オペラ公演関連ニュース
演出家 栗山昌良氏逝去の報を受けて
演出家の栗山昌良氏のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
栗山昌良氏は1946年に千田是也ら主宰の舞台芸術アカデミーに入所して舞台芸術への道を歩み始め、俳優座演劇研究所所員として近代リアリズム演劇の表現手法を研究、同時に附属俳優養成所講師として演劇・映画界の俳優養成にあたり、オペラ界でも二期会や文化庁オペラ研修所などでオペラ歌手養成に携わりました。54年の二期会『アマールと夜の訪問者』でのオペラ初演出以来、半世紀以上にわたり数多くのオペラ作品を演出し、戦後の日本オペラ史を担う演出家として大きな功績を遺されました。特に日本の伝統的な美の凝縮された舞台には定評があり、正統的、演劇的な読み込みと日本人ならではの美の表現を重んじた演出姿勢によって、数々の名舞台を遺されました。
新国立劇場では開場翌年の98/99シーズン開幕作品として『蝶々夫人』を演出、その後、水野修孝作曲『天守物語』(99年)、山田耕作作曲『黒船-夜明け』(08年)を演出されました。地域招聘公演 びわ湖ホール『三文オペラ』の演出も手掛けられました。また、新国立劇場オペラ研修所創設期にも尽力され、講師も務められました。
ここに慎んで栗山昌良氏のご功績に敬意を表すとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
公益財団法人 新国立劇場運営財団
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演出家 栗山昌良氏逝去の報を受けて