オペラ研修所ニュース
【レポート】海外招聘講師アントニーノ・シラグーザ氏 マスタークラス
10月、オペラストゥディオにて、アントニーノ・シラグーザ氏によるマスタークラスが2日間にわたり実施されました。
シラグーサ氏は、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイエルン州立歌劇場、テアトロ・レアル、リセウ大劇場など主要劇場で国際的に活躍、ロッシーニのスペシャリストとして知られています。
当マスタークラスは、氏が新国立劇場オペラ公演『夢遊病の女』のために来日、公演の休演日に開催され、第25期・27期が受講しました。
▲新国立劇場オペラ『夢遊病の女』より
エルヴィーノ役・アントニーノ・シラグーザ氏(前列中央) 撮影:堀田力丸
稽古場では、現役の最高峰の歌手ならではの華やかな存在感を放ちながら、自ら実演、エネルギッシュに指導します。
イタリア語の発語ならではの演奏法や実際的な身体の働かせ方などを身振り手振りで指導、明るくユーモアに満ちた雰囲気で稽古は進み、氏の指導により、歌手の演奏がみるみるドラマティックな表現に変化し、良い演奏がなされると歌手と共に喜びます。
氏の音楽への圧倒的な集中力や没頭する姿が印象的なクラスとなりました。
氏のマスタークラスは、数多くの一流歌劇場で主要役として出演している世界最高峰の現役アーティストならでは実践的で意義深く、また音楽や舞台芸術への深い敬愛に溢れた内容となりました。
アントニーノ・シラグーザ(テノール)(Antonino SIRAGUSA)
メッシーナ出身。ミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイエルン州立歌劇場、テアトロ・レアル、リセウ大劇場など主要劇場で国際的に活躍。ロッシーニのスペシャリスト、特に『セビリアの理髪師』アルマヴィーヴァ伯爵の最高の歌い手として世界中の主要歌劇場に招かれる。ロッシーニ・オペラ・フェスティバルにもたびたび出演。
近年は『リゴレット』『ファルスタッフ』『椿姫』などヴェルディの諸役でも成功を収めている。重要な出演に、メトロポリタン歌劇場『アルミーダ』、チューリヒ歌劇場『ウィリアム・テル』、ウィーン国立歌劇場、テアトロ・レアル『愛の妙薬』、リセウ大劇場『清教徒』、スカラ座『ドン・ジョヴァンニ』『イタリアのトルコ人』、ウィーン国立歌劇場、トリノ王立歌劇場、中国国家大劇院などでの『夢遊病の女』、ウィーン国立歌劇場、トリエステ歌劇場『ドン・パスクワーレ』、チューリヒ歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ボローニャ歌劇場『チェネレントラ』などがある。
新国立劇場へは02年『セビリアの理髪師』、09年『チェネレントラ』、13年『愛の妙薬』以来待望の登場。
こうした海外招聘講師を含む多彩な講師陣による日頃の研修の成果をぜひ劇場でご覧ください。