オペラ研修所ニュース
【レポート】オペラストゥディオ第27期イタリア研修(ミラノ・スカラ座アカデミー)
ANAスカラシップによるオペラストゥディオ第27期のイタリア研修がミラノ・スカラ座アカデミーで実施されました
この海外研修は、2016年より全日本空輸株式会社と新国立劇場によって創設されたANAスカラシップ制度の一環として実施されています。
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オペラ研修所海外研修については、ヨーロッパの歌劇場と密接なつながりのある研修機関で研修を行い、優れた芸術家の指導を受けるとともに、オペラが育まれた国の文化に直接触れることなどを目的に実施しています。
今回はオペラストゥディオ第27期が約3週間にわたりイタリア研修を行い、ミラノ・スカラ座アカデミーの実施する特別レッスンを受講しました。
研修生たちは、第一線で活躍する声楽家やコレペティートルによる歌唱レッスンをはじめ、演技やイタリア語のレッスンなど日々様々なプログラムに参加するなど、大変貴重な経験となりました。
【研修生のレポート抜粋】
・「イタリアオペラの自然な音楽の流れや揺れを先生がピアノで示して下さるので、それを聞くだけで自分の発する音の進むべき方向が見えました。また、イタリア語の処理の仕方と発声の繋がりを細かくご指導していただきました。」(有吉琴美)
・「今まで勉強してきたイタリア語を生かし、レストランやレッスン中での先生方との会話は勿論のこと、オペラを観劇した際には、隣に座られていた方と演出について会話ができました。これは私がイタリア語を勉強する意義やこれまでの成果を改めて認識できる出来事でした。」(小野田佳祐)
・「コレペティの先生によるレッスンでは、まるでオーケストラのようなピアノの響きに包まれながら、イタリア音楽の本質を体感しました。現地でしか味わえないベルカント音楽の深みを実感できたことは大きな財産です。」(島袋萌香)
・「常に高い理想を求められる緊張感の中で、自分の未熟さを痛感する瞬間もありましたが、先生の豊かな倍音と高い技術に少しでも近づこうと、五感のすべてを研ぎ澄ませながら必死に食らいつきました。」(牧羽裕子)
・「3週間の生活で、これからもし自分が長期に及んで留学したときに、注意しなければいけないこと、準備しなくてはいけないことが明確になったことも今回の研修での大きな収穫でした。考え方の違い、街並みの違い、生活の違いなど、覚悟をしないといけないことはとても多く、そのハードルをクリアするために、より日々の研修に向き合っていきたいと思います。」(矢澤 遼)
このイタリア研修を通して、研修生たちが多くのことを学び、世界で活躍できるオペラ歌手になる決意を新たにしたことが伺えます。
こうした海外研修などの貴重な経験や、世界でもトップクラスの指導を受けた研修所修了者は、プロフェッショナルな舞台人として、国内外で目覚ましい活躍を遂げています。
ぜひ劇場で、こうした日頃の研修の成果をご覧ください。
今後とも研修生への皆様の温かいご支援、ご声援をお願いいたします。




