演劇公演関連ニュース
ロイヤルコート劇場×新国立劇場 「劇作家ワークショップ」より生まれた3作品が、 ロンドンにてリーディング形式で上演!
本日、ロイヤルコート劇場が「New Plays: Japan(新作:日本)」の公演を、2023年1月26日(木)から28日(土)まで行うことが発表されました。日本演劇界の3人の若き才能が生み出した驚きが詰まった新作戯曲を英訳し、リーディング形式でお届けいたします。
このシリーズでは、ロイヤルコート劇場が新国立劇場とタッグを組み日本で初めて実施され、「劇作家ワークショップ」の中でディベロップされた、
小高知子作『真夜中とよぶにはまだはやい』(英題: Not Yet Midnight)、
千葉沙織作『その先、鬼五郎渓谷につき、』(英題: Onigorou Valley) 、
松村翔子作『28時01分』(英題: 28 hours 01 minute)
の3作品が上演されます。
ロイヤルコート劇場のインターナショナルプログラムは、世界中の劇作家やアーティストと長期的な関係性を育み、多種多様な伝統、言語、文化背景を持つ演劇人や団体と長期的な協力体制を築いています。
上演期間中の27日(金)には3人の劇作家と小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督によるパネルディスカッション、28日(土)には3作品の連続上演が行われます。
共催:新国立劇場
後援:ブリティッシュ・カウンシル
コメント
劇作家 アリスター・マクドーウォル より
このワークショップで14人の劇作家たちと時間を共に出来たのはとても幸せなことでした。彼らと過ごした時間からはこれからも自分自身の創作の中で活きることを学びましたし、あの時間は大切な思い出です。彼らの戯曲は一つ一つが活気に満ち、何かを探求していて、そしてどこまでも革新的でした。日本の新作戯曲をロイヤルコートで上演することの一端を担えたことを光栄に思います。
新国立劇場演劇芸術監督 小川絵梨子 より
このたび、ロイヤルコート劇場×新国立劇場で行ってきた劇作家ワークショップの集大成として3人の劇作家の作品がロンドンでリーディング公演を行われることに、大きな喜びを感じています。COVID19という大きな壁に阻まれながらも、1年半の長きにわたり14人の劇作家が集い、作品を生み出し、相互にディスカッションを重ねながら作品を生み出せたことは、彼らや彼らと同世代の劇作家にとっても、日本の演劇界にとっても大きな出来事だったと思います。そして、3本の作品がロンドンで上演をされるのです。ここに至るまで、ロイヤルコート劇場には劇作家たちに本当に大きなバックアップをし続けていただきました。深く深く感謝申し上げます。
作品
真夜中とよぶにはまだはやい Not Yet Midnight
作 小高知子
翻訳 鈴木小百合
とある夜の停電が街中に一時停止の瞬間を生み出す。
3人の会社員は悪事のさなか。公園のカップルは謎解きを始める。そして店員は最後の客を追い出すことに失敗する。
その先、鬼五郎渓谷につき、 Onigorou Valley
作 千葉沙織
翻訳 ヒングリー・スーザン・もも子
福島県のある山を訪れた2人の除染作業員は、人智を超えた存在が治める世界に足を踏み入れる。
原発事故から七年後の、山深い鬼五郎渓谷で起きた怪奇譚。
28時01分 28 hours 01 minute
作 松村翔子
翻訳 鈴木小百合
アオジのお腹には初めての赤ん坊がいる。夜中に目覚めるアオジ。隣人のウソが蜜柑を携えて訪ねてくる。やがて、アオジの持つ「母親になること」に対する考えを試し、形作る不可思議な出来事の連鎖が始まっていく。
作家プロフィール
小高知子 (こたか・ともこ)
大阪市出身。
2014年、伊丹想流私塾にて劇作をはじめる。
2016年『さよならあかるい尾骶骨』が第7回近松賞最終候補、2019年『光の中で目をこらす』が第24回劇作家協会新人戯曲賞最終候補となる。
千葉沙織 (ちば・さおり)
1984年、福島県富岡町生まれ。
円演劇研究所で演劇を学んだ後、フリーの俳優として活動。
2011年の東日本大震災と原発事故をきっかけに、劇作を始める。
新国立劇場×ロイヤルコート劇場の劇作家ワークショップが、劇作家として初めての活動となる。
松村翔子 (まつむら・しょうこ)
劇作家・演出家・俳優。2000年より舞台俳優として東京の小劇場を中心に活動。2013年に演劇ユニット「モメラス(Momeraths)」を旗揚げし、劇作・演出を始める。自身の体験や関心をもとにリサーチを重ね、社会的に不利な立場にある若者や、女性の人生における問題、現代を生きる人々の闇に焦点をあてた作品を多く展開している。(非正規雇用、貧困、性被害、中絶、不妊治療、出産 他) 観客の想像を超えた方向へ飛躍する物語や、詩的言語や身体表現を用いて、現実を超えた「新しいリアル」を舞台上に表出させている。
翻訳家プロフィール
鈴木小百合 (すずき・さゆり)
東京生まれ。
国際基督教大学教養学部卒。
広告代理店勤務を経て、フリーの通訳・翻訳家に。演劇の現場での通訳としてスタートを切る。(『かもめ』マイケル・ボグダノフ、『桜の園』クリフォード・ウィリアムス、『カルメン』ピーター・ブルック、『十二夜』エイドリアン・ノーブル、『欲望という名の電車』『奇跡の人』テリー・シュライバー、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『オペラ座の怪人』『ライオン・キング』等)
その後、ジョン・パトリック・シャンリィの『お月さまへようこそ』を皮切りに戯曲翻訳を手がけるようになる。
戯曲翻訳作品:『お月さまへようこそ』『ダニーと紺碧の海』『マンハッタンの女たち』『ぼくの国、パパの国』『ウィット』『ダウト』『漂う電球』(以上白水社刊)『季節はずれの雪』『青春グラフィティ』(以上而立書房刊)『ホンク!』『ダブル・アクト』『アラブ・イスラエル・クックブック』『八月の人魚たち』
この他に日本の演劇作品の海外公演用の英語字幕を手がける。(井上ひさし作『藪原検校』、水上勉作『はなれ瞽女おりん』、山田太一作『日本の面影』等)劇団四季作品『李香蘭』『異国の丘』『ユタと不思議な仲間たち』『夢から醒めた夢』『ジョン万次郎の夢』他の英訳。
ラボ教育センター刊『十五少年漂流記』『裸のダルシン』『落語:JUGEM』など英語教材用の英訳書多数。
日本の戯曲を海外で紹介するため、古城十忍作『蠅の王:みんな豚になる』『ジレンマ・ジレンマ』を英訳、イギリスでリーディング上演される。
また2018年からは日本の新国立劇場とイギリスのロイヤルコート劇場との共同企画で、日本の若手劇作家の育成を図るプロジェクトに参加。15人の候補者のうち、3名の作品を英訳。
通訳としては映画のプロモーションで来日するハリウッド・スターや監督たちの通訳を担当。(クリント・イーストウッド、ジュリー・アンドリューズ、ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス他)
ヒングリー・スーザン・もも子
東京生まれ、ロンドンとミュンヘンで育つ。日本語、英語、ドイツ語のトライリングアルの役者・劇作家・翻訳家。
英国Warwick大学法学部卒業後、ロンドン法科大学院を修了。East15演劇学校(英国)、Ecole Phillipe Gaulier演劇学校(フランス)で学び、現在ロンドンを拠点に演劇活躍をしている。
戯曲の翻訳は主にベルトルト・ブレヒトの『三文オペラ』『セツアンの善人』『アルトロ・ウィの抑え得た興隆』『プンティラ旦那と下男マッティ』を訳す。
舞台役者では、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで主に出演。現在ロンドン・バービカン劇場『となりのトトロ』に出演中。日本では2000年に『野兎たち』(可児市文化創造センター 、新国立劇場、リーズ・プレイハウス劇場)で主役を演じる。
劇作家としては 『Petal』(オムニバス劇場, 22年) と『Baaba's Footsteps』(ウォルト・フェスティバルで, 20年)の二作を書く。
ロイヤルコート劇場とは
ロイヤルコート劇場は、1956年開場以来、「劇作家の劇場」として知られ、新人作家から、新進気鋭の作家、すでに十分経験のある作家にいたるまで、積極的に様々な世代の劇作家を啓発することで、世界の演劇界を牽引する劇場です。劇作家が生み出す作品を通して、現代を取り巻く社会的不安に警鐘を鳴らし、常に挑戦的な演劇作りの最前線を走り続けています。現代社会において耳を傾けてもらえない声や、より自由な発想を"劇作"という手段で表現することで、新たな視点をもたらし、社会に提示していく機会を提供し続けています。
ロンドンのスローンスクエアにあるロイヤルコート劇場には、毎年12万人以上の観客が訪れ、さらに数千人を超える人々がウエストエンドやニューヨークなど国内外のツアーやインターネットを通じて作品を観ています。それら多くの作品を通じ、革新的な考えや刺激的な問題提起で常に観客を刺激し、未来の作家たちに影響を与えようと努めています。
この60年間には、ジョン・オズボーン、エドワード・ボンド、サミュエル・ベケット、アーノルド・ウェスカー、デイヴィッド・ヘアなどがロイヤルコートでキャリアを積み始めました。その他、キャリル・チャーチル、アソル・フガード、マーティン・マクドナー、サイモン・スティーヴンス、サラ・ケイン、最近では、ルーシー・カークウッド、ニック・ペイン、ペネロペ・スキナー、アリスター・マクドーウォルらが追随しています。
この度日本で開催された劇作家ワークショップ(ロイヤルコート劇場インターナショナルプログラム)は、これまで70か国、40言語以上で実施されており、このプログラムを通して、世界中の劇作家たちと、長期に渡り作品作りに取り組むことで強い絆を築いてきました。これまで開催された主な国々として、アルゼンチン、ブラジル、中国、チリ、キューバ、ジョージア、ドイツ、インド、イラン、メキシコ、パレスチナ、ロシア、南アフリカ、シリア、トルコ、ウクライナ、ウルグアイ、ジンバブエなどがあります。
「ロイヤルコート劇場✖新国立劇場 劇作家ワークショップ」とは
詳細: https://www.nntt.jac.go.jp/play/playwrights_project/
「劇作家の劇場」と呼ばれるロイヤルコート劇場。60年以上の歴史を持つこの劇場は「新作戯曲のナショナルシアター」として数多くの若い才能を生み出してきました。このロイヤルコート劇場が世界中で行っている劇作家のためのワークショップを、新国立劇場とロイヤルコート劇場が手を携え、日本で初めて開催しました。
ロイヤルコート劇場からアソシエイトディレクター、文芸マネージャー、劇作家が来日して行ったワークショップには、これからの日本の演劇界を支えていく若い世代の劇作家たちが多く参加しました。 2019年5月から2021年2月までの1年9ヶ月の間に開催された3段階のワークショップを経て、様々なアプローチを経験しながら、参加者それぞれが新作戯曲を創り上げました。
主催:新国立劇場、ロイヤルコート劇場
共催:ブリティッシュ・カウンシル
上演スケジュール
2023年
1月26日(木)
19:00 『その先、鬼五郎渓谷につき、』『28時01分』二本立て
1月27日(金)
19:00 『真夜中とよぶにはまだはやい』+3人の劇作家と小川絵梨子新国立劇場演劇芸術監督によるパネルディスカッション
1月28日(土)
16:00 『真夜中とよぶにはまだはやい』
18:00 『28時01分』
20:00 『その先、鬼五郎渓谷につき、』
チケット等の詳細: https://royalcourttheatre.com/
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ロイヤルコート劇場×新国立劇場 「劇作家ワークショップ」より生まれた3作品が、 ロンドンにてリーディング形式で上演!