新国立劇場からのお知らせ
令和6年度 新国立劇場 研修所入所式を開催しました
4月9日(火)、オペラ研修所第27期生(5名)、バレエ研修所本科後期課程 第21期生(8 名)・バレエ研修所本科前期課程 第23期(8名)、演劇研修所第20期生(12名)の入所式がオペラ劇場ホワイエにて行われました。
関係者には、式の様子をインターネット配信するかたちで開催されました。
最初に銭谷眞美新国立劇場運営財団理事長より式辞がありました。
「これまでに、オペラ研修所は24期116名、バレエ研修所は19期115名、演劇研修所は17期188名の計419名が、当研修所を修了し各分野で活躍をしています。先輩方も、この研修所でプロとしての礎を築き、たゆまぬ修練を積み重ねてきました。皆さんも新国立劇場研修生として、研修所において海外講師も含めた世界トップレベルの講師陣による指導や、ANAスカラシップなどの充実した研修における機会を存分に生かし、グローバル・トップクラスのプロへとつながる一歩を踏み出していってください。」
続いて、佐藤正浩オペラ研修所長、小倉佐知子バレエ研修所長、宮田慶子演劇研修所長が、新年度に入所する研修生たちに認定証を授与し、励ましのメッセージを贈りました。
佐藤正浩オペラ研修所長からの励ましの言葉
私は皆さんの親のような存在でありたいと思っています。親は子の幸せをいつも願うものです。そして、親として時には敢えて崖から突き落とすといった役割を担わなくてはならない場面もあるかもしれませんが、皆さんにとっての幸せは演奏家・舞台人として、より優れた舞台に立ち、自分が納得できるパフォーマンスをし、人々に感動を与えることだと思います。舞台に立つことを目指そうとした原点を思い出してください。そこには感動があったはずです。今度はあなた方が人々に感動を与える番です。新国立劇場の舞台に立つことは言うまでもなく、世界へ羽ばたく人材が一人でも多く輩出されることを心から願っております。
小倉佐知子バレエ研修所長からの励ましの言葉
私の恩師・牧阿佐美先生のお母様・橘秋子先生の「一流になるためには、3%の才能と97%の努力」というお言葉を皆さんに紹介したいと思います。このお言葉から、私は弛まぬ努力こそが大切であると強く感じました。明日から始まる厳しい研修生活を送る中で、壁にぶつかることもあると思いますが、この言葉を心のどこかに留めておいていただければと思います。才能は磨かれて初めて輝きを放ちます。精一杯の努力をして、花開かせていただきたいと思います。バレエ研修所は、明日からはさらなる進化を目指して、新体制で出発します。皆さんも夢に向かって突き進んで行ってください。
宮田慶子演劇研修所長からの励ましの言葉
俳優という仕事は人間とは何かを考える仕事です。戯曲に書かれた人物をつくることを通して、世界中のあらゆる人間の心と頭に入り込むことができます。俳優を目指すというしっかりとした目標と自覚さえあれば、歴史、政治、文化、身の周りに起こること全て、道行く人でさえ、学びや研究の対象になります。俳優になるということは、魅力的な人間力を身に付けるということです。魅力的でないと魅力的な人物を演じることはできません。俳優としての生活をどのようにおくるか、どう自分を律しながら生きていくかを学んでほしいと思います。人間を扱う仕事なので、他人に敬意を払う、注意を向ける、想像をするといった癖をつけてもらい、目的意識を失うことなく充実した毎日を送ってください。
続いて、文化庁次長 合田哲雄様(都倉俊一文化庁長官からの祝辞代読)、(独)日本芸術文化振興会理事長代理 杉浦久弘様よりお祝いのお言葉をいただきました。
合田哲雄文化庁次長 都倉俊一文化庁長官からの祝辞代読
舞台芸術は生の演奏によって人々に感動を与えることに大きな特徴があり、これは芸術の原点でもあります。ご自身が選んだ道に誇りを持ち、この入所式に臨まれた初心を踏まえ、これからの研修に励んでいただきたいと思います。皆様が、この研修所で学んだことを糧に、多くの人に喜びと感動を与え、世界を舞台に活躍する表現者として成長され、新国立劇場を内外から支える存在となられることを期待します。
一言付言をさせていただきます。私は一人の人間として、あるいは文化政策の担当者として、文化は教養ある人々や財産がある人々の贅沢品ではなく、全ての人の尊厳ある生活必需品であると思っております。研修生の皆様には、多くの人々の心の彩を変え、それを支えていただくということを祈念してやみません。
杉浦久弘(独)日本芸術文化振興会理事長代理
新国立劇場は我が国の現代舞台芸術の中核的存在として世界水準の優れた公演を行うとともに次代を担うトップレベルの芸術家の育成を行っています。この研修所は多くの方々の熱意とご尽力により成り立っており、当研修所を修了したアーティストは新国立劇場を始めとする国内外の舞台で目覚ましい活躍をされています。皆様は今日からトップクラスの研修を受けることとなります。感謝の気持ちを忘れず、また志を同じくする仲間と切磋琢磨しながら、日々精進を重ねていただきたいと思います。そして、国内外の舞台で多くの観客に夢と感動をもたらす実演家に成長されることを心から祈念しております。
引き続き、全日本空輸株式会社代表取締役社長 井上慎一様よりオペラ研修所第27 期生(5名)とバレエ研修所本科後期課程第20期生期生(5名)に「ANAスカラシップ」認定証が授与されました。その後井上様よりお祝いのお言葉をいただきました。
井上慎一全日本空輸株式会社代表取締役社長 祝辞
ANAは今でいうベンチャー企業からスタートし、チャレンジを奨励する文化は今でも大切にしています。
またチャレンジする若者を応援するという活動は以前から推進しており、プロサッカーの三笘選手、プロゴルファーの岩井姉妹など、逆風をものともせず挑戦するアスリートを応援しております。今目の前にいらっしゃる新入生の皆さんもこれらのアスリートと同じ目をしているように思います。近年、ANAは新経営ビジョンである「空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていく~ワクワクで満たされる世界を~」に 基づいてグループをあげてチャレンジしております。皆さんも無限大の可能性を信じ、貪欲に多くを学び、体験を積んでいただいて、困難をものともせず、プロフェッショナルとしてそれぞれの翼を大きく広げて、世界に羽ばたかれることを期待します。
最後に、各研修所の新入所生が一人ひとり今後の研修生活に向けての抱負を語りました。
海外・国内研修、国内外で活躍する一流の講師陣、海外招聘講師陣による実習や講義のほか、研修公演など、多様なカリキュラムに取り組みます。
新国立劇場研修所で研鑽を積み、国内外で活躍するプロフェッショナルなオペラ歌手、バレエダンサー、俳優を目指す研修生たちにどうぞご期待ください。
令和6年度新入生(計33名)
オペラ研修所
オペラ研修所 第27期生(5名)
有吉琴美
小野田佳祐
島袋萌香
牧羽裕子
矢澤 遼
バレエ研修所
バレエ研修所本科後期課程 第21期生(8名)
桑山奈那子
小寺夏鼓
佐藤みもざ
寺沼 優
富加見 優
三國日々音
美濃大和
宮脇沙來
バレエ研修所本科前期課程 第23期生(8名)
江口アンリ
金 紗也子
佐竹優真
園田瑞季
平山 凪
藤井杏優
前 さくら
村田剣一
演劇研修所
演劇研修所 第20期生(12名)
井澤一夢
石塚正俊
音田優輔
後藤綾沙子
今野 貴也
白濵 惺那
鈴木 桜子
園部 優心
土川葉菜
藤井直美
藤本桃子
増満尚子
ANAスカラシップ認定者
新国立劇場では全日本空輸株式会社より、オペラ研修所・バレエ研修所の「ANAスカラシップ」、演劇研修所の「若手俳優育成のための国内研修事業支援」として研修事業全体をご支援いただいています。
オペラ研修所 第27期生
・有吉琴美
・小野田佳祐
・島袋萌香
・牧羽裕子
・矢澤 遼
バレエ研修所本科後期課程 第20期生
・新井陸矢
・牛飼達也
・榎本志結
・中村美月
・府川萌南
詳しくはこちらをご覧ください。
> ANAスカラシップ(オペラ研修所)
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