所長メッセージ

佐藤 正浩

新国立劇場 
オペラ研修所長
佐藤 正浩

佐藤 正浩

新国立劇場 
オペラ研修所長
佐藤 正浩

「憧れを現実にするところ」

オペラ歌手を目指す者にとって、海外のオペラハウスで歌うことは大きな憧れです。本物を追求するなら当然のことでしょう。日本のオペラも新国立劇場とともに大きく発展し充実して来ていますが、歌える場所はまだ限られているのが実情です。

当オペラ研修所は世界へ飛び出す前のステップと考えています。世界に通用する歌手として必要なスキルを、多角的な視点に立って指導し実践します。全ての基本となる楽譜をどう読み解き、音楽と演技においてどのように表現に繋げていくか。そのスタイルやテクニックを実践の中で学び習得し、「真の表現者」「真の舞台人」として羽ばたく準備をします。指導にあたるのは日本人講師のほか、海外からの招聘講師を含め国際的に活躍する方々ですから、常に変化するオペラの世界で最新の情報を得られる場でもあります。

憧れを持つということは、苦しみの始まりでもあります。達成するためには大きな犠牲を伴うかもしれません。しかし、それらを乗り越えて研修生が大きく成長することが私たちの願いであり、その一助になりたいと思います。

プロフィール

東京藝術大学声楽科卒業、ジュリアード音楽院ピアノ伴奏科修士課程修了。サンフランシスコ・オペラの専属ピアニストとして活躍後、95年ケント・ナガノの招きでリヨン国立歌劇場の首席コレペティートルとなる。また、チョン・ミョンフン、ヴァレリー・ゲルギエフのアシスタントとしてパリ・シャトレ座、ウィーン芸術週間等で活動。99年イギリスのダーティントン音楽祭『イドメネオ』で指揮者デビュー。翌年には同音楽祭で『ナクソス島のアリアドネ』を指揮し、同年新国立劇場小劇場オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』指揮で日本デビューを果たす。
これまでに、新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室『トスカ』、藤原歌劇団『仮面舞踏会』『ラ・トラヴィアータ』、東京芸術劇場『ドン・カルロス(フランス語版日本初演)』『放蕩息子』『ジャミレ』『人間の声』『アルルの女』等を指揮。また、新作オペラ『白虎』(佐川吉男音楽賞受賞)、三善晃『遠い帆』の指揮も手掛けている。読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団をはじめとするオーケストラの指揮、リサイタル、レコーディングの伴奏ピアニストとしても活躍。
神戸市混声合唱団音楽監督、ザ・オペラ・バンド芸術監督、慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団常任指揮者、武蔵野音楽大学特任教授。