オペラ研修所ニュース
第13回 五館合同特別講義が行われました
2022年12月13日に国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場、国立劇場おきなわ、新国立劇場の五館の研修生のための特別講義が2年ぶりに国立劇場にて開講されました。(新国立劇場研修生はリモート参加)
この特別講義は五館の国立劇場で研鑽を積んでいる研修生が一堂に会して、伝統芸能分野と現代舞台芸術分野の相互交流を図りながら、各分野の養成・研修事業の特徴をいかすために各界一流の芸術家を講師にお招きして講義を行うもので、2008年より開催されてきました。
今回は新国立劇場のオペラ研修所から第25期生5名、バレエ研修所から第19期生6名、演劇研修所から第18期生12名が参加いたしました。
第13回目となる今年は、組踊音楽歌三線(さんしん)演奏家で人間国宝の西江喜春(にしえ きしゅん)師を講師にお迎えし、特別講義をしていただきました。
戦時中のお話や師ご自身が、全くの偶然でこの世界に入ることになった経緯、師匠との出会いをはじめ、典雅な三線演奏や国立劇場おきなわ研修生の実演を交えながら、沖縄に伝わる宮廷芸能「組踊」を軸に、多岐にわたるお話をしていただきました。
師からは「自分は、偶然による人との出会いでこの世界に入りましたが、皆様は試験やオーディションなどで選ばれて、それぞれの道で研修をしておられます。プロフェッショナルな舞台人として、何よりも大切なのは、自分が良い舞台に立っているという意識なのではないかと思います。どうぞこれからも日々頑張ってください」と激励のお言葉をいただきました。
講義の最後には質疑応答も行われ、各研修生からは活発な質問が発せられ、師からユーモアを交えながら温かなお答えをいただき、和やかな雰囲気の中、特別講義が終了しました。
それぞれの研修生たちが、ジャンルを越えた芸術の真髄に触れる大変貴重な機会となりました。
▲三線演奏を交えながら講義をされる西江喜春師
西江 喜春 組踊音楽歌三線(安冨祖流)
[芸 歴]
昭和38年 本格的に琉球古典音楽歌三線を学ぶ
平成 3年 琉球新報ホールにおいて第一回リサイタルを開催
平成 8年 沖縄県無形文化財「沖縄伝統舞踊」保持者認定
平成10年 沖縄県立郷土劇場にて西江喜春研究所第一回発表会を開催
平成11年 沖縄県無形文化財「沖縄伝統音楽安冨祖流」保持者認定
平成13年 国指定重要無形文化財「組踊」保持者(総合認定)
平成21年 国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者(総合認定)
平成23年 国指定重要無形文化財「組踊音楽歌三線」保持者(各箇認定)人間国宝に認定
[受賞歴]
平成25年4月 旭日小綬章を受賞
[その他]
平成8年 沖縄県立芸術大学助教授に就任。教授として平成28年退官。
現在は、沖縄伝統組踊保存会理事、国指定重要無形文化財琉球舞踊副会長、
沖縄芸能連盟協議会副会長、安冨祖流絃聲会相談役
平成26年4月より、国立劇場おきなわ組踊研修において、第4期以降の講師を勤める。
【次回新国立劇場オペラ研修所公演のご案内】
新国立劇場オペラ研修所修了公演『コジ・ファン・トゥッテ』
◆公演日程:2月17日(金)~19日(日)
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