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巣ごもりシアター ~おうちで戯曲~とは

新国立劇場が、長期に渡りご自宅などでの待機を余儀なくされている皆様へ、そして舞台芸術を愛する皆様に向けてお贈りする「巣ごもりシアター」。演劇部門からは、新国立劇場のために書き下ろされた戯曲を、期間限定でウェブ公開する「おうちで戯曲」をお届けします。4月23日(木)より毎週2作品をそれぞれ2週間ずつ公開し、1ヶ月以上にわたって様々な戯曲をお楽しみいただけます。

読み物として楽しむもよし、ご観劇された舞台を思い出すもよし、登場人物になりきるもよし。ぜひこの機会に、自分だけの戯曲の楽しみ方で「巣ごもり」時間をお過ごしください。

5月21日以降の公開3作品が決定しました!(5月18日更新)

公開を終了いたしました。「おうちで戯曲」ご愛顧いただき、どうもありがとうございました!(6月11日更新)

演劇芸術監督 小川絵梨子よりメッセージ

新国立劇場演劇から、巣ごもりシアター「おうちで戯曲」をお届けいたします!
お家で演劇の世界を楽しんで頂きたいとの思いから、これまで新国立劇場に書き下ろされた数々の「戯曲」を、"戯曲"家(劇作家)の方々のご厚意とご協力を得て公開致します。
新国立劇場演劇では、権利関係や音楽著作権などの問題があり公演映像のネット配信が難しいところがあります。
そこで、演劇の土台であり、稽古場での設計図でもある、大切な「戯曲」に、是非この機会に触れて頂けたらと思いました。公開に当たり、ご快諾下さった方々に、心より感謝申し上げます。

戯曲を初めて読む!という方に、僭越ながら、例えばこんな風にも戯曲を読める!というご提案として・・・・

1)気負わず楽しんで読む
2)舞台化を想像しながら読む
3)俳優になって、好きな役を選び、一人の人物になりきって読む
4)演出家になって、具体的に配役や舞台美術などなどについて、アイデアを巡らせながら読む
5)短いセクションで区切って、そこを繰り返し読み、行間にどんなドラマがあるのか想像しながら読む

などなど。

個人的なことですが、自分が演出をする際は戯曲の存在が非常に大きく、戯曲に頼って、戯曲に助けられて、戯曲に教えてもらって、戯曲に楽しませてもらっています。戯曲があるから作品を作れるし、作りたいと思う事ができています。
「戯曲」の豊かさや楽しさを、共に感じて頂けましたら幸いです。

小川絵梨子

ご利用にあたってのお願い

1) 本戯曲のいかなる箇所もコピー、スキャン、またその他の方法で複製しないでください。
2) 本戯曲の著作権保持者の事前許諾を得ることなく、また定められた使用料を支払うことなく戯曲の上演を行わないでください。

本戯曲は日本国内の著作権法及び国際条約により保護されています。これらの法律・条約には作家がその創作に対して正当な報酬を得ることを保証し、彼らを盗作や乱用から守る役割があります。ルール・法令に則ったご利用をお願いいたします。

※本戯曲は、上演された台本とは一部異なる部分がある場合があります。


公開作品一覧&スケジュール

5月28日(木)15:00~
別役 実『月・こうこう , 風・そうそう』(2016年7月初演)

巣ごもりシアター ~おうちで戯曲~を見てくださってありがとうございます!
この企画は、今年から今も続いているコロナ感染症予防対策の現況を踏まえ、劇作家の方々のご厚意により無償で戯曲を公開させていただいております。改めまして、快く無償公開にご協力頂きました劇作家の皆さまに、深く御礼申し上げます。 
新国立劇場演劇

作品紹介&閲覧

4月23日(木)15:00~5月7日(木)14:00

蓬莱竜太『エネミイ』 (2010年7月初演)


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2010年公演より

平凡な家庭にある日突然、謎の男たちがやってきた。目的も告げず、なぜか居座り続ける男たち。「......どうして帰ってくれないんだろう。」そんな男たちと家族の間で揺れる青年の物語。学生運動、安保闘争という「戦いの時代」から「戦わない時代」への移り変わりを1976年生まれの劇作家の視点で描きだしました。

【新国立劇場での上演記録】
2010年7月 link.png公演詳細

蓬莱竜太

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プロフィール

蓬莱竜太(HORAI Ryuta)
1999年に劇団モダンスイマーズの旗揚げに参加。以降、座付作家として全公演の作・演出を務める。劇団の代表作として『デンキ島』三部作、『夜光ホテル』句読点三部作『死ンデ、イル』『悲しみよ、消えないでくれ』『嗚呼いま、だから愛』、『ビューティフルワールド』などがある。劇団外の作・演出作品に、『ハンドダウンキッチン』『罪』『正しい教室』『星回帰線』『渦が森団地の眠れない子たち』 、劇作に『パレード』『木の上の軍隊』『ブエノスアイレス午前零時』『漂白』『スコット&ゼルダ』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(第20回鶴屋南北戯曲賞受賞)『LOVE30~女と男の物語~兄への伝言』『Triangle~ルームシェアのススメ~』『Triangle vol.2~殺し屋ジョニーヤマダ~』などがある。また赤坂大歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』の作・演出、映画『ピアノの森』『ピンクとグレー』『劇場』、ドラマ『コールドケース~真実の扉~』『平成細雪』などの脚本を手掛けたりと、活躍の場は多岐にわたる。新国立劇場では『まほろば』(第53回岸田國士戯曲賞受賞)、『エネミイ』『消えていくなら朝』(第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞)を書き下ろし、『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』を演出。

 


早船 聡『鳥瞰図』 (2008年6月初演)


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2008年公演より

東京近郊のある港町を舞台にした、埋め立てられた海をめぐる家族の物語。失われた海、失われた命、失われた愛...。この町で三代続く船宿を営む家族を中心にそれを取り巻く人々が、それぞれの「失われた何か」を見つけるために過ごしたある夏の日が描かれます。

【新国立劇場での上演記録】
2008年6月 link.png公演詳細
2011年5月 link.png公演詳細

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早船 聡

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プロフィール

早船 聡(HAYAFUNE Satoshi)
2002年、円演劇研究所修了。05年、劇団サスぺンデッズを旗揚げ、以降、全作品の作・演出を手がけ、独自の言葉使いと笑いのセンス、そこから生み出される独特な世界観が絶賛を浴びる。
外部公演として『エレノア』『鑪ーたたら』『さらばドラキュラ』の作、『ロゼット』『僕のおばさん』『サバイブ!』『窓』の作・演出がある。
新国立劇場では、『鳥瞰図』作のほか、俳優として『マッチ売りの少女』『世阿弥』『マテリアル・ママ』に出演。

 


4月30日(木)15:00~5月14日(木)14:00

倉持 裕『イロアセル』(2011年10月初演)


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2011年公演より

話す言葉に人それぞれ固有の色があり、そのため住人はいつも慎重に発言しウソをつかない、という島が舞台。あるとき、丘の上に檻が設置され、島の外から囚人と看守がやってくるが、彼らとの会話は無色透明だった...。というところから始まる、現代のマスメディアやインターネット社会への風刺をこめた喜劇です。

【新国立劇場での上演記録】
2011年10月 link.png公演詳細

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倉持 裕

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プロフィール

倉持 裕(KURAMOCHI Yutaka)
2000年ペンギンプルペイルパイルズを旗揚げ、主宰、以降全作品の作・演出を手がける。
『ワンマン・ショー』にて第48回岸田國士戯曲賞受賞。
劇団外の活動も多く、近年の舞台作品に『鎌塚氏、舞い散る』『火星の二人』『誰か席について』の作・演出、 ミュージカル『HEADS UP!/ヘッズ・アップ!』の作、『神の子どもたちはみな踊る after the quake』の演出、 「お勢、断行」の作・演出などがある。
さらにTVドラマ『サラリーマン金太郎』『13歳のハローワーク』『信長のシェフ』『都市伝説の女』 『弱くても勝てます』、NHKのコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』の脚本執筆と、活動の幅を広げている。
新国立劇場では『イロアセル』の作、『昔の女』の演出を務めた。


長塚圭史『音のいない世界で』(2012年12月初演)


0227「音のいない世界で」左より長塚圭史、首藤康之、近藤良平、松たか子_(c)谷古宇正彦.JPG
2012年公演より

新国立劇場初の「こどもに開かれた」大人の演劇。大切なカバンを盗まれたことで「音」を失ってしまった女性がカバンを取り戻そうと旅に出ます。その女性と、彼女を追う夫を軸に綴られる不思議な一夜の物語です。

【新国立劇場での上演記録】
2012年12月 link.png公演詳細

長塚圭史

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プロフィール

長塚圭史(NAGATSUKA Keishi)
1996年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成、作・演出・出演の 三役を担う。2018年『MAKOTO』より劇団化。08年、文化庁新進芸術家海外研修制度に て1年間ロンドンに留学。11年、ソロプロジェクト「葛河思潮社」を始動、これまでに『 浮標』『冒した者』『背信』を上演。17年、新ユニット「新ロイヤル大衆舎」による北條 秀司の代表作『王将』の演出を手掛ける。最近の主な演出作品に『セールスマンの死』 『 ハングマン』 『作者を探す六人の登場人物』 『プレイヤー』など。俳優としてもドラマ 『グーグーだって猫である』『サギデカ』『シン・ウルトラマン』などに出演。また TOKYO FM『yes!~明日への便り』レギュラー出演。19年4月、KAAT神奈川県立芸術劇場 芸術参与に就任。
新国立劇場では『アジアの女』(作・演出)『音のいない世界で』『かがみのかなたはたな かのなかに』(作・演出・出演)を手がけており、2020年8月には『イヌビト ~犬人~』が予定されている。

5月7日(木)15:00~5月21日(木)14:00

蓬莱竜太『まほろば』(2008年7月初演)


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2012年公演より

とある田舎町の祭りの夜、本家を名乗る大きな日本家屋の居間を舞台に、命を繋げる、次世代への記憶を紡ぐ、ということをテーマに描いた6人の女の物語。蓬莱竜太は本作品で、2008年第53回岸田國士戯曲賞を受賞しました。

【新国立劇場での上演記録】
2008年7月 link.png公演詳細
2012年4月 link.png公演詳細

蓬莱竜太

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プロフィール

蓬莱竜太(HORAI Ryuta)
1999年に劇団モダンスイマーズの旗揚げに参加。以降、座付作家として全公演の作・演出を務める。劇団の代表作として『デンキ島』三部作、『夜光ホテル』句読点三部作『死ンデ、イル』『悲しみよ、消えないでくれ』『嗚呼いま、だから愛』、『ビューティフルワールド』などがある。劇団外の作・演出作品に、『ハンドダウンキッチン』『罪』『正しい教室』『星回帰線』『渦が森団地の眠れない子たち』 、劇作に『パレード』『木の上の軍隊』『ブエノスアイレス午前零時』『漂白』『スコット&ゼルダ』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(第20回鶴屋南北戯曲賞受賞)『LOVE30~女と男の物語~兄への伝言』『Triangle~ルームシェアのススメ~』『Triangle vol.2~殺し屋ジョニーヤマダ~』などがある。また赤坂大歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』の作・演出、映画『ピアノの森』『ピンクとグレー』『劇場』、ドラマ『コールドケース~真実の扉~』『平成細雪』などの脚本を手掛けたりと、活躍の場は多岐にわたる。新国立劇場では『まほろば』(第53回岸田國士戯曲賞受賞)、『エネミイ』『消えていくなら朝』(第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞)を書き下ろし、『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』を演出。


鄭 義信『焼肉ドラゴン』 (2008年4月初演)


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2016年公演より

日本の焼肉屋を舞台に、ある在日コリアンの家族を通して、日韓の現在、過去、未来を、音楽入り芝居でおかしく、そして哀しく切なく描き出し、2008年の演劇賞を総なめにした作品です。2018年には、鄭自身がメガホンをとり、映画化されました。

【新国立劇場での上演記録】
2008年4月  link.png公演詳細
2011年2月  link.png公演詳細
2016年3月  link.png公演詳細

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鄭 義信

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プロフィール

鄭 義信(Chong Wishing)

1993 年に『ザ・寺山』で第38 回岸田戯曲賞受賞。その一方、同年、映画『月はどっちに出ている』の脚本で毎日映画コンクール脚本賞、キネマ旬報脚本賞などを受賞。98 年には『愛を乞うひと』でキネマ旬報脚本賞、日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第1 回菊島隆三賞、アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞など数々の賞を受賞。
新国立劇場では、『たとえば野に咲く花のように─アンドロマケ─』『アジア温泉』の作、『焼肉ドラゴン』『パーマ屋スミレ』『赤道の下のマクベス」』の作・演出を務め、初演の『焼肉ドラゴン』で第16 回読売演劇大賞優秀演出家賞、第12 回鶴屋南北戯曲賞、第43回紀伊國屋演劇賞個人賞、第59 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。『焼肉ドラゴン』は2018年に映画化・小説化も果たしている。近年では『僕に炎の戦車を』『しゃばけ』『すべての四月のために』『密やかな結晶』『泣くロミオと怒るジュリエット』と話題作を生み出している。本年5月 『泣くロミオと怒るジュリエット』をリトルモアにて上梓予定。 2014 年春、紫綬褒章受章。


 

5月14日(木)15:00~5月28日(木)14:00

長塚圭史『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015年7月初演)


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2017年公演より

『音のいない世界で』に続く、子どももおとなも一緒に楽しめる演劇。合わせ鏡の中の自分、うまくいかない恋、はがれ落ちない孤独感...... 未来のおとなと、かつての子どもたちへ向けた、少しビターで、少しファンタジックで、そして少しアイロニカルな物語です。

【新国立劇場での上演記録】
2015年 7月  link.png公演詳細
2017年12月 link.png公演詳細

長塚圭史

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プロフィール

長塚圭史(NAGATSUKA Keishi)
1996年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成、作・演出・出演の 三役を担う。2018年『MAKOTO』より劇団化。08年、文化庁新進芸術家海外研修制度に て1年間ロンドンに留学。11年、ソロプロジェクト「葛河思潮社」を始動、これまでに『 浮標』『冒した者』『背信』を上演。17年、新ユニット「新ロイヤル大衆舎」による北條 秀司の代表作『王将』の演出を手掛ける。最近の主な演出作品に『セールスマンの死』 『 ハングマン』 『作者を探す六人の登場人物』 『プレイヤー』など。俳優としてもドラマ 『グーグーだって猫である』『サギデカ』『シン・ウルトラマン』などに出演。また TOKYO FM『yes!~明日への便り』レギュラー出演。19年4月、KAAT神奈川県立芸術劇場 芸術参与に就任。
新国立劇場では『アジアの女』(作・演出)『音のいない世界で』『かがみのかなたはたな かのなかに』(作・演出・出演)を手がけており、2020年8月には『イヌビト ~犬人~』が予定されている。


鄭 義信『赤道の下のマクベス』(2018年3月初演)


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2018年公演より

1947年、シンガポール、チャンギ刑務所で、第二次世界大戦のBC級戦犯として収容されていた元日本軍人と朝鮮人の元捕虜監視員の物語。2010年、韓国・ソウルで韓国語にて初演され、北京公演を経て、2018年新国立劇場上演のために大幅に改訂、日本初演されました。

【新国立劇場での上演記録】
2018年3月 link.png公演詳細


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鄭 義信

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プロフィール

鄭 義信(Chong Wishing)

1993 年に『ザ・寺山』で第38 回岸田戯曲賞受賞。その一方、同年、映画『月はどっちに出ている』の脚本で毎日映画コンクール脚本賞、キネマ旬報脚本賞などを受賞。98 年には『愛を乞うひと』でキネマ旬報脚本賞、日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第1 回菊島隆三賞、アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞など数々の賞を受賞。
新国立劇場では、『たとえば野に咲く花のように─アンドロマケ─』『アジア温泉』の作、『焼肉ドラゴン』『パーマ屋スミレ』『赤道の下のマクベス」』の作・演出を務め、初演の『焼肉ドラゴン』で第16 回読売演劇大賞優秀演出家賞、第12 回鶴屋南北戯曲賞、第43回紀伊國屋演劇賞個人賞、第59 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。『焼肉ドラゴン』は2018年に映画化・小説化も果たしている。近年では『僕に炎の戦車を』『しゃばけ』『すべての四月のために』『密やかな結晶』『泣くロミオと怒るジュリエット』と話題作を生み出している。本年5月 『泣くロミオと怒るジュリエット』をリトルモアにて上梓予定。 2014 年春、紫綬褒章受章。


5月21日(木)15:00~6月4日(木)14:00

蓬莱竜太『消えていくなら朝』 (2018年7月初演)


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2018年公演より

時代をつかむ劇作家・蓬莱竜太が、「現在」を描き出した書き下ろし作品。とある家族を通して、仕事や日常生活というそれぞれの人生と、家族として断ち切れない絆の中で、生きていく幸せを問う渾身の作品です。第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞作品。

【新国立劇場での上演記録】
2018年7月 link.png公演詳細

蓬莱竜太

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プロフィール

蓬莱竜太(HORAI Ryuta)
1999年に劇団モダンスイマーズの旗揚げに参加。以降、座付作家として全公演の作・演出を務める。劇団の代表作として『デンキ島』三部作、『夜光ホテル』句読点三部作『死ンデ、イル』『悲しみよ、消えないでくれ』『嗚呼いま、だから愛』、『ビューティフルワールド』などがある。劇団外の作・演出作品に、『ハンドダウンキッチン』『罪』『正しい教室』『星回帰線』『渦が森団地の眠れない子たち』 、劇作に『パレード』『木の上の軍隊』『ブエノスアイレス午前零時』『漂白』『スコット&ゼルダ』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(第20回鶴屋南北戯曲賞受賞)『LOVE30~女と男の物語~兄への伝言』『Triangle~ルームシェアのススメ~』『Triangle vol.2~殺し屋ジョニーヤマダ~』などがある。また赤坂大歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』の作・演出、映画『ピアノの森』『ピンクとグレー』『劇場』、ドラマ『コールドケース~真実の扉~』『平成細雪』などの脚本を手掛けたりと、活躍の場は多岐にわたる。新国立劇場では『まほろば』(第53回岸田國士戯曲賞受賞)、『エネミイ』『消えていくなら朝』(第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞)を書き下ろし、『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』を演出。


坂手洋二現代能楽集 』(2009年7月初演)


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2009年公演より

世阿弥晩年の作といわれる謡曲『鵺』をもとに、坂手洋二が時空を越えて妖怪"鵺"を描いた作品。

平安末期の日本から現代のアジアまで、時空や夢幻を超えて人間の心の深遠を辿っていきます。


【新国立劇場での上演記録】
2009年7月 link.png公演詳細

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坂手洋二

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プロフィール

坂手洋二(SAKATE Yoji)
1983年、〈燐光群〉を旗揚げ。国内外で公演を重ねる。1993年、劇作家協会創設 に参加。2006〜2016年、同会長。作品に、『屋根裏』(読売文学賞)、『だるまさんがころんだ』(鶴屋南北戯曲賞)、『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』(岸田國生戯曲賞)、『くじらの墓標』、『海の沸点』、『沖縄ミルクプラ ントの最后』、『ブラインドタッチ』、『エレンディラ』(脚色)、『カウラの班長会議』等。『天皇と接吻』『最後の一人までが全体である』等で、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。著書に『私たちはこうして二十世紀を越えた』(新宿書房)等がある。新国立劇場では、本作書き下ろしのほか、『神々の国の首都』(作・演出 燐光群)、『ピカドン・キジムナー』を書き下ろし、『二人の女兵士の物語』を作・演出。

 


5月28日(木)15:00~6月11日(木)14:00

別役 実『月・こうこう , 風・そうそう』(2016年7月初演)


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2016年公演より

日本の現代演劇を切り拓いてきた劇作家、別役実が新国立劇場に書き下ろした本作。

竹林の中にある国に現れたかぐや姫によって巻き起こる、一陣の風の様な出来事を、「かぐや姫伝説」をモチーフに描きました。


【新国立劇場での上演記録】
2016年7月 link.png公演詳細

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別役 実

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プロフィール

別役 実(BETSUYAKU Minoru)

1937年、旧満州(現、中国東北部)生まれ。劇作家、小説家、エッセイスト。日本の不条理演劇を確立した第一人者。早稲田大学政治経済学部政治学科に入学、ベケットらの不条理劇に影響を受け、鈴木忠志らと劇団「自由舞台」(後の早稲田小劇場)を創設。その旗揚げ公演であった戯曲『象』で注目され、『マッチ売りの少女』と『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國志戯曲賞を受賞。68年に早稲田小劇場を離れてからは、俳小、演劇集団円、木山事務所、俳優座、文学座アトリエなどに次々と戯曲を提供。72年に山﨑正和、末木利文らと「手の会」を結成。71年『街と飛行船』『不思議の国のアリス』で紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。同年『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨新人賞、87年に戯曲集『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞、88年『ジョバンニの父への旅』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。98年には毎日芸術賞特別賞など受賞歴多数。2007年、劇作130本を達成する。

戯曲や童話のほかに、生物学の常識を覆す奇書のふりをしたジョークエッセイ『虫づくし』をはじめ、日本古来、および現代の妖怪の生態を解説した『もののけづくし』『鳥づくし』『魚づくし』など『~づくし』シリーズは、ナンセンス作家としての著者を一躍有名にした。また衝撃的な事件の闇に包まれたメカニズムを鋭敏な目で分析した犯罪エッセイ、「犯罪症候群」などの独創的な論考も発表しており、その関心は森羅万象に及ぶ。

新国立劇場では『マッチ売りの少女』『象』を上演、書き下ろし作品として『コミュニケーションズ』『月・こうこう、風・そうそう』を上演した。2020年3月逝去。

 

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