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怒濤
DOTO
小劇場 The Pit

<スタッフ>
 
:森本薫   演出 :マキノノゾミ
美術 :奥村泰彦   照明 :中川隆一
音響 :堂岡俊弘   衣装 :三大寺志保美
演出助手 :豊田めぐみ   舞台監督 :青木義博
企画 :渡辺浩子   主催 :新国立劇場

<キャスト>
  高橋幸治/熊谷真美/小林勝也
織本順吉/田鍋謙一郎/今井朋彦
弥生みつき/南谷朝子/三鴨絵里子
青山眉子/五十嵐明/木村つかさ/奥田達士/林力
勝平ともこ/白木三保/塩湯マユミ/土屋恵里利香/易夏洋

<公演日程>
 
1月 11
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●1:00
○2:00
     
貸切

貸切
       
●6:00
○7:00
       
貸切
     
17(月)、24(月)は休演日です。開場は開演の45分前です。貸切公演もZ席を販売します。

<前売り開始日>
  1999年10月11日(月) 10:00〜

<チケット料金>
  A席:5,250円   B席:3,150円

  怒濤のチラシ自信喪失の現代を笑う、人間・北里柴三郎伝。
昭和を代表する劇作家のひとり、森本薫。昭和21年、34歳で亡くなるまでに遺した傑作の数々は、現代でも高い評価を得ています。人間の心理を見事に表現してみせる巧みな作劇術は、まさに夭折の天才と呼ぶにふさわしいでしょう。
『怒濤』は、森本薫32歳のときの作品。細菌学の巨人・北里柴三郎(1852〜1931)がさまざまな苦難に見舞われながらもそれに立ち向かう、怒涛のごとき半生をたどります。
伝染病研究所(伝研)の設立や、それに対する病原菌への恐怖から起こった近隣住民からの立ち退き要求。娘・善子を襲ったジフテリアの発病とその血清の開発。ペスト菌の発見にいたるまでの苦闘。伝研が内務省所管から帝国大学に移ったことでの粉糾と、私費での北里研究所の設立。慶應義塾創立60年記念事業における医学科の新設への参画など─。歴史的事実に沿いながら、北里柴三郎の人間像に迫り、すべての登場人物がいきいきと描かれた、単なる伝記劇にとどまらない奥行きをもった作品です。今回の演出を手がけるのは、劇作家、演出家として確かな実績を重ねているマキノノゾミ。また、個性あふれる出演者にも期待が集まります。新国立劇場の新春を飾る『怒濤』。人間の心の強さと美しさが胸を打つ、感動の舞台が誕生します。

私は、この作品が書かれたのが戦時中という時代であったことを考えないわけにはいきません。絶望的な社会危機、現代にも通底する精神の危機に対し、何とか立ち向かうための作者の「仮説」ではなかったかと思うのです。日本人の精神のコアとなっている美質の部分だけあえて抽出して拡大して見せたという、ある意味では非常に痛ましい作品ではないか。だからこそ、作者の精神の健康さに勇気づけられるのです。21世紀を迎えるにあたって、私たち日本人がますます過酷な社会的状況に直面するための、それを乗り越えてゆくための、大きなヒントの一つが、この作品にあると思うのです。(マキノノゾミ)


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