オペラ公演関連ニュース
『オルフェオとエウリディーチェ』通し稽古レポート
『オルフェオとエウリディーチェ』は稽古場でのリハーサルが順調に進み、来日したダンサーのアレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエプリンシパル)も合流して、立稽古の総仕上げとして通し稽古を行いました。それぞれのパートで重ねてきた準備が融合し、歌手とダンサーが共に音楽を綴る、劇的なパフォーマンスの全体像が明らかになりました。 グルックの音楽は時に俊敏、時に哀切を極め、観客の心にストレートに伝わります。そして勅使川原三郎の仕掛けるダイナミックでスピーディーな展開は実にエキサイティングです。長い間リモートでリハーサルを行っていたリアブコも、急ピッチで作品を理解し、表現を深めています。
全幕に渡り要となるオルフェオ役に出演するのは、"カウンターテナーの王"と称される世界トップのカウンターテナー歌手、ローレンス・ザッゾ。芯の強く透明感ある美声と豊かな表現力を武器に、勅使川原三郎の求める内的な表現を掘り下げ、体当たりの熱演です。ザッゾのカリスマ性あふれる存在感には、第一声から釘付けにされます。
稽古場では手探りのアプローチから始まり、日々それぞれに理解と表現を一歩一歩深めてきましたが、この日の通し稽古では全出演者が集中力に満ちたパフォーマンスを繰り広げ、圧巻の迫力でした。
リハーサル室では東京フィルハーモニー交響楽団のオーケストラリハーサル、オーケストラと歌手とのオーケストラ歌合わせも行われました。『オルフェオとエウリディーチェ』今回の上演では、通常のモダン楽器に加え、ピリオド楽器のコルネット(ツィンク)、シャリュモーの奏者も参加します。鈴木優人指揮の東京フィルから生まれるグルックの響きも楽しみです。
リハーサルはこの後、舞台稽古へ進み、勅使川原三郎ならではの空間造形の中に『オルフェオとエウリディーチェ』の世界が確立します。
注目の舞台の世界初演にどうぞご期待ください。
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『オルフェオとエウリディーチェ』通し稽古レポート