Storyものがたり
【フィレンツェの悲劇】織物商人シモーネが旅から帰ると、妻ビアンカの許にフィレンツェ公爵の息子グイード・バルディがいる。シモーネは状況を疑いながらも、グイードにへつらい、商品を売りつけようとする。グイードはビアンカを所望する。シモーネは夕食を供するが、二人の様子を見て浮気の疑いを強め、席を立つ。帰ろうとするグイードはビアンカに長いキスをし、ビアンカは愛を誓う。これを見ていたシモーネとグイードは決闘で剣を交え、最後にシモーネがグイードを絞め殺す。ビアンカはシモーネの強さに恍惚とし、二人はグイードの死骸の上で見つめあう。
【ジャンニ・スキッキ】裕福な商人ブオーゾ・ドナーティはまさに死んだばかり。親戚が集まって悲しんでいるが、実は皆考えていることは遺産のこと。甥のリヌッチョは遺言状を見つけ、それをかたにジャンニ・スキッキの娘ラウレッタとの結婚を認めるように伯母ツィータに迫る。ツィータはしぶしぶ認め、いざ遺言状を開くが「遺産は修道院に」と書かれている。皆は書き換えてしまおうとたくらみ、それをジャンニ・スキッキに依頼する。現れたジャンニ・スキッキは断るが、かわいい娘のラウレッタに頼まれ引き受ける。しかしブオーゾになりすまして遺言を口述する段になると、「すべてはジャンニ・スキッキに遺す」と言い出す。親戚たちは怒り狂うがすでに後の祭り。最後にジャンニ・スキッキが口上を述べ幕が降りる。