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2005年9月30日

「カルミナ・ブラーナ」
作品をより楽しむためにlectureB
〜出演者たち〜

◆出演者プロフィール

<ゲストダンサー>

●シルヴィア・ヒメネス Silvia Jimenez <バーミンガム・ロイヤルバレエ ソリスト>
マドリード生まれ。地元でダンスを学んだ後、1992年にシュツットガルト・バレエに入団。ハイデ版「眠れる森の美女」のリラの精やビントレー振付の「エドワードU世」のイザベラなどをレパートリーとしていた。彼女はナチョ・ドゥアトやハンス・フォン・マネン や ステファン・トスとも仕事をしている。96年にバーミンガム・ロイヤルバレエに入団後は「白鳥の湖」のオデット、オディール、「眠れる森の美女」の雪の女王、バランシン作品のソロやビントレー振付「カルミナ・ブラーナ」の運命の女神などをレパートリーに加えている。

●イアン・マッケイ Iain Mackay <バーミンガム・ロイヤルバレエ プリンシパル>
グラスゴー生まれ。スコットランド・ダンス・スクールなどで学んだ後、英国ロイヤルバレエ・アッパー・スクールで2年学び、1999年バーミンガム・ロイヤルバレエに入団。2001年にソリストとなり、2003年にプリンシパルに昇格した。彼は異例の速さでこのカンパニーでの昇格を果たしたが、彼の資質は充分そのスピードに値する。彼の年齢や舞台経験からは信じられないくらいに、古典作品の王子役から非常にドラマティックな役まで演じることができるうえ、確実にテクニックを向上させ、パートナーシップも申し分ない。彼はこの素晴らしい資質をバーミンガム・ロイヤルバレエで長く発揮していくことだろう。


<新国立劇場バレエダンサー>

●山本隆之 Yamamoto Ryuji <ソリスト>
大阪府出身。86年よりケイ・バレエ・スタジオにて矢上香織、久留美、恵子に師事、ジャズダンス、クラシックバレエを始める。93年にニューヨークのジョフリー・バレエ学校に奨学生として留学し、ジョフリー・バレエ団に入団。95年韓国光州国際バレエ・コンクールのパ・ドドゥ部門第二位。大阪を中心に活躍するかたわら97年7月より新国立劇場バレエ団登録ソリストとなり、開場記念公演「くるみ割り人形」をはじめ「白鳥の湖」「ペトルーシュカ」等に出演している。2000年6月の「テーマとヴァリエーション」では振付指導のP.ニアリーに抜擢され、プリンシパル役を踊る。以後「くるみ割り人形」「シンデレラ」で主役、「リラの園」ではキャロラインの恋人役を見事に演じた。2001/02シーズンより新国立劇場バレエ団契約ソリストとなり「ロメオとジュリエット」でベンヴォーリオ役を好演。03年中川鋭之助賞を受賞。幅広いレパートリーと豊かな経験で、名実ともにバレエ団のトップダンサーである。03年末の「こうもり」のヨハン役では「大胆で華麗な演技」(「フィナンシャル・タイムズ」1/6 クレメント・クリスプ氏)と絶賛される。連日3人のベラ(草刈民代、真忠久美子、湯川麻美子)と見事なパートナーシップで各公演とも好評を博す。2003/04シーズンでは「ロメオとジュリエット」のロメオ役に初挑戦した。2004/05シーズンは 10月「ライモンダ」ジャン・ド・ブリエンヌ役、12月「くるみ割り人形」王子役、05年1月公演「白鳥の湖」ジークフリード王子役、 05年3月「カルメン」ドン・ホセ役、05年4、5月「眠れる森の美女」デジレ王子役、05年6,7月「ドン・キホーテ」バジル役と全演目に主役出演。1月の「白鳥の湖」では「王子の山本隆之は出がじつに端然として、見事な王子ぶり。当節これほど物腰に品位のある王子は海外のスターにも少ない」(朝日新聞1月15日夕刊 佐々木涼子氏執筆)と絶賛される。2005/06シーズンも全演目に主役出演。2005年第21回服部智恵子賞(日本バレエ協会主催)を受賞。

●湯川麻美子 Yukawa Mamiko <ソリスト>
 兵庫県出身。江川バレエスクールにて江川幸作、江川のぶ子に師事。90年ベルギーのアントワープ・バレエ学校に留学し、モナコでもマリカ・ベゾブラゾワの指導を受ける。翌年英国ロイヤルバレエ学校に移り、92年に帰国。86年全国舞踊コンクール第2部第2位、91年ウルガット国際バレエ・コンクール(フランス)ジュニア部金賞、振付賞などの入賞歴がある。95年にカナダのブリティッシュ・コロンビア・バレエと契約したのち、97年7月より新国立劇場バレエ団契約ソリストとなる。「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」のスペインの踊り、「シンデレラ」の仙女、「リラの園」の過去の愛人など、数々の舞台で活躍している。2002年の初演時「こうもり」ベラ役が新国立劇場での主役デビューで、03年の再演ではフィナンシャルタイムズ紙で「ベラ役は湯川麻美子でジャンメールのようにトーンが明るく、また魅力的だった。」(クレメント・クリスプ氏)と絶賛された。また03年の「マノン」ではレスコーの恋人役を連日踊り、高い評価を得た。2005年3月、二度目の主役出演となった新プロダクション「カルメン」では豊かな演技力で好評を博した。明るくクレバーな雰囲気と女性らしい魅力に溢れるダンサー。2005/06シーズンの出演予定は10月「カルミナ・ブラーナ」、06年5月「こうもり」ベラ役。

<ソリスト歌手>

●佐藤美枝子 Sato Mieko <ソプラノ>
武蔵野音楽大学卒業。(財)日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第9期生修了。 1994年第30回日伊声楽コンコルソ第2位に入賞。翌年、イタリア・ローマ市マンツォーニ劇場の「リゴレット」にてジルダ役で出演する。 第64回日本音楽コンクール声楽部門第1位、同時に増沢賞、海外派遣特別賞を受賞。 1996年第7回五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞し、(財)五島記念文化財団の奨学生として97年から3年間イタリアに留学。在伊中、ヴィッシ・ダル テ、フランコ・コレッリ両国際声楽コンコルソに入選。 1998年には第11回チャイコフスキー国際音楽コンクール声楽部門で日本人初の第1位を受賞し、世界の注目を集めた。 1999年新国立劇場での「カルメン」のミカエラで日本での本格的オペラ・デビューを飾る。第9回出光音楽賞および第2回ロシア歌曲賞を受賞。翌年、第 10回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。 2000年1月、最も得意とする「ランメルモールのルチア」のタイトルロールで絶賛を博した。その後、新国立劇場にて「オルフェオとエウリディーチェ」の アモーレ、夏にはイタリア・サンタマルゲリータにて「愛の妙薬」のアディーナで出演。11月にロッシーニ協会設立5周年記念公演「ランスへの旅」に出演。 2001年、東京フィル・オペラコンチェルタンテ「夜鳴きうぐいす」など、各種コンサートで活躍。昨年に引き続き、サンタマルゲリータにて「リゴレット」 のジルダで出演。12月には新国立劇場でのオペラ「ドン・カルロ」に出演した。 2002年1月サントリーホールでのリサイタル、3月にオペラ「カプレーティ家とモンテッキ家」主演の他、5月にはゲルギエフ創設のキーロフ歌劇場フィル ハーモニー管弦楽団と共演(指揮:ジャナンドレア・ノセダ)。 2003年3月、藤原歌劇団主催オペラ「イタリアのトルコ人」に出演。12月にはブルガリアのソフィア国立歌劇場に招かれ「ランメルモールのルチア」と 「リゴレット」を主演し、大絶賛を博した。また、ルチアのハイライト・オペラ「幻想のルチア」(演出:岩田達宗)を愛知で初演し、独創的な舞台は好評を博 し、日本各地で公演を行っている。 2005年は、藤原歌劇団「椿姫」公演でヴィオレッタ役を皮切りに、ウィーン・フィルの主要メンバーで構成されているトヨタ・マスター・プレイヤーズ、 ウィーンとの共演、そして11月にはソフィア国立歌劇場の日本来日公演に参加する予定である。 これまでに、安部洋子、土谷正公、浦野りせ子、菊池英美、南條年章、松本美和子、故L.フランカルディ、N.ボナヴォロンタ、G.パスティネ、S.クライ マーの諸氏に師事。 藤原歌劇団団員。 CDはビクターエンタテインメントより「至上のルチア」「アリア」「さくら横ちょう」をリリースしている。

●ブライアン・アサワ Brian Asawa <カウンターテナー>
新世代カウンターテナーの最前線にいる実力派。バロック音楽の世界的に著名な指揮者たちに才能を見出され、表舞台に出る。日系3世で、音楽をサンタクルスUCとUCLA、南カリフォルニア大学で学ぶ。歌手としてのキャリアはNYメトロポリタン歌劇場のNational Council Auditionsでカウンターテナーとして初めて優勝した1991年にスタートした。91〜92年にサンフランシスコ・オペラで若手歌手として2年活動した後、94年にプラシド・ドミンゴの国際コンクール「オペラリア」でカウンターテナーとして初めて優勝し、シアトル・オペラの96〜97年の「年間アーティスト」に選ばれた。2004・2005シーズンはバルセロナのリセウ歌劇場で「ジュリオ・チェーザレ」、「ボリス・ゴドゥノフ」に、ワシントンではヘンデルの「メサイア」でアルト歌手として、サンディエゴ・オペラでは「こうもり」のオルロフスキー、バイエルン州立歌劇場で「サウル」などに出演。さらにNYメトロポリタン歌劇場、マドリードのテアトロ・レアル、英国ロイヤルオペラ、パリ・オペラ座など世界の一流歌劇場に出演している。2005・2006シーズンはハンブルグ州立歌劇場で世界初演の「エンジェルズ」や「ジュリオ・チェーザレ」「三人姉妹」、ミネソタ・オーケストラとの競演でヘンデルの「メサイア」、シアトル・オペラとウィーン国立歌劇場でも主要な役で出演する予定。今回の出演が新国立劇場初登場となる。

●河野克典 Katsunori Kono <バリトン>
山口県出身。東京芸術大学大学院終了。ドイツ政府給費留学生(DAAD)としてミュンヘン国立音楽大学に学び、その後ウィーン国立歌劇場研究員として研鑽 を積む。第43回ジュネーヴ国際音楽コンクール声楽部門第2位(1位なし)、第37回ヘルトゲンボシュ国際声楽コンクール歌曲部門第1位、ザルツブルク市 賞など数々の賞に輝く。ライン音楽祭、ザルツブルク音楽祭、アムステルダム・コンセルトヘボウ、その他ヨーロッパ各地でのリサイタルをはじめ、オペラ、 オーケストラ、宗教曲の公演に数多く出演。日本国内ではソニー音楽芸術振興会主催「Performance Today」でデビュー。若杉弘指揮のNHK交響楽団定期演奏会において、マーラーの《さすらう若人の歌》を歌い、その瑞々しい歌唱力が絶賛された。日本 の主要なオーケストラとの共演も多く、小澤征爾、ケント・ナガノをはじめ内外の数多くの指揮者と共演している。彼のドイツ歌曲の演奏については、フィッ シャー=ディースカウが「素晴らしい解釈と驚くべき集中力でリートを演奏する」(音楽雑誌『Schott』)と賞賛している。 国内のコンサートとしては、ピアニスト清水和音との共演による97年10月の紀尾井ホールでのリサイタルは、「表情豊かなバリトン」「ドイツ・リートの楽 しさを満喫させてくれた独唱会」と絶賛を博した。1999年2月、東京フィルハーモニー交響楽団「オペラコンチェルタント・シリーズ」でのR.シュトラウ ス《無口な女》の理髪師役の成功で、また彼の実力を大きく示すこととなった。1999年から2000年にかけて「歌・三夜一夜物語」というリサイタルシ リーズを行い、好評を博した。 2001〜2002年にかけてはシューベルト3大歌曲「白鳥の歌」(2001年11月カザルスホール)「冬の旅」(2002年2月 王子ホール)「美しき水車小屋の娘」(2002年7月 トッパンホール)(ピアノはいずれも野平一郎)の連続演奏会を行なった。 さらに、2003年1月には、ゲルト・アルブレヒト指揮 読売日本交響楽団とマーラー「リュッケルトの詩による5つの歌曲」とマーラー「さすらう若者の歌」のソリストをつとめた。また秋には、ガリー・ベルティー ニ指揮 東京都交響楽団と「ロミオとジュリエット」のソリストとして好評を博した。 2003年より5年にわたる10回シリーズで「新・歌物語」をスタートさせ、第2回「ヴォルフの世界」(ピアノ:野平一郎)は、平成15年度芸術祭優秀賞 を受賞し、その実力は確実に評価されている。 またCD録音は多数あり、代表的なものとしては、ナミ・レコードより シューマン「詩人の恋」(ピアノ:マルティン・ツェーン)、シューベルト「白鳥の歌」「美しい水車屋の娘」(ピアノ:野平一郎)をリリースしている。

◆指揮者バリー・ワーズワースBarry Wordsworth
BBCコンサート・オーケストラおよびブライトン・フィルハーモニーの主席指揮者を務める一方で英国の主なオーケストラ、ロンドン交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ロンドン・フィル、ザ・ハーレ・オーケストラ、バーミンガム市立交響楽団に客演指揮者として活躍。1989年BBCのプロムスでの指揮がテレビ放映されて以来毎年、プロムスでBBCコンサート・オーケストラの指揮を務めている。演奏活動のほかにも英国ロイヤルオペラでの「ドン・ジョヴァンニ」や「カルメン」といったオペラ公演を指揮している。95年まで英国ロイヤルバレエの音楽監督であった時は主要な公演を指揮。現在バーミンガム・ロイヤルバレエ音楽監督。新国立劇場では「ロメオとジュリエット」「マノン」「シンデレラ」を指揮している。