世界初演・新作バレエ公演「竜宮 りゅうぐう」作品紹介&森山開次からのメッセージ
新国立劇場バレエ団、5ヶ月ぶり公演再開!日本の御伽草子「浦島太郎」
ダンサー・
いったいどんな作品になるのか?森山開次によるみどころと、「竜宮 りゅうぐう」に向けてのメッセージを公開いたします。
「竜宮 りゅうぐう」みどころご紹介
*プリンセス 亀の姫のチュチュが可愛い!
「プリンセス 亀の姫が眠り姫やシンデレラのような、
人気キャラクターのひとつになったら嬉しいですね。」
(森山開次 談)
*新国立劇場バレエ団と初のコラボレーション
コンテンポラリー・ダンスの振付・創作で活躍してきた森山が新国立劇場バレエ団のダンサーたちと共に、クラシック・バレエからどのような新しい表現を生み出していくのか、どうぞご期待ください。
*「季(とき)の庭」ってどんなところ?
竜宮城にある不思議な季の庭では、春夏秋冬の美しい四季を一度に堪能することができます。
でもそこには決して長い時間入ってはいけません!
*作品のテーマは「時」
太郎が竜宮城にいる間に七百年もの年月が経過していました。
ふるさとで玉手箱を開けた太郎はお翁(じい)さんになってしまいます。
玉手箱には、時が封印されていた、そうこれは「時の物語」なのです。
森山開次からのメッセージ
新作バレエ『竜宮』は、「御伽草子」の浦島太郎を下敷きにしています。
その物語を読んで私が先ず驚いたのは、助けたカメが竜宮城のプリンセスだったこと。そして一番驚いたのは太郎がお翁(じい)さんになったあと、さらに鶴に変身して亀の姫と再会、最後には鶴亀の夫婦明神(めおとみょうじん)となって人々を守っていったという話です。「なんで鶴に変身するの?」って、子どもたちにもびっくりしてもらいたい、そしてバレエらしいロマン溢れる舞台を皆様にお届けしたいと思っています。「御伽草子」の竜宮城は島、陸の上にあるのですが、このバレエでは海の中に設定し、ふぐやタコ、マンボウなど愉快な海の仲間たちが登場して太郎を<おもてなし>します。
今回は、美術・衣裳までトータルで担当させていただくので、身が引き締まる思いです。でも多くのプロフェッショナルなスタッフがサポートしてくれ、私のプラン、世界観を具現化してくれる、その共同作業がとても楽しい。一人では舞台は作れるものではないことを、改めて感じています。
新国立劇場バレエ団とのコラボレーションは、昨年秋のワークショップから始まりました。私の振付はコンテンポラリー・ダンスに分類されますがオリジナルで、バレエもベースに取り込んでいます。今までは、私が先ず踊ってみせることが多かったのですが、イメージを伝えるだけで「バレエだったら、こういう動きがある」とアイデアを出してくれる。クラシック・バレエの伝統を保ちつつ新しい表現へ挑戦しようとする新国立劇場バレエ団のメンバーの<創作に対する意識>は、とても高いと感じています。
この作品にはテーマとして「時」が流れています。竜宮城には、不思議な「季(とき)の庭」があり、一度に春夏秋冬の美しい四季を堪能することができます。太郎が竜宮城にいる間に700年もの年月が経過していました。ふるさとで玉手箱を開けた太郎はお翁(じい)さんになってしまいます。玉手箱には、時が封印されていた、そうこれは「時の物語」なのです。
時とは何か。そして、竜宮城とは何か。なぜ、太郎は故郷に帰ったのか。現代を生きる私たちも「今」という時をどのように生きるべきか、あらためて見つめることができるかもしれません。ダンスや音楽は、時の芸術でもあります。そして舞台は、今を共有できる時の空間。舞台上の一瞬を届けるために、私たちは鍛錬と稽古を繰り返す。
当たり前のようにあった<舞台のありがたさ尊さ>をあらためて感じる今。時の感覚も違って感じられます。新国立劇場バレエ団のみんなと、今また創作ができる喜び。どんな『竜宮』が誕生するか、心から楽しみにしています。
森山開次
- 世界初演・新作バレエ公演「竜宮 りゅうぐう」~亀の姫と季(とき)の庭~
2020年7月24日(金・祝) ~ 7月31日(金) 全8回公演
新国立劇場 オペラパレス