愛と知と破滅のトリプルワールドへようこそ ニューヨーク・東京・アムステルダム 世界のアーティスト達によるコラボレーション
新国立劇場1998/99シーズン・中劇場で展開するダンステアトロンの第2弾は、 平林和子の『FAUST』。最先端をいくニューヨークのダンス界を拠点として30年余りにわたる舞踊活動を行い、コレオグラファーのみならず教育者としても高い評価を得ている平林の、久々の本格的日本公演となる。
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「FAUST」―壮大な人間ドラマ
あらゆる学智を極めても満足を得ることができず、老いてしまった自分に絶望するファウストに、悪魔メフィストフェレスが誘いをかける。現世の享楽、世界を統べる深奥の理念。悪魔に魂を売り渡せば、肉体は若返り、あんなに欲しかった無限宇宙の秘密が自分のものになる!…ゲーテが生涯かけて打ち込んだテーマ「ファウスト」を、平林が独自の感性で描く。悪魔と契約を結んだファウストが、新たな力をもって実現しようとすること、翻弄され、様々な障壁にぶつかりながらも追い求めるその先は、混迷の現代を生きる私たちにもそのまま通ずる人類普遍の命題。人間とは何か、生きることの意義を問いかける意欲作。
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世界のアーティストたちによるコラボレーション
本公演で注目されるのは、平林の壮大なダンス・スペクタクルを支える世界のアーティスト達。音楽は、現在ヨーロッパで活躍中の現代音楽家ミッシェル・フォン・ディア・アー。その洗練された多彩なボキャブラリーで、難解といわれる現代音楽を魅力あるものにしている。その彼の音楽を生演奏するのはアンサンブル・ノマド。オペラシティ・コンサートホールで定期公演を続けている実力派揃いの演奏家グループが、アーの音楽を盛り上げる。
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存在感たっぷりの豪華キャストが勢揃い
期待のキャストには豪華な顔ぶれが揃った。主役ファウスト役は、オーディションのすえ決まった大神田正美。彼は98年の全国舞踊コンクール創作部門で第一位文部大臣奨励賞を受賞した実力派。悪魔メフィストにはネザーランドダンスシアター、モナコ公国モンテカルロバレエ団などで活躍してきたブラックパワー溢れるゼイン・ブッカーが妖しく人間の弱さにつけ込み、全編とおして様々なシーンでファウストと我々人間たちに挑戦する。また、マルガレータ役に元マーサグラーム舞踊団のプリマ木村百合子が久々の日本の舞台に登場。そのドラマチックな演技が注目される。さらにもう一人のゲストダンサー、魔女のボスとしてマーサグラーム舞踊団出身のステファニー・トゥーマンが出演する。
平林の創るダンスの面白さは、オフバランスとダイナミックな重心の移行にある。様々なダンスシーンを迫力満点に繰り広げるのは、指名オーディションで選出された22名の精鋭ダンサー達。国内外のコンクール受賞者や文化庁在外研修・海外留学などの経験者などがずらり参加している。贅沢なゲストダンサーたちとの共演で、熱気に満ちた舞台が展開されるに違いない。
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