新国立劇場ギャラリースペースにおいて「初台アート・ロフト」という名のもと
空間全体をアートとしてクリエーションすると同時に、
文化資産である衣裳の修繕・保存にも力を入れています。
かけがえのない職人技術を紹介する「いま、ここ」シリーズや、
ギャラリー主催で文化を発信する「ボトルメール」シリーズなど、
新たな切り口から文化芸術を捉えなおし、その発信基地になるべく変身中です。
開催中の展示
舞台衣裳展示
2024年秋 『クリエイターたちの集い』展
-A Celebration for the Creators-
会期:2024年11月13日~2025年2月下旬まで
会場:1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー
時空を超えた人生の旅を構想する屋根裏部屋「初台アート・ロフト」。アート作品である舞台衣裳に光を当て、新たな物語を創造します。2019年にスタートした「初台アート・ロフト」は、これまでに様々な切り口から舞台衣裳の展示を実施してきました。今回の『クリエイターたちの集い』(A Celebration for the Creators)は、衣裳デザイナーたちによる舞台衣裳という"アートワーク"への賛歌をテーマにしています。新たな生命を吹き込まれた舞台衣裳の数々が、それぞれに独創的な世界を創り上げています。舞台衣裳の制作過程には、デザイナーや多くの工房の人々の手がかけられています。そして、そうした人々のエネルギーが時空を超えて再び伝わってくるかのようです。
今回の展示では、オペラ『カルメン』(2002年初演)、『ドン・ジョヴァンニ』(2000年初演)、『道化師』(2004年初演)、『さまよえるオランダ人』(2007年初演)、『パルジファル』(2014年初演)、こどものためのオペラ劇場『ジークフリートの冒険』(2004年初演)、『パルジファルとふしぎな聖杯』(2011年初演)、バレエ『眠れる森の美女』(1997年初演)、演劇『INTO THE WOODS』(2004年初演)から、クリエイターたちの想像力豊かな衣裳の数々をご覧いただけます。
また、光沢感のあるラメシャ(ラメ生地)で縫製された花や蔦のモチーフが空間を華麗に彩っています。約6,000枚を超える花びらと葉のパーツはラメ素材の生地に刺繍を施し、一枚ずつ丁寧に切り出しをし、手仕事により縫い合わされたものです。 これらの装飾は、冬のひんやりとした雰囲気を一層引き立ててキラキラと輝きを放ち、クリエイターたちの思いが集結した一つの芸術的な空間を創り出しています。
木工オブジェ「願いの木 Wishing Tree」と、オリジナルチュチュをまとったバレリーナが展示された2階ギャラリー、そして花と蔦に囲まれた1階「マドンナの庭園」のベンチは、写真撮影スポットとしてお楽しみいただけます。
実際の衣裳やオブジェに加え、今回も約200点以上の展示作品の写真をパネルでご紹介いたします。カメラのフィルターを通して表現された世界もぜひお楽しみください。