大原永子舞踊芸術監督から皆様へメッセージ
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新国立劇場バレエ公演『竜宮 りゅうぐう』~亀の姫と季の庭~が、あと2回の公演を残して閉幕となりました。公演を楽しみにされていたお客様には申し訳なく思いますが、お客様の安心・安全を第一に考えての劇場の判断にご理解をいただけましたら幸いです。
私の芸術監督任期最後である2019/2020シーズンは、お客様にバレエ・ダンスの魅力を存分にお楽しみいただきたいという思いがあり、昨年秋よりバレエはケネス・マクミラン振付『ロメオとジュリエット』、ダンスは中村恩恵振付『ベートーヴェン・ソナタ』で開幕致しました。しかしながら新型コロナウィルスによる本年2月『マノン』2公演の中止に始まり、思いがけないシーズン・エンディングを迎えることになってしまいました。今、スコットランドの自宅にいる私は、5か月ぶりに再開したバレエ団の公演に立ち合うこともできず、残念でなりません。今まで誰もが経験したことのない状況下で公演のキャンセルが続き、ダンサーたちはトレーニングもままならず、肉体的にも精神的にもつらい日々を送ったことと思います。稽古を再開した6月から、まだいろいろと制約がある中、森山開次さんとの必死のリハーサルを経て、多くのスタッフの支えにより『竜宮』の世界初演をお客様にお見せすることができたことは、幸いに思います。また、この状況下でご来場下さいました皆様に、心より感謝を申し上げます。
今はこのコロナウィルス感染拡大の終息を祈るしかありません。本年8月に上演が予定され、私も舞踊監修を務める新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』公演は来年夏の上演が検討されており、5月に公演中止となった6組の主役キャストによるバレエ『ドン・キホーテ』は、吉田都・新舞踊芸術監督に受け継がれ、新しいシーズンの幕開けでの上演が決まりました。
これからは劇場もバレエも、大きな変化を受け入れて行くことが求められることでしょう。バレエ団のダンサーたちには、謙虚な気持ちを忘れずにとにかく「健康に留意」しつつ、前に向かって進んでほしいと願っています。観客の皆様もどうぞお身体をくれぐれもご自愛ください。そして近い将来、また初台の新国立劇場でお目にかかれることを心待ちにしています。
舞踊芸術監督 大原永子