オペラ研修所ニュース

新国立劇場オペラストゥディオ 2025 春公演は モーツァルト『フィガロの結婚』に決定!

新国立劇場オペラストゥディオ(オペラ研修所)では、2025春公演(修了公演)として、W.A.モーツァルト作曲の『フィガロの結婚』を上演することが決定しました。2025年2月22日(土)から24日(月・休)まで、新国立劇場中劇場にて上演いたします。

演技指導・演出には『Scenes Recital 2023』でも演出を手掛け好評を博したデイヴィッド・エドワーズを迎え、指揮はオペラ研修所長の佐藤正浩が務めます。


原作の登場人物の年齢は概ね皆30歳以下(推定)です。登場人物と正に同世代の選りすぐりの若手歌手たちがお届けする、リアルでフレッシュな『フィガロの結婚』をぜひお楽しみください。


今年3月、新国立劇場オペラストゥディオでは、20世紀オペラの名作F.プーランク作曲『カルメル会修道女の対話』を上演し、大きな話題となりました。

では、なぜ、今回新国立劇場オペラストゥディオは、時代をさかのぼり18世紀末のモーツァルト作品に取組むのでしょうか。理由は2つあります。


理由その1。モーツァルトの『フィガロの結婚』は、音楽的にも演劇的にも、常にアーティストに新たな問いを投げかけ、想像力を掻き立て、アイデアを更新し続けている不朽の名作です。今も世界中で様々な『フィガロ』が上演され、多くの聴衆を楽しませています。それゆえ、世界で活躍するプロのオペラ歌手を目指す歌手にとって、この作品を深く学び、レパートリーにすることは、歌手として世界で活躍するための「キホンのキ」なのです。そこで、今回『フィガロの結婚』にしっかりと取り組むことといたしました。


今、世界で活躍するソプラノ歌手の中村恵理さんは、新国立劇場オペラストゥディオ第5期生として学んでいた2年次に大抜擢を受け、2003年10月10日、『フィガロの結婚』バルバリーナ役でプロデビューを果たしました。中村さんはその後『フィガロの結婚』スザンナ役でも出演し、そのコメディエンヌぶりが大好評となりました。その後、中村さんに続く何人ものオペラストゥディオ出身者が、若手歌手の登竜門であるモーツァルト作品で活躍しています。


理由その2。今も世界中で上演され続けるオペラ界の大ヒット作品を、オペラ初心者を含め、多くのお客様に楽しんでいただきたいからです。『フィガロの結婚』には、これから始まる喜劇に誘うワクワク感いっぱいの前奏曲をはじめ、いくつものヒット曲が散りばめられ、オペラ初心者に最適な作品の一つであり、お客様にとりましても「キホンのキ」なのです。

新国立劇場オペラストゥディオ公演は、若手歌手が世界に飛び立つ滑走路のような役割を担っており、それゆえ、4,950円(全席指定、消費税込)と、初めてオペラに行ってみようと思われる方にもお求めやすい価格となっております。

一方で、オペラ愛好家のお客様にとりましても、十分に聴きごたえ見ごたえある公演です。本公演と同様のトップレベルの指揮者、演出家、スタッフ、オーケストラと共に、若手歌手が若さみなぎる演技と歌声でお届けする『フィガロの結婚』は、いつもの豊饒な味とは一味違う新しい味をお楽しみいただけることと思います。ぜひご期待ください!



【ものがたり】

もとは理髪師で今はアルマヴィーヴァ伯爵の召使いフィガロは、伯爵夫人の小間使いスザンナと今日結婚式を挙げることになっている。初夜権(宮廷の主人は、 その召使いの結婚の際花婿に代わって初夜を共にできるという権利)をひとたび放棄したもののスザンナに気がある伯爵はその復活を企んでいる。一方、伯爵夫人は、夫の冷めゆく愛を嘆いている。そこで夫人、フィガロ、スザンナが結託して伯爵の鼻を明かそうと企む。恋する思春期の小姓ケルビーノをスザンナの衣裳で女装させて伯爵をおびき出そうとするが失敗。一方、フィガロに横恋慕の女中頭マルチェッリーナはフィガロに借金返済が無理なら自分と結婚するよう強要し裁判となるが、フィガロがマルチェッリーナの子であることが発覚。一転して喜びの再会となる。次に夫人とスザンナはお互い衣裳を換えて、伯爵の浮気現場をおさえようと画策。事情を知らないフィガロはこれに一時混乱するが直ぐに理解し解決する。伯爵はまんまと引っかかり、夫人に平謝りして全員喜びの大団円となる。


指揮: 
佐藤正浩 SATO Masahiro
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東京藝術大学声楽科卒業、ジュリアード音楽院ピアノ伴奏科修士課程修了。

サンフランシスコ・オペラの専属ピアニストとして活躍後、95年ケント・ナガノの招きでリヨン国立歌劇場の首席コレペティートルとなる。また、チョン・ミョンフン、ヴァレリー・ゲルギエフのアシスタントとしてパリ・シャトレ座、ウィーン芸術週間等で活動。
99年イギリスのダーティントン音楽祭『イドメネオ』で指揮者デビュー。翌年には同音楽祭で『ナクソス島のアリアドネ』を指揮し、同年新国立劇場小劇場オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』指揮で日本デビューを果たす。
これまでに、新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室『トスカ』、藤原歌劇団『仮面舞踏会』『ラ・トラヴィアータ』、東京芸術劇場『ドン・カルロス(フランス語版日本初演)』『放蕩息子』『ジャミレ』『人間の声』『アルルの女』等を指揮。また、新作オペラ『白虎』(佐川吉男音楽賞受賞)、三善晃『遠い帆』の指揮も手掛けている。読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団をはじめとするオーケストラの指揮、リサイタル、レコーディングの伴奏ピアニストとしても活躍。神戸市混声合唱団音楽監督、ザ・オペラ・バンド芸術監督、慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団常任指揮者、武蔵野音楽大学特任教授。

佐藤正浩オペラ研修所長メッセージ



演出・演技指導:
デイヴィッド・エドワーズ David Edwards
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オペラ演出家、作家、プレゼンター。
ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学卒業。

欧米、日本、アジアのオペラ・カンパニーやオーケストラ、大学、若手芸術家育成プログラムと国際的に協働している。

サンフランシスコ、サンディエゴ、ロサンゼルス、ポートランド、ヒューストン、ミネアポリス、シカゴ、フィラデルフィア、ワシントン、ロンドン、ミラノ、ウィーン等でオペラの演出を手掛ける。
新国立劇場では、10年以上にわたりオペラ研修生を指導。
英国ロイヤルオペラ・コヴェントガーデンと契約し、ゲッツ・フリードリヒ、リチャード・ジョーンズ、エリヤ・モシンスキー、ジョン・コックス、トレヴァー・ナン、ジョナサン・ミラー等、著名な演出家と協働する機会を得る。同歌劇場で10演目、また欧米の名だたる歌劇場での引っ越し公演の再演演出にあたる。
またコヴェントガーデンの『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』『リゴレット』『ポントの王ミトリダーテ』『ロメオとジュリエット』『アルチーナ』『青ひげ』において字幕制作を手掛ける。1997年に同劇場を去ると、フリーランスのオペラ演出家として国際的に活躍。これまでに演出を手掛けたオペラ公演として、『フィデリオ』『リゴレット』『メリー・ウィドウ』『こうもり』(シンガポール)、『トスカ』『椿姫』『ホフマン物語』(英国・ディーヴァ・オペラ)、『カーリュー・リヴァー』(日本)、『魔笛』『パドマーヴァティ』(ボルドー)、『カルメル会修道女の対話』『真夏の夜の夢』(ポートランド)、『ファルスタッフ』(オペラ・コロラド)等がある。

新国立劇場オペラストゥディオ 2025 春公演『フィガロの結婚』


会場:新国立劇場・中劇場

公演日程:2025年2月22日(土)~24日(月・休)

チケット料金(税込)全席指定:4,950円 Z席:1,650円

作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ

指揮:佐藤正浩

演出・演技指導:デイヴィッド・エドワーズ

出演:新国立劇場オペラストゥディオ

  第25期 大竹悠生、冨永春菜、永尾渓一郎、野口真瑚、松浦宗梧

  第26期 後藤真菜美、谷菜々子、中尾奎五、渡邊美沙季

  第27期 有吉琴美、小野田佳祐、島袋萌香、牧羽裕子、矢澤遼

  ゲスト

   吉田珠代(第6期修了)、小林紗季子(第9期修了)、駒田敏章(第11期修了)、
   松中哲平(第16期修了)、大城みなみ(第24期修了)、的場正剛(二期会)ほか


アトレ会員先行発売期間:2024年12月8日(日)~12月12日(木)

一般発売期間:2024年12月18日(水)~



*「新国立劇場オペラストゥディオ2025春公演」は「新国立劇場オペラ研修所令和6年度修了公演」の通称です。