オペラ公演関連ニュース
オペラ『シモン・ボッカネグラ』が初日を迎えました
11月15日、2023/2024シーズン2本目の新制作『シモン・ボッカネグラ』が開幕しました。本公演はフィンランド国立歌劇場、テアトロ・レアルとの共同制作で、東京での初演後、ヘルシンキ、マドリードでの上演が予定されています。
『シモン・ボッカネグラ』は実在の初代ジェノヴァ総督シモン・ボッカネグラを題材にしたヴェルディの傑作で、新国立劇場では初上演となります。ヴェルディの重厚な歴史劇が、世界屈指のオペラ演出家でエクサンプロヴァンス音楽祭総監督でもあるピエール・オーディの演出によって、新たな命を吹き込まれました。現代アートのトップランナー、アニッシュ・カプーアの壮大で力強い舞台美術も、シモン・ボッカネグラの孤独と死を象徴します。
指揮は世界有数のオペラ指揮者で新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士が自らあたり、ロベルト・フロンターリ、イリーナ・ルング、リッカルド・ザネッラート、ルチアーノ・ガンチ、シモーネ・アルベルギーニと世界最高峰の歌手陣の白熱の表現により、抗争の連鎖の中で平和を求めて生きたシモン・ボッカネグラの人生と平和への思いが綴られました。
刻々と変化していく美しい舞台と粋を極めた演奏の連続には、幕を追うにつれ客席も集中力を増していく様子で、特にシモンが争いを避け平和を求める心情を吐露する第1幕フィナーレ、そして策謀の後に和解へ至る後半は手に汗握る展開に感嘆の声も漏れるほどで、劇場中に熱気が漲る初日となりました。
カーテンコールでは各幕で存在感を発揮した新国立劇場合唱団、素晴らしい演奏を繰り広げた歌手陣、大野和士芸術監督と東京フィルハーモニー交響楽団、そして美しい舞台で観客を魅了したピエール・オーディとクリエイティブ・チームに大きな拍手喝采が贈られました。アメーリア役イリーナ・ルングとガブリエーレ役ルチアーノ・ガンチは、この公演でそれぞれロールデビューを果たしました。
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