Storyものがたり
夫をアフリカでの戦いで失ったドロレスには5人の息子がいた。長男は医師として、次男はパイロットとして、それぞれの使命を果たして死んだ。双子の三男と四男は内戦に巻き込まれ、戦いの中で2人とも殺される。亡くなった者たちは霊となってドロレスに話しかける。戦火が激しくなり、戦争への参加が呼びかけられる中、唯一生き残っている末息子のトニは軍への入隊を志願し、死んだ父と兄弟たちはトニの決断を支持する。トニまで失う事はできないと必死に抵抗するドロレスだが...。
チェコ、ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニーが初来日!
まさに現在の世界情勢をうつしとったかのような演出で、国内外で高い評価を得る
カレル・チャペックの名作『母』を新国立劇場で上演!
プラハに次ぐチェコ第二の都市、ブルノにあるブルノ国立劇場。新国立劇場と同じ、オペラ、バレエ、演劇の3部門を擁した、チェコ共和国最大の劇場のひとつです。ヤナーチェク劇場、マヘン劇場、レドゥタ劇場というブルノ市内に点在する3つの劇場を運営し、毎シーズン約20の新作を上演し、幅広いレパートリーで毎年70以上の異なる演目を上演しています。
この度、劇場付きのスタッフ・キャストが所属する「ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニー」を招聘し、2022年4月の初演以来、レパートリー作品として定期的に上演されているカレル・チャペックの名作『母』を、新国立劇場で上演いたします。チェコの国民的作家であり、劇作家、ジャーナリスト、評論家、小説家、童話作家としても活躍したカレル・チャペックによって書かれたこの戯曲は、1938年に初演された約90年前の作品です。ブルノ国立劇場 演劇芸術監督ミラン・ショテク氏による、現代劇の上演と共にチェコ演劇の古典作品に現代的なアプローチを続けるという方針のもと、本作は2022年4月レドゥタ劇場にてシュチェパーン・パーツルの演出で上演されました。その後もレパートリー作品として定期的に上演され、また国内にとどまらず、イスラエル国立劇場ハビマでも上演、高い評価を得ました。
1936~1939年に起こったスペイン内戦を受けて執筆された、戦争により夫と息子たちを次々と失くしていく母親の物語は、約90年の時を経ても色あせず、パーツルの見事な演出と、ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニーのリアリティが溢れる演技で、皮肉にも、まるで現在の世界情勢を今すくいとったかのような作品として我々の前に現れます。 戦争で夫と息子たちを亡くした母と、亡くなった家族たちの対話劇。今回が初来日となるブルノ国立劇場ドラマ・カンパニーによる、時に悲痛、時にユーモラスな珠玉の作品をどうぞお楽しみください。
後援:チェコ共和国大使館 協力:チェコセンター東京
Supported by Embassy of the Czech Republic in Tokyo
Cooperation by Czech Centre Tokyo
2025年 | 5月28日 | 水曜日 | 19時 | |
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5月29日 | 木曜日 | 14時 | ||
5月30日 | 金曜日 | 14時![]() シアタートーク |
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5月31日 | 土曜日 | 13時 | 18時 | |
6月1日 | 日曜日 | 13時 |
...託児室<キッズルーム「ドレミ」>がご利用になれます。
カレル・チャペックはチェコスロバキアを代表する小説家、劇作家、物語作家、コラムニスト、フランス詩の翻訳家。
チャペックの劇作は、演出家及び劇作家として活躍した1920年代に始まる。彼の戯曲『R.U.R. - Rossum's Universal Robots』(20年)は、「ロボット」という言葉を世に知らしめた近未来SFであり、『マクロプス家の事件』(22年)は、後にモラヴィアの作曲家レオシュ・ヤナーチェクが音楽を手がけた。
1930年代初頭、カレル・チャペックはジャーナリズムと小説の執筆に専念した。劇作家としての活動を始めたのは1930年代後半になってからで、38年12月29日にハビマで初演された『白い病』(37年)と、39年12月3日にハビマで初演された『母』(38年)を、ズヴィ・フリードランド演出のもとハンナ・ロヴィナ主演で発表した。
25年、チャペックは国際ペンクラブの一部としてチェコスロバキアペンクラブを設立し、数年にわたり同クラブを主宰した。
カレル・チャペックは、芸術家であり、人文主義者であり、哲学者でもあるという多才な個性を、その著作のすべてにおいて発揮している。第二次世界大戦の間、チャペックは若きチェコスロバキアの機知に富んだ精神の一人であった。38年12月、彼はインフルエンザに罹り、急性腎炎と二重肺炎になった。チャペックは38年12月25日、ナチス・ドイツによるボヘミアとモラヴィア占領の数ヵ月前に肺水腫で死亡した。
チェコ共和国・ブルノ国立劇場専属演出家。プラハで生まれ、舞台芸術アカデミー演劇学部を卒業。2007年から13年にかけてフリーランスの舞台演出家として活動し、13年にオストラヴァのペトル・ベズルチ劇場の芸術監督に就任。15年から17年にかけては、プラハ国立劇場の専属演出家を務めた。
19年9月にブルノ国立劇場に入団して以来、チェーホフの『かもめ』(20年)、オールビーの『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(21年)、シェイクスピアの『十二夜』(22年)などを演出。『十二夜』はポーランドのグダニスクで開催される国際シェイクスピア・フェスティバルに招待されている。
世界的に有名な古典戯曲に加え、パーツルは、22年にブルノで上演され大成功を収めた彼の傑作『母』(カレル・チャペック作)など、チェコの戯曲にも力を入れている。また、プラハとブルノの舞台芸術アカデミーで演技と舞台演出を教えている。
劇団四季、TPTを経て、フリーランスの戯曲翻訳者。2009年、トム・ストッパード作『コースト・オブ・ユートピア』の翻訳で第2回小田島雄志翻訳戯曲賞。アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)13年グランティ。
近年の翻訳上演作品に、チェーホフ作『三人姉妹』、『桜の園』(サイモン・スティーヴンス版)、アーサー・ミラー作『橋からの眺め』『みんな我が子』『セールスマンの死』『るつぼ』、テネシー・ウィリアムズ作『地獄のオルフェウス』『西洋能 男が死ぬ日』、ダグラス・マックスウェル作『OUR BAD MAGNET』、ダイアナ・ソン作『STOP KISS』、アレクシ・ケイ・キャンベル作『The Pride』『ブラッケン・ムーア』、カレル・チャペック作『母』、サイモン・スティーヴンス作『FORTUNE』、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』、イプセン作『民衆の敵』、ジョン・スタインベック作『二十日鼠と人間』、ハワード・ブレントン作『ブラディ・ポエトリー』、クリストファー・ハンプトン作『危険な関係』。新国立劇場では『レオポルトシュタット』の翻訳を手掛けた。
夫をアフリカでの戦いで失ったドロレスには5人の息子がいた。長男は医師として、次男はパイロットとして、それぞれの使命を果たして死んだ。双子の三男と四男は内戦に巻き込まれ、戦いの中で2人とも殺される。亡くなった者たちは霊となってドロレスに話しかける。戦火が激しくなり、戦争への参加が呼びかけられる中、唯一生き残っている末息子のトニは軍への入隊を志願し、死んだ父と兄弟たちはトニの決断を支持する。トニまで失う事はできないと必死に抵抗するドロレスだが...。
席種 | A席 | B席 | *3作品通し券 (一部席種のみ) |
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料金(10%税込) | 7,700円 | 3,300円 | 20,700円 |
席種 | 料金(10%税込) |
---|---|
A席 | 7,700円 |
B席 | 3,300円 |
*3作品通し券 (一部席種のみ) |
20,700円 |
*シリーズ「光景―ここから先へと―」演劇3作品通し券
『母』『ザ・ヒューマンズ』『消えていくなら朝』A席の3公演同時購入がお得!
新国立劇場ボックスオフィス(電話と窓口のみ)での受付となります(Webボックスオフィスでの販売はございません)。日程の組み合わせは自由です。3作品それぞれご希望のお日にちをお選びの上、お申し込みください。詳しくはこちら!
○クラブ・ジ・アトレ会員の方は、先行販売期間は上記料金の10%OFF、一般発売以降は5%OFFでお求めいただけます
Z席 1,650円(10%税込)
お申し込みの際に、割引をご利用の旨お知らせください。(Z席は対象外)
ボックスオフィス(窓口・電話)、Webボックスオフィスで取扱。
ボックスオフィス(窓口・電話)、Webボックスオフィス、チケットぴあで取扱。
公演当日に残席がある場合のみボックスオフィス(窓口・電話)で取扱。要学生証。
ボックスオフィス(窓口・電話)のみ取扱。要障害者手帳等。
10名以上でのご観劇の場合は新国立劇場営業部(TEL:03‐5352‐5746)までお問い合わせください。