オペラ研修所ニュース
【稽古場便り③】3月修了公演『カルメル会修道女の対話』 佐藤克彦
修了公演『カルメル会修道女の対話』(3/1~3)では、研修生たちが役どころに正面から向き合い、全力で取り組んだ成果をご披露します。
3年次の第24期生たちは、この公演を経てプロの世界に飛び立ちます。
公演に向けて本格的にリハーサルを重ねている第24期生たちのコメントを連載でご紹介します。
今回登場は、佐藤克彦(バリトン)です。
佐藤克彦 SATO Katsuhiko (バリトン)
大分県日田市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程オペラ専攻修了。新国立劇場オペラ研修所公演『ジャンニ・スキッキ』マルコ役・ピネッリーノ役、『ドン・ジョヴァンニ』マゼット役、『領事』ジョン・ソレル役、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ役で出演。
<研修生からのメッセージ>
第24期生 バリトンの佐藤克彦です。
初日まで残すところ3週間となりました。この作品の素晴らしさを余すことなく皆様にお届けしたいという思いで、稽古場では全身全霊をかけて連日稽古を行っています。
この悲劇のオペラは実話に基づいた作品です。だからこそ、私たちにはこの作品と丁寧に向き合う責任があると感じます。役の一人一人にそれぞれの思いがあり、結末を迎えるに至るまで、その場を全力で生きています。
演出家のシュテファンさんは、ロジックに基づき、その一人一人の役としての感情を研修生の内側から引き出してくださいます。
研修生が変化していく姿を見ていて、実際に役が生きているのを目の当たりにした瞬間、そしてそこにプーランクの音楽が上手く結びついた時、気づくと私の目には自然と涙が溢れています。
私にとって、この3年間で得た数多くの経験は、他の何にも変え難いものとなりました。
そして、ご指導いただいた先生方をはじめとし、素晴らしい環境を与えてくださった関係者の皆様には感謝の念に堪えません。
「オペラとは何なのか、舞台に立つということはどういうことなのか」、それらの最も大切なことを学ばせていただきました。
研修所での最後の公演、皆様の心へ響くパフォーマンスができるよう、残りの稽古に臨んでまいります。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
▲リハーサル室より
オペラ研修所公演・舞台写真
新国立劇場オペラ研修所『ドン・ジョヴァンニ』
マゼット役
新国立劇場オペラ研修所『領事』
ジョン・ソレル役
『ジャンニ・スキッキ』『ドン・ジョヴァンニ』『領事』:平田真璃
オペラ研修所海外研修 イタリア・ミラノ
オペラ研修所の海外研修は2016年より全日本空輸株式会社と新国立劇場によって創設された「ANAスカラシップ」制度で実施されています。
▶オペラ研修所「ANAスカラシップ」
▶2022年イタリア研修レポートはこちら
会 場:新国立劇場・中劇場
公演日時:2024年3月1日(金)18:00、2日(土)14:00 、3日(日)14:00
チケット料金(税込)全席指定:4,950円 Z席:1,650円