新国立劇場からのお知らせ
令和6年度 新国立劇場研修所 修了式が行われました
3⽉18⽇、新国⽴劇場オペラパレス・ホワイエにおいて、令和6年度 新国⽴劇場 オペラ研修所・バレエ研修所・演劇研修所の修了式を行いました。
今年度はオペラ研修所第25期生(5名)、バレエ研修所第20期生(5名)、 演劇研修所第18期生(10名)の計20名が修了を迎え、 今後それぞれが舞台人としての道を歩み出すことになります。
最初に銭谷眞美新国立劇場運営財団理事長より式辞がありました。
皆さんは、これまでの研修所の先輩方と同様、海外講師も含めた世界トップレベルの講師陣による指導や、ANA様のご支援による国内外の研修も含め、恵まれた環境の中でレベルの高い研修を受け、学んでこられました。
新国立劇場研修所を修了した者としての誇りと自覚をもって、オペラ、バレエ、演劇各界の発展に貢献すべく、より一層の研鑽に励み、着実に成果を上げ、グローバル・トップクラスのプロとして活躍されることを心から願っております。
都倉俊一文化庁長官(小林万里子文化庁審議官代読)、杉浦久弘独立行政法人日本芸術文化振興会理事長代理理事、植野素明全日本空輸株式会社執行役員から御祝辞をいただきました。
都倉俊一文化庁長官からの御祝辞 小林万里子文化庁審議官代読
皆さまは数年前、期待と不安を胸に研修所の扉を叩かれ、時に励まし合いながら切磋琢磨し、弛まぬ努力を重ねられ、それぞれの専門技術、幅広い分野の知識・教養を習得されたと思います。
現在、文化庁では、CBX(Cultural Business Transformation)の考え方の元、様々な分野で国際的に活躍するアーティストの育成とプロデュースなど官民で強力に連携して文化芸術のグローバル展開を一段高いレベルで進めているところです。
研修所を修了された皆さまも強い信念をもって、さらなる高みを目指しグローバルに活躍するアーティストとなることを期待します。
杉浦久弘独立行政法人日本芸術文化振興会理事長代理理事からの御祝辞
植野素明全日本空輸株式会社執行役員からの御祝辞
皆さまは、新国立劇場研修所という狭き門を突破され、この数年間ひたむきに研鑽を積まれたことと思います。演劇研修所は「若手俳優育成のための国内研修事業支援」による広島研修、「ANAスカラシップ」による海外研修でオペラ研修所、バレエ研修所はイタリア・ミラノで、世界の新しい舞台に挑戦するお手伝いができたことを大変嬉しく思っております。若い感性がより刺激され、ステップアップの機会につながればと思っております。
世界の舞台にチャレンジするのは容易ではなく、決意と覚悟が大切ですが、弊社でも2024年冬にミラノ、ストックホルム、イスタンブールの3地点への就航という新しいチャレンジを開始しました。皆さまには無限の可能性があります。日本の芸術界を牽引し、世界を舞台に羽ばたかれることをお祈りいたします。
※全日本空輸株式会社には、オペラ研修所・バレエ研修所の「ANAスカラシップ」、演劇研修所の「若手俳優育成のための国内研修事業支援」により研修事業全体をご支援いただいています。詳しくは以下のページをご覧ください。
>ANAスカラシップ(オペラ研修)
>ANAスカラシップ(バレエ研修)
>全日本空輸株式会社による新国立劇場若手俳優育成のための国内研修事業支援(演劇研修)
佐藤正浩オペラ研修所長、小倉佐知子バレエ研修所長、宮田慶子演劇研修所長が各修了者たちに修了証書を授与し、修了者へのはなむけの言葉を贈るとともに関係者の皆様への御礼を述べました。
佐藤正浩オペラ研修所長からのお祝いの言葉
私の所長着任は昨年ですので、第25期の皆さんとは3年の研修期間中2年の付き合いということになります。それぞれ声も人間的な個性も際立った皆さんでした。研修中は、各自様々な課題に果敢に取り組み、とにかく走り続けた3年間で、それはある時期に必要なことです。
これからは、立ち止まったり、今までとは異なった時間軸で今後進む道を考えてみてください。新しい環境も次のステップへの弾みになるはずです。新国立劇場で得たことを胸に、深淵なる芸術の世界へ挑戦を続けて行ってください。ここで得たことを以ってすれば、そして望めば、その新しい扉は開いてくれることでしょう。健闘を祈ります。
小倉佐知子バレエ研修所長からのお祝いの言葉
研修期間中は期待と不安の入り混じる色の濃い数年間であったと思います。皆さんの喜怒哀楽の華やかさに眩しさを感じます。皆さんは手にいっぱいの可能性を持っていると思います。卓越したプロのダンサーはとても精度の高い楽器のようだと感じます。バレエで言うと、しっかりした基礎の上に磨き抜かれた技術と感性を伴った踊りということになると思います。
こうしたレベルに到達するのは難しいですが、自分がそうしたプロのダンサーになりたいという気持ちを忘れずに、自分を信じて人の心に残る踊りを見せるダンサーを目指してください。バレエの世界はとても素敵な世界です。自信を持って踏み出してください。
宮田慶子演劇研修所長からのお祝いの言葉
この3年間のいろいろな思いが蘇ります。これからが再びスタートです。長い階段を一歩一歩のぼっていくことになります。その途中で、ぜひとも時に向きを変えて、これまでのぼってきた段数を見てみてください。そこから見える景色が前とは変わっていることに気が付くと思います。階段の一番下には研修所の3年間があります。そこが必ずスタートで支えていますので、確認してそこからもう一度向きを変えのぼっていってください。芸術を志す者はこうして階段を進んでいるのだと思います。長い階段もまず1段目からなのだと認識してもう一度スタートをしてください。
AIが様々な分野で人に取って代わるということが言われていますが、人と人とのコミュニケーション、人の心に向き合うということはAIが取って代わるということは決してないと思います。社会に何かを伝える存在になっていただきたいと思います。ここからがもう一回目のスタートです。
最後に修了者一人ひとりが挨拶をし、温かい拍手に包まれて令和6年度の修了式が終了しました。
各研修所では、海外招聘講師による特別授業や、昨年に引き続き海外研修などが実施されました。研修を通して得た様々な経験は一流のアーティストを目指す修了者にとって大きな糧となるに違いありません。皆様のこれまでのご声援に深く感謝するとともに、今後の新国立劇場研修所修了者たちの活躍にぜひご期待ください。

(2列目左より)演劇研修所第18期生(10名)、(3列目左より)オペラ研修所第25期生(5名)、バレエ研修所第20期生(5名)
修了公演舞台写真
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