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浮標(ブイ)
Buoy
シリーズ「現在へ、日本の劇」2
小劇場 THE PIT

<スタッフ>
 
:三好十郎
演出 :栗山民也
美術 :島次郎
照明 :勝柴次朗
音響 :斉藤美佐男
衣裳 :宮本宣子
方言指導 :大原穣子
演出助手 :豊田めぐみ
舞台監督 :加藤高
芸術監督 :栗山民也
主催 :新国立劇場

<キャスト>
 
生瀬勝久   七瀬なつみ   佐々木愛   長谷川稀世
北村有起哉   大鷹明良   石田圭祐   須賀佐代子
吉村直   浅野雅博   花村さやか   小林麻子
永幡洋   大津尋葵   山中麻由   下里翔子

<公演日程>
 
2003年2月 2/19日
(水)
20日
(木)
21日
(金)
22日
(土)
23日
(日)
24日
(月)
25日
(火)
26日
(水)
27日
(木)
●1:00      
貸切
●6:00
○6:30
   

2003年2・3月 28日
(金)
3/1日
(土)
2日
(日)
3日
(月)
4日
(火)
5日
(水)
6日
(木)
7日
(金)
●1:00  
   
●6:00
○6:30
   
開場は開演の45分前です。

<前売り開始日>
  2002年12月15日(日)10:00〜

<チケット料金>
 
席種 A席 B席
料金 5,250円 3,150円
@チケットぴあ

浮標(ブイ)のちらし日本の近代から現代へ残された財産に現在の視点から光を当てる、シリーズ「現在へ、日本の劇」。第2弾は1940年初演の『浮標』を上演します。
作者の三好十郎(1902−1958)は、戦前戦後を生き抜き、時代や自分自身と苦闘しながら数多くの作品を残した劇作家。プロレタリア戯曲から出発した彼は、底辺に生きる庶民たちの心情を鮮やかに描き出していき、やがて混乱する不安定な社会のなかで知識人として生きることの意義を問い、日本人という存在を探求し続けて、劇作へと昇華することに生涯を捧げました。
信じていた思想との決別、愛妻の死と、心の支えを立て続けに失った作者が、自身の内面に敢然と向かい合って書き上げたのがこの『浮標』で、作者の戦前における到達点であると評価の高い作品です。泥沼化する日中戦争を背景につづられる、画家夫婦の真摯な姿。芸術と人間の尊厳を守って闘う主人公・久我五郎は三好自身の投影であり、結核に倒れた妻・みさおのほか、実在の人物が多数配されています。芸術、思想、生命とあらゆる支えが奪われんとするなかで、精神の葛藤を越えてたどり着く五郎の再生の境地、その生命力と愛情を讃える絶唱に、初演では劇場じゅうが一瞬静まり、次の瞬間、どよめきと涙と熱気に飲み込まれたといいます。
演出には芸術監督の栗山民也があたり、永年温めてきたこの戯曲への情熱をぶつけます。これまで上演機会が非常に少なかったため幻の名作とも呼ばれる本作ですが、演劇の確かな力を再確認し、真正面からの対決を決意したと意気込む栗山演出が「言葉の劇」の力をいかに引き出すか、俄然注目が集まります。丸山定夫ら名優が演じてきた難役・五郎に挑む若手演劇人・生瀬勝久をはじめ、実力あるキャストをそろえて丁寧に作り上げる『浮標』。人の心の美しさが、私たちの胸に深く、まっすぐに染み込む感動の舞台となるでしょう。

ものがたり
夏も終わりの千葉市郊外の海岸。洋画家久我五郎は自己の芸術を信じ、肺を病む妻の美緒を看護しながら貧困と闘っている。彼を排する低俗な画壇、財産の譲渡を迫る家族など、苦境のうちに妻の病気は次第に悪化していく。戦地へ赴く親友が五郎を訪ねた数日後、その献身的な努力もむなしく美緒の病状が急変。その枕元で、五郎は万葉の歌を必死に詠み上げる−。


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