光《あまんじゃくとうりこひめ》初演(NHK放送) 松山バレエ団第1回訪中公演/日本バレエ協会発足/ニューヨーク・シティ・バレエ団初来日公演/高田せい子・山田奈々子舞踊公演《裸足のボレロ》《プランタン》他上演 日本新劇俳優協会発足/久保栄自殺(享年58)、三好十郎没(享年56)/モスクワ芸術座初来日、《桜の園》《どん底》など上演
1959(34) 皇太子 皇太子ご成婚 長門美保歌劇団創立、《ルサルカ》日本初演/第2回NHKイタリア歌劇団公演、《オテロ》《ラ・ボエーム》《愛の妙薬》《椿姫》《カルメン》上演/間宮芳生《昔噺人買太郎兵衛》初演(NHK放送) 小牧バレエ団、マーゴ・フォンテイン、マイケル・ソームズ招聘/大野一雄、《老人と海》発表/全日本芸術舞踊協会主催第6回新人舞踊公演で土方巽が《禁色》を発表/芸術祭主催日本バレエ協会公演《金鶏》日本初演 東京芸術座発足/オズボーン《怒りをこめてふり返れ》、文学座アトリエで上演/民藝俳優教室3期生が青年芸術劇場(青芸)結成/菊田一夫《がめつい奴》三益愛子主演で初演(270日間のロングラン)/岡倉士朗没(享年50)、土方与志没(享年61)
1960(35) 日米新安保条約調印 芥川也寸志《ヒロシマのオルフェ》初演(NHK放送)/藤原歌劇団、金井喜久子《沖縄物語》初演/都民劇場制作、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》日本初演/牧野由多可《あやめ》初演(CBC放送) チャイコフスキー記念東京バレエ学校開校(教師:スラミフィ・メッセレル、アレクセイ・ワルラーモフら)日本バレエ界を代表するダンサーたちも入学/レニングラード・バレエ団初来日公演/松尾明美バレエ団、《ラ・フィユ・マル・ガルデ》日本初演 ジャン・ルイ・バロー一座来日、《人間嫌い》など上演/三期会、俳優小劇場(俳小)結成/文学座、ベケット《ゴドーを待ちながら》日本初演/初の訪中新劇公演《夕鶴》《女の一生》などを上演
1961(36) 文化会館 ジョン・F・ケネディ米大統領に就任
東京文化会館開場/森光子《放浪記》初演
パリ・オペラ座来日公演、《カルメン》上演/第3回NHKイタリア歌劇団公演《アンドレア・シェニエ》《リゴレット》《トスカ》《アイーダ》《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》上演/牧野由多可《くさびら》初演 英国ロイヤル・バレエ団初来日公演
国外ルドルフ・ヌレエフ、ソビエトからフランスに亡命
堀内完、ユニーク・バレエ団設立、初公演開催《黒と褐色と灰褐色》他発表/チャイコフスキー記念東京バレエ学校・ボリショイ・バレエ団公演《くるみ割り人形》他
民藝《火山灰地》を久保栄追悼公演として1部2部一挙上演/早大自由舞台、鈴木忠志演出《AとBと一人の女》(別役実の処女作)上演/東大ギリシア悲劇研究会、《アガメムノーン》上演
1962(37) キューバ危機 東京声専音楽学校公演《夢遊病の女》日本本格初演/大阪国際フェスティバル、《サロメ》日本初演/都民劇場、東京二期会制作、ブリテン《真夏の夜の夢》日本初演/入野義朗《綾の鼓》初演(NHK放送) 貝谷バレエ団、《海賊》全幕日本初演/チャイコフスキー記念東京バレエ学校、《まりも》発表(振付:ワルラーモフ、メッセレル)/東京都芸術祭現代舞踊合同公演《湖底の夢》(振付:高田せい子)/牧阿佐美バレヱ団、《飛鳥物語》改訂上演(振付:橘秋子、作曲:片岡良和) コメディ・フランセーズ初来日、《ブリタニキュス》など上演/鈴木忠志・別役実ら新劇団自由舞台が《象》で旗揚げ/俳優座系劇団合同公演、福田善之《真田風雲録》を千田是也演出で上演/唐十郎らが状況劇場結成(63年サルトル《恭しき娼婦》で旗揚げ)
1963(38) NHK大河ドラマ放送開始/ケネディ米大統領暗殺
日生劇場開場
第4回NHKイタリア歌劇団公演、《イル・トロヴァトーレ》《西部の娘》他上演/ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演、《フィデリオ》《フィガロの結婚》《ヴォツェック》《トリスタンとイゾルデ》上演/藤原歌劇団創立30周年記念公演、《こうもり》上演 パリ・オペラ座バレエ団初来日公演/マーゴ・フォンテイン、ルドルフ・ヌレエフ公演/土方巽、DANCE EXPERIENCE の会で《あんま ー愛慾を支える劇場の話ー》発表/牧阿佐美バレヱ団、《角兵衛獅子》発表(振付:橘秋子) 福田恆存・芥川比呂志らが文学座を脱退、現代演劇協会結成、雲発足/文学座アトリエで《調理場》、木村光一初演出/アートシアター新宿文化が夜9時半より演劇公演開始、第1回はオールビー《動物園物語》/東宝ミュージカル、初のブロードウェイ作品《マイ・フェア・レディ》初演
1964(39) オリンピック 東海道新幹線開業/東京オリンピック・パラリンピック開催
帝国劇場全面改築のため閉館
別宮貞雄《三人の女達の物語》初演(NHK放送)/創作オペラ協会第1回公演、菅野浩和《安達ヶ原の鬼女》舞台初演/都民劇場制作、《トゥーランドット》上演(東京オリンピック協賛芸術展示)/清水脩《俊寛》初演(NHK放送) 佐々木忠次、チャイコフスキー記念東京バレエ団結成/スターダンサーの競演によるバレエ特別公演(制作:太刀川瑠璃子)スターダンサーズ・バレエ団結成につながる/マース・カニンガム舞踊団初来日公演 三島由紀夫・松浦竹夫らNLT結成、65年矢代静一《誘拐》で旗揚げ/ぶどうの会解散/発見の会、変身、青年劇場結成
1965(40) 米、北爆開始 国外ツィンマーマン《軍人たち》初演
大阪国際フェスティバル、ミラノ室内歌劇団来日公演/NHKスラブ歌劇公演、《ボリス・ゴドゥノフ》《売られた花嫁》《エウゲニ・オネーギン》上演、《イーゴリ公》日本初演?山田耕筰没(享年79)
服部智恵子、舞踊生活40周年記念公演開催。開催後に島田廣、森龍朗らと渡仏/谷桃子バレエ団、《ドン・キホーテ》全幕日本初演/スターダンサーズによるアントニー・チューダー特別公演/土方巽、《バラ色ダンス 澁澤さんの家の方へ》発表 変身、代々木小劇場で旗揚げ/四季、ジロドゥ《オンディーヌ》を日生劇場で上演/三島由紀夫《サド侯爵夫人》をNLTが初演/民藝、渡辺浩子演出で《ゴドーを待ちながら》上演
1966(41) 国立劇場 ビートルズ来日/中国文化大革命起こる
■国立劇場法制定、国立劇場開場
帝国劇場新装開場
藤原歌劇団、ダッラピッコラ《夜間飛行》日本初演他上演/東京二期会出演、日生劇場、モンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》日本初演/ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演、《さまよえるオランダ人》《魔笛》《椿姫》《後宮よりの逃走》上演、ヘンツェ《若き恋人たちの悲歌》日本初演 チャイコフスキー記念東京バレエ団第1次海外公演(ソビエト)/笠井叡、「笠井叡処女璃祭他瑠」開催、《磔刑聖母》《母装束》《龍座の森》他上演/芙二三枝子、《太陽風》他発表/牧阿佐美バレヱ団、《戦国時代》発表(振付:橘秋子) 第1回紀伊國屋演劇賞/俳優座付属養成所16期生を最後に解消/桐朋学園短大演劇専攻発足/鈴木忠志・別役実らが早稲田小劇場結成、喫茶店2階に劇場開場/佐藤信・斎藤憐・串田和美らが自由劇場結成、アンダーグラウンドシアター自由劇場開場/六月劇場、演劇企画66結成
1967(42) 大阪国際フェスティバル、《トリスタンとイゾルデ》《ワルキューレ》上演/NHK創作歌劇の夕べ、別宮貞雄《有間皇子》初演/東京二期会創立15周年記念公演、《パルジファル》日本初演/第5回NHKイタリア歌劇団公演、《ドン・カルロ》日本初演、《ランメルモールのルチア》他上演 ベルギー国立20世紀バレエ団初来日公演/笠井叡、独舞公演“舞踏への招宴”開催、《O嬢への譚舞》他上演/金井芙三枝、《愛三章:夕顔・砂の女・トリスタンとイゾルデ》他発表/折田克子、《饗宴》他発表 寺山修司らの天井桟敷結成/状況劇場の紅テントが新宿花園神社に初お目見え/パリのユシェット座来日、《禿の女歌手》《授業》を上演
1968(43) 川端 川端康成ノーベル文学賞受賞/文化庁発足 藤原歌劇団創立35周年記念公演、《リゴレット》上演/関西二期会第1回公演、《カルメン》上演/東京二期会アメリカ公演、清水脩《聟選び》初演/文化庁芸術祭主催公演、石井歓《袈裟と盛遠》初演 有馬五郎、石田種生、野口辰雄ら東京シティ・バレエ団を結成/井上博文によるバレエ小劇場第1回公演開催/アメリカン・バレエ・シアター初来日公演/土方巽“暗黒舞踏派結成11周年記念”公演《土方巽と日本人│肉体の叛乱》発表 現代人劇場、転形劇場、東京キッドブラザース、浪曼劇場結成/演劇センター68結成、69年に演劇センター68/69が発足/A.ウェスカー来日、シンポジウムと三部作上演
1969(44) 東大安田講堂封鎖解除 東京二期会、《ラインの黄金》日本初演/東京室内歌劇場第1回公演、ガルッピ《田舎の知恵者》日本初演、オルフ《賢い女》上演/藤原歌劇団、《アイーダ》上演 モワティエ・モワティエ舞踊会 藤井久子、加藤みや子、五木田勲らの創作上演/高田せい子、《詩篇(みまかりし山田五郎氏の霊に捧ぐ)》発表/第1回モスクワ国際バレエ・コンクールで深川秀夫が第2位、ニジンスキー賞受賞/笠井叡、《タンホイザー》発表 井上ひさし《日本人のへそ》を熊倉一雄演出でテアトル・エコーが上演/天井桟敷初の海外公演、フランクフルトで《犬神》上演/状況劇場、日本列島南下興行開始/清水邦夫《真情あふるる軽薄さ》を蜷川幸雄が演出、二人のコンビ始まる
1970(45) 万博 大阪万国博覧会開催/三島由紀夫自殺(享年45) ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演、《ローエングリン》《魔弾の射手》《ルル》他上演/大阪国際フェスティバル、ローマ室内歌劇団来日公演/ボリショイ・オペラ来日公演、《スペードの女王》日本初演、《イーゴリ公》他上演/東京二期会制作、文化庁芸術祭主催公演、清水脩《大佛開眼》初演 エクスパンデッド・アート・フェスティバル(企画:市川雅)厚木凡人、石井満隆、邦千谷とサーカス駒場らが出演/ヴァルナ国際バレエ・コンクールで深川秀夫が第2位、笹本公江が振付賞受賞/土方巽、燔犠大踏鑑結成、第1回京都公演《ギバサ》発表 ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー初来日、《冬物語》など上演/東京キッドブラザースがニューヨークで《ゴールデン・バット》半年間のロングラン/演劇センター68/70、黒テント公演開始《翼を燃やす天使たちの舞踏》/日本維新派( 88年維新派に改名)結成
1971(46) 第6回NHKイタリア歌劇団公演、《ノルマ》《トゥーランドット》《リゴレット》上演、ドニゼッティ《ラ・ファヴォリータ》日本初演/東京二期会、《ナクソス島のアリアドネ》日本初演/池辺晋一郎《死神》初演(NHK放送) 森下洋子、松山バレエ団に入団/笠井叡、天使館設立/石田種生、東京シティ・バレエ団公演で《エスメラルダ》発表/橘秋子没(享年63)、東勇作没(享年61) 文学座《あわれ彼女は娼婦》など、エリザベス朝演劇上演相次ぐ/ベオグラード国際演劇祭で天井桟敷が《邪宗門》でグランプリ/鈴木瑞穂、下元勉ら民藝退団、原田芳雄、市原悦子ら俳優座を退団/俳優小劇場、現代人劇場解散
1972(47) 札幌 札幌冬季オリンピック開催/沖縄復帰
■文化庁に「第二国立劇場設立準備協議会」設置
シアターグリーン開場
大阪国際フェスティバル、團伊玖磨《ひかりごけ》初演/文化庁芸術祭主催公演、東京二期会、高田三郎《蒼き狼》初演/東京二期会、《ワルキューレ》上演 麿赤兒らが大駱駝艦を結成、旗揚げ公演で「DANCE桃杏マシン」上演/東京バレエ協議会発足/燔犠大踏鑑第二次暗黒舞踏派結束記念公演「四季のための二十七晩」/全日本芸術舞踊協会、社団法人現代舞踊協会となる 山本圭、江守徹、市川染五郎、平幹二朗、《ハムレット》競演/文学座、アトリエでシェイクスピア・フェスティバル/井上ひさし、《道元の冒険》で岸田戯曲賞、小説「手鎖心中」で直木賞受賞/ジァン・ジァン10時劇場、中村伸郎《授業》始まる
1973(48) 第一次オイルショック/ベトナム和平協定
西武劇場開場
藤原歌劇団創立40周年記念公演、《カルメン》《ドン・ジョヴァンニ》上演/東京二期会、ショスタコーヴィチ《カテリーナ・イズマイロヴァ》日本初演/第7回NHKイタリア歌劇団公演、《アイーダ》《ファウスト》《椿姫》《トスカ》上演/文化庁芸術祭主催公演、東京二期会、戸田邦雄《伽羅物語》初演 スタニスラフスキー=ダンチェンコ記念モスクワ音楽劇場バレエ団初来日公演
国外第1回ローザンヌ国際バレエ・コンクール開催
小林紀子、小林功が小林紀子バレエ・シアター結成/シュツットガルト・バレエ団初来日公演《オネーギン》《じゃじゃ馬馴らし》他上演
ナンシー国際演劇祭で早稲田小劇場《劇的なるものをめぐってⅡ》好評/ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー来日、P.ブルック演出《真夏の夜の夢》上演/櫻社、新宿文化で《盲導犬》など上演/五月舎、手の会など新劇プロデュース公演が定着
1974(49) 長島 長島茂雄現役引退
宝塚歌劇団《ヴェルサイユのばら》初演/現代演劇協会、三百人劇場開場
間宮芳生《鳴神》初演(NHK放送)/東京二期会、ヴェルディ《マクベス》日本初演/バイエルン国立歌劇場来日公演、《ドン・ジョヴァンニ》《ワルキューレ》《フィガロの結婚》《ばらの騎士》上演 国外ミハイル・バリシニコフ、ソビエトからアメリカに亡命
ヴァルナ国際バレエ・コンクールで森下洋子が金賞、清水哲太郎が銅賞受賞/土方巽、「シアター・アスベスト館」開設、白桃房舞踏公演で《暗黒舞踏ゑびす屋お蝶》/日本バレエ協会、社団法人となる。初代会長:服部智恵子
つかこうへい25歳、《熱海殺人事件》で岸田戯曲賞受賞/岩波ホールで演劇シリーズ《トロイアの女》(鈴木忠志演出)で始まる/蜷川幸雄、《ロミオとジュリエット》を日生劇場で演出/木野花ら「青い鳥」結成
1975(50) 沖縄国際海洋博覧会
神奈川県民ホール開場
メトロポリタン・オペラ来日公演、《椿姫》《ラ・ボエーム》《カルメン》上演/文化庁芸術祭公演、東京二期会、團伊玖磨《ちゃんちき》初演/日本オペラ協会、三木稔《春琴抄》初演/オペラシアターこんにゃく座、林光《おこんじょうるり》初演 天児牛大、山海塾結成/「dance today '75」開催。《軌跡》(トリシャ・ブラウン)、《椅子》(デイヴィッド・ゴードン)、《即興舞踊》(グランド・ユニオン)、《裂記号》(厚木凡人)他上演/大原永子、スコティッシュ・バレエ団にプリンシパルダンサーとして入団 芸能座、三年で解散をとなえ、永六輔《清水次郎長伝》で旗揚げ/現代演劇協会から芥川比呂志らが脱退、円を結成/シェイクスピア・シアター、ジァン・ジァンでシェイクスピア上演開始
国外タデゥシュ・カントール演出《死の教室》世界初演
1976(51) ロッキード事件 文化庁オペラ研修所設置(運営:(財)二期会オペラ振興会、初代所長:團伊玖磨)/黛敏郎《金閣寺》(ベルリン)/第8回NHKイタリア歌劇団公演《アドリアーナ・ルクヴルール》《シモン・ボッカネグラ》日本初演/長門美保歌劇団、《イェヌーファ》日本初演/藤原義江没(享年77) 第1回東京世界バレエ・コンクール開催/東京で第1回世界バレエ・フェスティバル開催。マイヤ・プリセツカヤ、マーゴ・フォンテイン、アリシア・アロンソら出演/牧阿佐美バレヱ団《ラ・シルフィード》(ブルノンヴィル版)全幕日本初演 つかこうへい、《熱海殺人事件》などで紀伊國屋ホールに進出(入場料700円)/青山のVAN99ホールの「新人グループ提携公演」で夢の遊眠社が野田秀樹《走れメルス》上演/早稲田小劇場が富山県利賀村で活動開始/清水邦夫が木冬社を、石橋蓮司が第七病棟を旗揚げ
1977(52) 日劇 日劇ダンシングチーム解散/シアター365、草月ホール開場 ベルリン国立歌劇場来日公演、モーツァルト作曲ダ・ポンテ三部作上演/モスクワ・オペラ来日公演、《エウゲニ・オネーギン》他上演/水野修孝《天守物語》初演(NHK放送)/関西二期会、ヤナーチェク《利口な女狐の物語》日本初演 アルヴィン・エイリー舞踊団初来日公演《流れ》《クライ》《リベレーションズ》他上演/大野一雄、《ラ・アルヘンチーナ頌》発表(演出:土方巽)/森下洋子、エリザベス女王即位25周年記念特別公演に招かれ、ルドルフ・ヌレエフと《ドン・キホーテ》グラン・パ・ド・ドゥを踊る(ロンドン、ロイヤル・オペラハウス) 柄本明ら東京乾電池結成/新宿文化閉館/ルノー=バロー劇団来日、《ハロルドとモード》《バレアル諸島の風の下で》など上演/村山知義没(享年76)
1978(53) 新東京国際空港(成田)開港/植村直己北極圏に到達
サンシャイン劇場、博品館劇場、銅羅魔館開場
オペラシアターこんにゃく座、林光《白墨の輪》初演/藤原歌劇団、ヴォルフ=フェラーリ《イル・カンピエッロ》日本初演/東京室内歌劇場、モンテヴェルディ《ユリシーズの帰還》日本初演 ローラン・プティ・マルセイユ・バレエ団初来日公演/山海塾、《金柑少年》発表(演出・振付・デザイン:天児牛大)/パリ市フェスティバル・ドートンヌ「間─日本の時空間」展覧会(ルーヴル装飾美術館)にて土方巽振付《闇の舞姫十二態─ルーヴル宮のための十四晩》上演(出演:芦川羊子) 天井桟敷、《奴婢訓》で欧州巡演/俳優座劇場改築のため閉場
1979(54) 国立演芸場開場/新宿文化センター、日本青年館ホール開場 モスクワ・オペラ来日公演、フレンニコフ《かけおち》日本初演他上演/ウィーン・フォルクスオーパー来日公演、《こうもり》《メリー・ウィドウ》上演/関西歌劇団創立30周年、関西二期会創立15周年記念合同公演、《トスカ》上演/英国ロイヤル・オペラ来日公演、《トスカ》《ピーター・グライムズ》《魔笛》上演 チャイコフスキー記念東京バレエ団、第7次海外公演でモスクワ・ボリショイ劇場に出演。《レ・シルフィード》《タムタム》《眠れる森の美女》《かぐや姫》他上演/牧阿佐美、AMスチューデンツ開設。第一期生に大畠律子、草刈民代、佐々木想美ら/牧阿佐美バレヱ団、《ライモンダ》全幕日本初演(振付:テリー・ウエストモーランド) オンシアター自由劇場《上海バンスキング》初演/安部公房スタジオ、活動休止/ミラノ・ピッコロ座、フランス国立民衆劇場、オールド・ヴィック・シアターなど、来日公演相次ぐ/青俳倒産、解散
1980(55) ■国有財産中央審議会は、第二国立劇場用地として通産省の東京工業試験所跡に答申
俳優座劇場新装開場/昭和女子大学人見記念講堂開場
越路吹雪没(享年56)
創作オペラ協会、田中均《虎月傳》初演/ベルリン国立歌劇場来日公演、ヘンデル《ジューリオ・チェーザレ》他上演/ウィーン国立歌劇場来日公演、《フィガロの結婚》《サロメ》《後宮からの逃走》《ナクソス島のアリアドネ》《エレクトラ》上演 堀内元、ローザンヌ国際バレエ・コンクールでスカラシップ賞、振付賞受賞/大須賀勇らが白虎社を結成/大野一雄、第14回ナンシー国際演劇祭に参加、《ラ・アルヘンチーナ頌》他上演/法村牧緒、ヴァルナ国際バレエ・コンクールでパートナー賞受賞 無名塾《ソルネス》で旗揚げ/つかこうへい《蒲田行進曲》初演/青年座、新作五作品連続公演
1981(56) 日劇閉場/下北沢ザ・スズナリ開場 ドレスデン国立歌劇場来日公演、《ばらの騎士》《魔弾の射手》上演/ミラノ・スカラ座来日公演、《シモン・ボッカネグラ》《オテロ》《ラ・ボエーム》《セビリアの理髪師》上演/東京二期会、ヤナーチェク《カーチャ・カバノヴァ》日本初演 谷桃子バレエ団、《バヤデルカ》全幕日本初演(演出・振付:スラミフィ・メッセレル)/大野一雄、《わたしのお母さん》発表(演出:土方巽)/財団法人日本舞台芸術振興会発足。理事長:坊秀男、専務理事:佐々木忠次/田中泯、舞踊グループ「舞塾(まいじゅく)」発足 夢の遊眠社、《少年狩り》で紀伊國屋ホールに進出/鴻上尚史ら第三舞台、《朝日のような夕日をつれて》で旗揚げ/オンシアター自由劇場《上海バンスキング》博品館劇場で上演/シェイクスピア・シアター、6年かけてシェイクスピア全37本を上演
1982(57) 新橋演舞場新装開場/シアターアプル、本多劇場、ゆうぽうとホール、アルカイックホール開場 東京オペラ・プロデュース、青島広志《黄金の国》初演/東京二期会創立30周年記念公演、《アイーダ》《ファルスタッフ》上演/ウィーン・フォルクスオーパー来日公演、《こうもり》《ウィーン気質》《メリー・ウィドウ》上演 木佐貫邦子、実験的ソロダンスシリーズ《てふてふ》開始/アメリカン・ダンス・フェスティバルに厚木凡人、加藤みや子、大駱駝艦他が参加/堀内元、ニューヨーク・シティ・バレエ団に入団/小川亜矢子「ダンシング・アヴェニュー・スタジオ一番街」開設 第三世代(野田秀樹ら)の活躍/日本で初めての国際演劇祭、利賀フェスティバル開幕、6ヵ国11劇団が参加/つかこうへい事務所解散、つかも演劇活動休止
1983(58) 国立能楽堂開場/タイニイ・アリス開場
オンラインネットワークによるチケット販売サービス「チケットぴあ」始まる
ベルリン国立歌劇場来日公演、《タンホイザー》《さまよえるオランダ人》他上演/東京二期会、《ジークフリート》上演/日生劇場開場20周年記念特別公演、《魔笛》《コジ・ファン・トゥッテ》《ドン・ジョヴァンニ》《フィガロの結婚》連続上演 ローザンヌ国際バレエ・コンクールで吉田都、堀内充がスカラシップ賞受賞/土方巽著『病める舞姫』出版(白水社、1977 ?1978年『新劇』に連載)/友井唯起子、法村友井バレエ団公演で《クレオパトラ》発表/溝下司朗、チャイコフスキー記念東京バレエ団芸術監督に就任 平田オリザら「青年団」、如月小春「NOISE」、J.A.シーザーら「万有引力」結成/《王女メディア》ギリシアなどで上演/四季、新宿西口特設劇場で《CATS》初演/寺山修司没(享年47)
1984(59) 国立文楽劇場 国立文楽劇場開場/こまばアゴラ劇場開場 ハンブルク国立歌劇場来日公演、《影のない女》《魔笛》《ローエングリン》上演/日本オペラ協会、三木稔《あだ》日本初演/藤原歌劇団創立50周年記念公演、ドニゼッティ《マリア・ストゥアルダ》日本初演/文化庁芸術祭主催公演、日本オペラ協会、原嘉壽子《祝い歌が流れる夜に》初演 メトロポリタン歌劇場開場100周年記念ガラ・コンサートに森下洋子が出演/第一回日本バレエ・フェスティバル開催/「アメリカン・ダンス・フェスティバル東京」開催/田中泯、「田中泯1501回独舞公演」で《「恋愛舞踏派」定礎》発表(演出:土方巽) ザ・スズナリで第三舞台、第三エロチカ、ブリキの自発団など5劇団が「近未来劇」を競演/早稲田小劇場がSCOTと改称/こまつ座《頭痛肩こり樋口一葉》で旗揚げ/山本安英《夕鶴》一千回上演
1985(60) 日航ジャンボ機御巣鷹山山中に墜落
ベニサン・ピット、青山劇場、青山円形劇場、シアター/トップス、スパイラル・ホール開場
ウィーン・フォルクスオーパー来日公演、《こうもり》《メリー・ウィドウ》、レハール《チャールダーシュの女王》上演/欧州音楽年参加、マスカーニ《イリス》日本初演/東京二期会、《ヴォツェック》上演 「舞踏フェスティバル85舞踏懺悔録集成 ─七人の季節と城」開催/土方巽、《東北歌舞伎計画1》〜4を発表/デンマーク・ロイヤル・バレエ団初来日公演/勅使川原三郎、宮田佳と共にKARASを結成 中劇場協議会発足/タイニイ・アリスで、若手劇団のフェスティバル開催/転形劇場が新しい拠点、T2スタジオを開場/ロングラン・シアター《裸足で散歩》1年1か月25日でピリオド
1986(61) サントリー チェルノブイリ原子力発電所で大事故
■第二国立劇場建築設計競技入賞発表(最優秀作品:柳澤孝彦)
サントリーホール開場
ウィーン国立歌劇場来日公演、《ばらの騎士》《フィガロの結婚》《マノン・レスコー》《トリスタンとイゾルデ》上演/英国ロイヤル・オペラ来日公演、《トゥーランドット》《カルメン》《サムソンとデリラ》《コジ・ファン・トゥッテ》上演 土方巽没(享年57)/チャイコフスキー記念東京バレエ団、モーリス・ベジャール振付《ザ・カブキ》初演/ピナ・バウシュ/ヴッパタール舞踊団初来日公演《カフェ・ミューラー》《春の祭典》他/勅使川原三郎、《風の尖端》でバニョレ国際振付コンクール準優勝受賞 結成10周年の夢の遊眠社、代々木体育館で《石舞台星七変化》三部作一挙上演、1日で延べ約2万5千人の観客を動員/渡辺守章訳・演出による日本語の《悲劇フェードル》、パリで上演、好評
1987(62) 国鉄民営化、JR各社発足
銀座セゾン劇場開場/新国劇解散
ベルリン国立歌劇場来日公演、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》《後宮からの逃走》《フィガロの結婚》《サロメ》上演/ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演、《ニーベルングの指環》4部作上演/東京二期会創立35周年記念公演、《三文オペラ》上演/田谷力三没(享年89) オーストラリア・バレエ団初来日公演《ドン・キホーテ》《白鳥の湖》他上演/大野一雄、シュツットガルト・世界演劇祭に参加。フェスティバルのオープニングで《睡蓮》発表/松山バレエ団《新当麻曼荼羅》発表(台本・演出・振付:清水哲太郎) 松本現代演劇フェスティバルに12劇団が参加/夢の遊眠社、エジンバラ国際芸術祭、《NINAGAWAマクベス》ロンドンで上演/ジァン・ジァン《授業》中村伸郎、15年で幕/《レ・ミゼラブル》日本初演
1988(63) グローブ座 ■「第二国立劇場周辺街区整備協議会」発足
東京グローブ座開場
東京室内歌劇場、原嘉壽子《脳死をこえて》初演/メトロポリタン・オペラ来日公演、《ホフマン物語》《イル・トロヴァトーレ》他上演/ミラノ・スカラ座来日公演、《ナブッコ》《ラ・ボエーム》《トゥーランドット》他上演/バイエルン国立歌劇場来日公演、《アラベラ》《ドン・ジョヴァンニ》他上演 英国サドラーズ・ウエルズ・ロイヤル・バレエ団初来日公演
国外イリ・キリアン、ネザーランド・ダンス・シアターで《輝夜姫(かぐやひめ)》発表
モーリス・ベジャール・バレエ団来日。ガラ公演「パリ│日本」で坂東玉三郎とパトリック・デュポンの《黒塚》、ジョルジュ・ドンと玉三郎の《道成寺》他上演
鈴木忠志が米4劇団合同制作による《リア王》を演出、全米を巡演/唐十郎、状況劇場解散、新たに「唐組」結成し、仮設の下町唐座で旗揚げ/第1回東京国際演劇祭、池袋で開催/転形劇場解散
1989(64/平成元) 文化村 天皇崩御、元号が平成となる/ベルリンの壁崩壊/美空ひばり没(享年52)/消費税スタート
■国立劇場法の一部改正、特殊法人国立劇場が第二国立劇場の設置者となる
東急文化村、全労済ホールスペース・ゼロ、シアターサンモール開場
大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス第1回公演、《ファルスタッフ》上演/ウィーン・フォルクスオーパー、ボリショイ・オペラ、アレーナ・ディ・ヴェローナ他来日公演/バイロイト音楽祭来日公演、《タンホイザー》上演/ウィーン国立歌劇場来日公演、《ランスへの旅》《パルジファル》《魔笛》《ヴォツェック》上演 熊川哲也、ローザンヌ国際バレエ・コンクールで日本人初の最優秀特別賞受賞/チャイコフスキー記念東京バレエ団、ノイマイヤー振付《月に寄せる七つの俳句》初演/堀内元、ニューヨーク・シティ・バレエ団のプリンシバルに昇格/「ヨコハマ・アート・ウェーブ」開催。ピナ・バウシュ《カーネーション》他上演 つかこうへい、6年ぶりに《今日子》で復帰/松本修らが「MODE」結成/坂東玉三郎、アンジェイ・ワイダ演出《ナスターシャ》をベニサン・ピットで上演
1990(2) 東西ドイツ統一
■政府が東京工業試験所跡地を特殊法人国立劇場に現物出資/特殊法人日本芸術文化振興会と民間地権者が第二国立劇場と東京オペラシティを特定街区制度により建設することを都に提出/第二国立劇場設立準備協議会で「第二国立劇場管理運営の基本的在り方」を決定
日本芸術文化振興基金発足(公的助成の広がり)/企業メセナ協議会設立/東京芸術劇場、水戸芸術館ACM劇場、北とぴあ開場
日本オペラ協会、原嘉壽子《よさこい節》初演/東京二期会フィンランド公演、《蝶々夫人》、三木稔《春琴抄》上演/ベルリン国立歌劇場来日公演、《魔笛》《ばらの騎士》《トリスタンとイゾルデ》《魔弾の射手》上演/日生劇場、《トリスタンとイゾルデ》上演 大野一雄、イタリア・クレモナのポンキエッリ劇場で《花鳥風月》発表/イリ・キリアン/ネザーランド・ダンス・シアター初来日公演《沈黙の叫び》他上演/牧阿佐美バレヱ団、レニングラード・キーロフ劇場、モスクワ・ダンチェンコ劇場で公演/スコティッシュ・バレエ団初来日公演《ロメオとジュリエット》《ペトルーシュカ》他 木下順二《子午線の祀り》、山本安英の会により全曲上演
1991(3) 湾岸戦争勃発/ソ連邦消滅 ベルリン・コーミッシェ・オーパー、モスクワ室内歌劇場他来日公演/東京二期会、《神々の黄昏》上演/日生劇場、《後宮からの逃走》《イドメネオ》《魔笛》《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》《フィガロの結婚》上演 ウィリアム・フォーサイス/フランクフルト・バレエ団初来日公演/日本バレエ協会、ヤング・バレエ・フェスティバルで《卒業舞踏会》日本初演/牧阿佐美バレヱ団、《ラ・フィユ・マル・ガルデ》日本初演(アシュトン版)/バニョレ国際振付コンクール・ジャパンプラットフォーム第1回開催 任意団体「日本新劇団協議会」が改組、「社団法人日本劇団協議会」が発足、「新劇」が消える/山崎正和を芸術監督に「ひょうご舞台芸術」発足
1992(4) 愛知県 ■第二国立劇場建設工事着工
アートスフィア、シアターX、愛知県芸術劇場開場
ケルン歌劇場来日公演、《さまよえるオランダ人》《後宮からの逃走》他上演/英国ロイヤル・オペラ来日公演、モーツァルト作曲ダ・ポンテ三部作上演/サイトウ・キネン・フェスティバル松本第1回公演、ストラヴィンスキー《エディプス王》上演/バイエルン国立歌劇場来日公演、《影のない女》《フィガロの結婚》他上演 大野一雄著『舞踏譜 御殿、空を飛ぶ』出版(思潮社)/堀内充とFootlights dancers公演《BACK TO THE FUTURE》発表/牧阿佐美バレヱ団、《北斗》発表(振付:牧阿佐美)
国外ジョルジュ・ドン没(享年45) 
雑誌『しんげき(新劇)』あらため『レ・スペック』発刊も廃刊/夢の遊眠社解散、第三舞台活動休止/太地喜和子没(享年48)/情報誌「シティ・ロード」廃刊
1993(5) 皇太子・雅子妃ご成婚
■「財団法人第二国立劇場運営財団」設立、畑中良輔(オペラ)、島田廣(舞踊)、藤田洋(演劇)が初代監督となり、渡辺浩子芸術副監督(演劇)が決まる
明治座新装開場
サントリーホール、ホールオペラ第1回公演《ラ・ボエーム》上演/メトロポリタン・オペラ、ベルリン・ドイツ・オペラ、ボローニャ歌劇場他来日公演/マリインスキー劇場来日公演、プロコフィエフ《炎の天使》日本初演他上演/日生劇場開場30周年記念事業、松村禎三《沈黙》初演 国外ルドルフ・ヌレエフ没(享年54)
牧阿佐美バレヱ団、三谷恭三プロデュース公演「ダンス・ヴァンテアン」シリーズ開始/チャイコフスキー記念東京バレエ団、モーリス・ベジャール振付《M》初演/岩田守弘、モスクワ国際バレエ・コンクールのシニア・ソロ部門で金賞受賞
日本劇作家協会が発足、初代会長に井上ひさし/T.P.T(シアタープロジェクト東京)旗揚げ、ベニサン・ピットで《テレーズ・ラカン》上演/山本安英没(享年90)
1994(6) さいたま 関西国際空港開港/大江健三郎、ノーベル文学賞受賞
彩の国さいたま芸術劇場開場
藤原歌劇団創立60周年記念公演、《アンドレア・シェニエ》他上演/ウィーン国立歌劇場来日公演、《フィガロの結婚》《ボリス・ゴドゥノフ》《ばらの騎士》《こうもり》上演/神奈川県民ホール、團伊玖磨《素戔嗚》初演/長門美保没(享年83) 三谷恭三、牧阿佐美バレヱ団芸術監督に就任/松山バレエ団、《新・白鳥の湖》発表(演出・振付:清水哲太郎)/ダムタイプ、オーストラリアのアデレード・フェスティバルで《S/N》発表 第1回読売演劇大賞をT.P.Tが受賞/平田オリザ、岩松了、宮沢章夫ら「静かな演劇」の波/日・中・韓の演劇交流を目的に第1回BeSeTo演劇祭がソウルで開催/飯沢匡没(享年85)、福田恒存没(享年82)、千田是也没(享年90)
1995(7) 地下鉄サリン事件/阪神・淡路大地震
■第二国立劇場の正式名称が「新国立劇場」となる
ボリショイ・オペラ来日公演、《エフゲニ・オネーギン》、チャイコフスキー《オルレアンの少女》、《イーゴリ公》上演/ミラノ・スカラ座来日公演、《椿姫》《ファルスタッフ》《西部の娘》上演/文化庁芸術祭主催公演、日本オペラ協会、一柳慧《モモ》初演 井手茂太、イデビアン・クルー旗揚げ公演で《イデビアン》発表/スターダンサーズ・バレエ団、鈴木稔振付《ドラゴンクエスト》発表/吉田都、英国ロイヤル・バレエ団にプリンシパル・ダンサーとして移籍/H・アール・カオス、《春の祭典》発表(振付:大島早紀子) 水戸芸術館ACM劇場で「現代日本戯曲体系」上演開始/第1回シアターオリンピックスがギリシアで開催、鈴木忠志・宮城聰共同演出《エレクトラ》などが参加/静岡県舞台芸術センター、SPAC創立
国外ハイナー・ミュラー没(享年66)
1996(8) 松竹歌劇団( SKD)解散/紀伊國屋サザンシアター、富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)開場 ハンブルク国立歌劇場、フィレンツェ歌劇場来日公演/ひろしまオペラルネッサンス、池辺晋一郎《じゅごんの子守唄》初演/マリインスキー劇場来日公演、《カルメン》《カテリーナ・イズマイロヴァ》《ムツェンスク郡のマクベス夫人》《オテロ》上演 近藤良平、コンドルズ結成、《太陽にくちづけ》発表/第1回横浜ダンスコレクション開催/第1回パークタワー・ネクストダンス・フェスティバル開催/伊藤キム、バニョレ国際振付賞受賞 オンシアター自由劇場解散/舞台芸術のための支援制度「アーツプラン21」発足/鈴木忠志を代表に「演劇人会議」が発足/「せりふの時代」創刊
1997(9) 新国 東京国際フォーラム、世田谷パブリックシアター、静岡芸術劇場開場
■10月10日、新国立劇場開場
三枝成彰《忠臣蔵》初演/メトロポリタン・オペラ、ベルリン国立歌劇場来日公演/新国立劇場開場記念公演、團伊玖磨《建・TAKERU》初演 松山バレエ団、創立50周年《バレエ・バレエ・バレエ》発表(演出・振付:清水哲太郎)/新国立劇場開場記念公演バレエ《眠れる森の美女》、ダンス《パノラマ展》上演/佐多達枝、《カルミナ・ブラーナ》発表 杉村春子没(享年91)/青山円形劇場で「別役実の世界」開催/新国立劇場開場記念公演、井上ひさし《紙屋町さくらホテル》初演