オペラ研修所ニュース
【レポート】オペラストゥディオ(オペラ研修所)午後の音楽会～日本歌曲の世界～
11月に永井和子前オペラ研修所長による「日本歌曲特別講座」を実施し、12月2日、その成果を新国立劇場オペラパレス・ホワイエにて皆様にご披露しました。
永井氏の「日本歌曲特別講座」は4年前から毎年開講されており、オペラとは異なる歌曲の世界に触れ、日本において母
今回はその成果を多くのお客様の前で、それぞれが課題曲を披露しました。
佐藤オペラ研修所長の開催の挨拶に続き、永井氏から「歌い手として、一人で舞台に立つことを知るのは、歌曲を学ぶ良き点だと思っています。オペラは指揮者、オーケストラ、演出家など多くの人たちと関わりながら創り上げる総合芸術ですが、歌曲はソリストとピアニスト二人で詞と音楽によって、ひとつの世界を立ち上げます。歌手は美しい音と共に、詞という言葉を語ることができます。歌手は自らの身体を楽器として音楽を奏でます。様々な楽器がありますが、言葉があるのは歌手だけです。日本の歌曲を学ぶことにより、日本語の表現に磨きをかけることができます。彼らがどう日本語に対峙したかを、どうぞご覧ください。」と、歌手が日本歌曲を学ぶことの大切さについてのお話があり、
十数曲に及ぶ充実したプログラムで、日本歌曲の美しさや多様な表現と向きあう、意義深く、和やかな初冬の音楽会となりました。
「午後の音楽会～日本歌曲の世界～」
日時：2024年12月2日（月）
会場：新国立劇場オペラパレス・ホワイエ
指導・監修：永井和子前オペラ研修所長
ピアノ：木下志寿子 原田園美
出演：新国立劇場オペラストゥディオ(オペラ研修所) 第25・26・27期
〈第25期〉
大竹悠生(ソプラノ) 冨永春菜(ソプラノ) 永尾渓一郎(テノール) 野口真瑚(ソプラノ) 松浦宗梧(バリトン)
〈第26期〉
後藤真菜美(メゾソプラノ) 谷 菜々子(ソプラノ) 中尾奎五(バリトン) 渡邊美沙季(ソプラノ)
〈第27期〉
有吉琴美(ソプラノ) 小野田佳祐(バリトン) 島袋萌香(ソプラノ) 牧羽裕子(メゾソプラノ) 矢澤 遼(テノール)
▼上演プログラム
１．演奏：有吉琴美
お菓子と娘 （作詞：西条八十 作曲：橋本国彦）
忘れられた海 『四つの秋の歌』（作詞：髙田敏子 作曲：三善 晃）より
サルビア（作詞：堀内幸枝 作曲：中田喜直）
２．演奏：小野田佳祐
『海四章』（作詞：三好達治 作曲：中田喜直）より
馬車
蝉
３．演奏：島袋萌香
ひぐらし 『わがうた』（作詞：北山冬一郎 作曲：團伊玖磨）より
悲しくなったときは 『木の匙』（作詞：寺山修司 作曲：中田喜直）より
たんぽぽ （作詞：三好達治 作曲：中田喜直）
４． 演奏：牧羽裕子
花林（まるめろ） 『低声のための〘三つの抒情歌〙』（作詞：杉浦伊作 作曲：畑中良輔）より
藤の花 『抒情歌』（作詞：大木 実 作曲：團伊玖磨）より
５．演奏：矢澤 遼
『雨情民謡集』（作詞：野口雨情 作曲：山田耕作）
Ⅰ.捨てた葱 Ⅱ.紅殻とんぼ Ⅲ.二十三夜 Ⅳ.波浮の港 Ⅴ.粉屋念仏
６． 演奏：後藤真菜美
『五つの断章』（作詞：北原白秋 作曲：團伊玖磨）より
野辺 舟唄―片戀― 朝明 希望
７． 演奏：谷 菜々子
『風に寄せてうたへる春のうた』（作詞：三木露風作曲：山田耕筰）
Ⅰ.青き臥床をわれ飾る Ⅱ.君がため織る綾錦 Ⅲ.光に顫ひ日に舞へる Ⅳ.たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ
８．演奏：渡邊美沙季
髪 『マチネ・ポエティクによる四つの歌曲』（作詞：原條あき子 作曲：中田喜直）より
くちなし 『ひとりの対話』（作詞：高野喜久雄 作曲：髙田三郎）より
９． 演奏：中尾奎五
朝明 『五つの断章』（作詞：北原白秋 作曲：團伊玖磨）より
紫陽花 『わがうた』（作詞：北山冬一郎 作曲：團伊玖磨）より
10. 演奏：大竹悠生
くちなし 『ひとりの対話』（作詞：高野喜久雄 作曲：髙田三郎）より
初恋（作詞：石川啄木 作曲：越谷達之助）
11. 演奏：冨永春菜
『幽韻』（作詞：百人一首より抜粋／作曲：山田耕筰）
Ⅰ.はなのいろは Ⅱ.わすらるる Ⅲ.あらざらむ Ⅳ.たまのをよ Ⅴ.わがそでは
12. 演奏：永尾渓一郎
『淡彩抄』（作詞：大木惇夫 作曲：別宮貞雄）より
Ⅵ.燈 Ⅶ.天の川 Ⅷ.青蜜柑 Ⅸ.鷲
13. 演奏：野口真瑚
『風に寄せてうたへる春のうた』（作詞：三木露風 作曲：山田耕筰）
Ⅰ.青き臥床をわれ飾る Ⅱ.君がため織る綾錦 Ⅲ.光に顫ひ日に舞へる Ⅳ.たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ
14. 演奏：松浦宗梧
『八木重吉による五つの歌』（作詞：八木重吉 作曲：畑中良輔）
1.秋の空 2.素朴な琴 3.秋 4.雨 5.夕焼
終演後記念撮影（左から8人目永井和子前オペラ研修所長）
こうした様々な研鑽の成果をぜひ劇場でご覧ください。
