新国立劇場に、今、新たな“伝説”が生まれます。
ベル・エポックの時代、大正・・・・・・明治の桎梏から解き放たれ、大正デモクラシーがおこり、大正ロマンに彩られ、社会は貧しくも新しい文化が花開いた時代。理想のために、夢のために、愛のために、死ぬことまでできた愚かしくも、美しい人間たちがいた。大杉栄、伊藤野枝、平塚らいてう、辻潤、堺利彦、荒畑寒村、島村抱月、小山内薫、沢田正二郎、久保栄、中山晋平・・・・・・。彼らは、理想と現実に悩みながら、真剣に情熱的に、芸術を語り、愛を語り、社会の変革を語り、女性解放を語り、そして実践した・・・・・・。
花咲かそ 花咲かそ 死ぬほど生きた人たちのため
花咲かそ 花咲かそ 未来に生きる人たちのため……
‘68文学座で初演され、伝説の舞台となった戦後演劇の傑作。円熟・気鋭のキャストに、宇崎竜童の音楽を加えた木村光一演出「美しきものの伝説」は、夢や理想を失った時代に、懸命に生きることの意味を語りかけます。
・・・・・・ひたむきに生きる人々とは、なんと滑稽で、華やかで、そして、痛ましい存在なのだろうか。未来に希望を求めて行動する大正期の芸術家・社会活動家たちの群像劇。時代が青春と情熱を失った今、あの死者たちは私たちに問いかける。さあ、あなたたち、もういちど未来に夢を見ようではないか、と。 |