新国立劇場コンテンポラリーダンス2002/2003シーズンは、ついに登場の小池博史で幕を開ける。彼の率いるパパ・タラフマラが創出する異色な舞台は、日本のみならず世界からも注目を集めている。舞踊・演劇・美術・音楽というあらゆるジャンルを超越し、パフォーマンスを新たな次元へと導く小池博史が、新国立劇場ダンスプラネットのために『未来の空隙は響き』を新制作する。
パパ・タラフマラは結成20年を迎え、その活動の集大成とも言うべき大作『WD』を2001年12月に発表した。この20世紀の歴史を検証イメージした一大叙事詩の最終章・未来の章を足がかりに、そこから現在と未来だけを取り出す『未来の空隙は響き』。新しい世紀に生きる術を模索する。
21世紀は混沌と秩序が大きなキーワードとなっていくだろう。人間はますます自然の脅威に目を見開き、自然的現象を重要視せざるを得なくなり、人々の貧富の差や情報量の差は縮まっていくとは考えられず、民族問題も解決に向かうとは思えない。しかし、人は何らかの光を見出そうとしてあがくものだ。そのあがきからしか何かが見えてこないのも事実である。
いかなる希望を持つか、いかにして混沌から抜け出すのか。それらの目に見えぬ響きあいが、あふれんばかりの光と映像のなかで描かれる。
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