ピローマンThe Pillowman

【作】マーティン・マクドナー（Martin McDONAGH）

イギリス・ロンドン出身の劇作家、映画監督。
1970年ロンドンで生まれ、育つ。幼少期、アイルランド出身の両親の影響でアイルランドの土地・文化・言語に触れる。学校を中退し定職に就かずに創作を続け、戯曲の草稿が劇場関係者の目に留まり劇作家として活動が始まる。デビュー作『The Beauty Queen of Leenane』（96年）で、ローレンス・オリヴィエ賞・作品賞にノミネート、一躍注目を浴びる。アイルランド西部の村を舞台としたこの作品は、その後上演された『コネマラの骸骨』『ロンサム・ウェスト』（97年）と併せて「リーナン三部作」と呼ばれる。一方、『イニシュマン島のビリー』（96年）や『ウィー・トーマス』（01年）も同地域の島を舞台とし「アラン諸島三部作」の作品として知られる。
その後、『ピローマン』（03年）でローレンス・オリヴィエ賞・最優秀新作演劇賞を受賞。『スポケーンの左手』（10年）、『ハングメン』（15年）、『A Very Very Very Dark Matter』（18年）と新作が上演されている。また、映画監督・脚本でも高い評価を受けている。初監督の短編映画「シックス・シューター」（04年）で、アカデミー賞短編実写映画賞を受賞。初長編監督作「ヒットマンズ・レクイエム」（08年）、「セブン・サイコパス」（12年）、「スリー・ビルボード」（17年）ではアカデミー賞・作品賞と脚本賞にノミネート、ゴールデングローブ賞を受賞。「イニシェリン島の精霊」（22年）ではアカデミー賞9部門にノミネート、ゴールデングローブ賞を受賞。

【翻訳・演出】小川絵梨子（OGAWA Eriko）

2004年、ニューヨーク・アクターズスタジオ大学院演出部卒業。06～07年、平成17年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修生。18年9月より新国立劇場の演劇芸術監督に就任。
近年の演出作品に、『ART』『おやすみ、お母さん』『管理人／THE CARETAKER』『ダディ』『ダウト～疑いについての寓話』『検察側の証人』『ほんとうのハウンド警部』『作者を探す六人の登場人物』『じゃり』『ART』『死と乙女』『WILD』『熱帯樹』『出口なし』『マクガワン・トリロジー』『FUN HOME』『The Beauty Queen of Leenane』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『CRIMES OF THE HEART ―心の罪―』『死の舞踏／令嬢ジュリー』『ユビュ王』『夜想曲集』『RED』『スポケーンの左手』など。
新国立劇場では『レオポルトシュタット』『アンチポデス』『キネマの天地』『タージマハルの衛兵』『骨と十字架』『スカイライト』『1984』『マリアの首－幻に長崎を想う曲－』『星ノ数ホド』『OPUS/作品』の演出のほか、『東京ローズ』『かもめ』『ウィンズロウ・ボーイ』の翻訳も手がける。

本作には、フラッシュバックに繋がる／ショックを受ける懸念のある場面・表現が含まれます。

児童虐待、性的虐待、暴力、殺人、流血、銃声、差別的な表現