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華々しき一族
HANABANASHIKI ICHIZOKU
小劇場 THE PIT


<スタッフ>
 
:森本薫
演出 :鐘下辰男
美術 :島次郎
照明 :中川隆一
音響 :井上正弘
衣裳コーディネーター :清水崇子
演出助手 :藤井清美
舞台監督 :山岡均
企画 :渡辺浩子
主催 :新国立劇場

<キャスト>
  佐藤慶/佐藤オリエ/大原康裕/未來貴子/七瀬なつみ/榎木孝明

<公演日程>
 
2月
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●1:00/○2:00          
●6:00/○7:00        

2月 20
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3/1
●1:00/○2:00      
●6:00/○7:00          
21(月)は休演日です。開場は開演の45分前です。

<前売り開始日>
  1999年10月11日(月・休) 10:00〜

<チケット料金>
  A席:5,250円   B席:3,150円

  華々しき一族のチラシ若き来訪者にゆらぐ虚構の家
機知に富んだ清新な戯曲で早熟ぶりを発揮し、「怖るべき子供」と異名をとった劇作家・森本薫。34歳で夭折してから半世紀を過ぎた現代でもなお、多くの傑作は決してその輝きを失っていません。『華々しき一族』は、24歳のときの作品です。昭和25年文学座で初演されて以来、杉村春子の当たり役の一つとして公演を重ね、『女の一生』と並ぶ代表作として知られています。『華々しき一族』は、さまざまな愛情と心理が絡み合う家族の物語です。小刻みに揺れ動く心の機微が細やかに織りなされる会話によって表現され、華やかに見える家族に秘められた内幕が浮き彫りにされていきます。演出は、話題作を世におくり続ける鐘下辰男。存在感あふれる実力派の出演者により、緊密な人間ドラマを創り上げます。上演のたびに絶賛を浴びてきた名作が、また新たな魅力を放つことでしょう。

自然界の趣をそのままに保存するために設けられた「風致保存区域」に、どうも自然とは思われない一つの「家族」が存在している。彼らは「映画界」という「虚構」の世界に従事しており、その表層はいかにも華々しい。この、昭和十年という実に微妙な時代に書かれた戯曲『華々しき一族』は、当時24歳であった森本薫の、時代の要請に対する一つの答えだ。一見「華々しき」表層の奥に潜む密かな狂気の存在は、あれから70年近く経とうとしている現在でも、「一族」の「血」として、脈々と我々の中に受け継がれているようである。(鐘下辰男)

<ものがたり>
自然の美しさを保つよう特に指定された、風致保存区域で暮らす一家族。老境に入った映画監督の鉄風と新進舞踊家の諏訪。この夫婦には、それぞれ連れ子がある。実務家の長男・昌允(まさたね)と活発な次女・未納(みな)は鉄風の、しとやかな長女・美 は諏訪の子供である。また鉄風の弟子で将来を嘱望されている映画監督・須貝もこの家に同居している。鉄風と諏訪が今最も望んでいることは、須貝のもとに未納か美 のいずれかを嫁がせること。しかし、昌允の美 に対する気持ちや、未納が抱く須貝への想いといった愛情関係の小さな波紋が、家族の心理に大きな変化をもたらしていく。やがて、芸術という虚構の世界に生きる「華々しき一族」の矛盾が露わになっていくのだが―。


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