Storyものがたり
敗戦後の夜更けの甲州街道。作家の御橋次郎は、家へ帰る途中、見知らぬ男、熊丸信吉と出会う。歩く道すがら、2人の目の前には、若い女や警官、復員服の男、農夫などが次々と現れる。会話しながら進むうち、なぜ熊丸がこんな夜中にここを歩いているか語られだすのだが......。
一年間をかけて試演を重ね、時間に追われない稽古のなかで、作り手の全員が問題意識を共有し、作品への理解を深め、舞台芸術の奥深い豊かさを一人でも多くの観客の方々に伝えられる公演となることを目標とする「こつこつプロジェクト」。
2021年から第二期が始動し、22年2月に最終試演会が行われました。『夜の道づれ』は第二期からの参加作品です。最終試演会後、さらに作品を深めてはどうかという協議がなされ、演出家の柳沼昭徳は、引き続き第三期メンバーの一人として、今年プロジェクトが再始動。今回は初めての試みである「Studio公演」として本プロジェクトの道程を皆様に公開いたします。
『夜の道づれ』は1950年に文芸誌「群像」に初出、敗戦後の夜更けの甲州街道をとぼとぼと歩いている、男二人の一種のロードムービーのような戯曲です。
この演劇的実験性の高い作品に挑戦するのは、京都を拠点に活躍する劇団烏丸ストロークロック主宰・柳沼昭徳。自身の創作のなかでも、「歩く」ことで人や事物と出会い、対話し、気づくことで過去を清算・懺悔するといった作品を作っていることもあり、本作に惹かれたとのこと。稽古の段階では、実際に甲州街道を歩くフィールドワークを行い、戯曲をフィジカル面でも検証、稽古に臨みました。試演会を重ねるにつれ、「発語」と「歩く」という行為が統合された俳優と、観客がまるで一緒に歩いている感覚に陥る不思議な作品へ変化をとげました。その時間と空間を深堀り、さらなる進化を目指します。
2025年 | 4月15日 | 火曜日 | 19時 | |
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4月16日 | 水曜日 | 14時 シアタートーク |
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4月17日 | 木曜日 | 14時 |
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4月18日 | 金曜日 | 19時 | ||
4月19日 | 土曜日 | 13時 | 17時30分 |
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4月20日 | 日曜日 | 13時 |
...託児室<キッズルーム「ドレミ」>がご利用になれます。
「こつこつプロジェクト」の一環として、演出家や出演者から、直接お客様に観劇後のご感想やご意見をうかがいます。
日程:4月17日(木)14:00公演、4月19日(土)17:30公演終了後 @新国立劇場 小劇場
出演:柳沼昭徳 ほか
注意事項:当日ご観劇のお客様にそのままご参加いただくプログラムです(他日程不可)。
1902年~58年。吉江喬松に師事し、早稲田大学在学中に詩人としてデビュー。28年、高見順らと左翼芸術同盟を結成。同年、処女戯曲『首を切るのは誰だ』を発表。全日本無産者芸術連盟(ナップ)に参加、『疵だらけのお秋』のほか小説・詩を書き、31年、処女戯曲集『炭塵』を出版。以降、プロレタリア劇作家として知られたが、社会的リアリズムと呼ぶ創作方法により、政治主義・公式主義に不満を抱き組織から離れる。生涯で57編の戯曲とラジオドラマの脚本を残し、『炎の人』で52年読売文学賞戯曲賞を受賞。そのほかの代表作に『浮標』『斬られの仙太』『おりき』『廃虚』『獅子』『その人を知らず』『胎内』『崖』『冒した者』など。58年12月16日、東京・赤堤の自宅書斎で逝去。享年56歳。戯曲体で81枚、小説体で130枚書かれた『神という殺人者』が絶筆未完の遺作となったほか、『悪人を求む』が遺稿として同年12月19日の読売演劇で発表される。
近畿大学在学中の1999年に「烏丸ストロークロック」を旗揚げ、京都を拠点に国内各地で演劇活動を行う。作品のモチーフとなる地域での取材やフィールドワークを元に短編作品を重ね、数年かけて長編作品へと昇華させていく創作スタイルが評価されている。2015年京都芸術センター主催演劇計画Ⅱ『新・内山』にて第60回岸田國士戯曲賞にノミネートされる。18年、20年と東京芸術劇場 芸劇eyesにて『まほろばの景』シリーズを上演、話題を呼ぶ。平成28年度京都市芸術新人賞受賞。
敗戦後の夜更けの甲州街道。作家の御橋次郎は、家へ帰る途中、見知らぬ男、熊丸信吉と出会う。歩く道すがら、2人の目の前には、若い女や警官、復員服の男、農夫などが次々と現れる。会話しながら進むうち、なぜ熊丸がこんな夜中にここを歩いているか語られだすのだが......。
お申し込みの際に、割引をご利用の旨お知らせください。(Z席は対象外)
ボックスオフィス(窓口・電話)、Webボックスオフィスで取扱。
ボックスオフィス(窓口・電話)、Webボックスオフィス、チケットぴあで取扱。
公演当日に残席がある場合のみボックスオフィス(窓口・電話)で取扱。要学生証。
ボックスオフィス(窓口・電話)のみ取扱。要障害者手帳等。
10名以上でのご観劇の場合は新国立劇場営業部(TEL:03‐5352‐5746)までお問い合わせください。