バレエ研修所ニュース
【レポート】ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーでの海外研修
(写真:ドゥオーモ屋上より)
【レポート】今年の海外研修はミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーで
ANAスカラシップによるバレエ研修所の海外研修がミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーにて実施されました
この海外研修は、全日本空輸株式会社と新国立劇場によって創設された「ANAスカラシップ」制度で実施されています。
出発前羽田空港にて ~いよいよミラノへ~
海外研修は、優れた実績を持つ海外のバレエ学校で学び、その国の歴史や文化に直に触れ、研修生の今後の成長に繋げることを目的としています。
今年はバレエ研修所第20期生新井陸矢、牛飼達也、榎本志結、中村美月、府川萌南の5名が、約3週間、ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーでレッスンを受けました。
研修生5名は最終クラスの8年生に編入しての受講となりました。
ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーは新国立劇場公演「バレエ・アステラス」に出演するなど、新国立劇場と交流のあるバレエ学校です。
こうした海外研修などの貴重な経験を通して世界でもトップクラスの指導を受けた研修所修了者は、プロフェッショナルな舞台人として、それぞれの世界で目覚ましい活躍を遂げています。
特に近年は国内のみならず海外でも活躍する人材の育成に力点が置かれており、今回の経験は、将来大きな成果として結実するに違いありません。
ぜひ劇場で様々な経験を経て、大きく成長するダンサーたちのステージをご覧ください。
第20期レポートより抜粋
ミラノでの研修は、私にとって夢のような経験でした。世界的に有名なバレエ学校で、たくさんの素晴らしい先生方から直接指導を受けることができました。毎日のレッスンは厳しくも楽しく、技術だけでなく、表現力や感受性を大きく成長させることができました。今までの自分に足りなかったものを見つけることができたので、本当に有意義な海外研修でした。
また、アカデミーで一緒にクラスを受けた仲間たちと出会い、共に練習し、励まし合ったことはかけがえのない思い出です。異文化交流を通じて、バレエの新しい視点を学ぶことができ、私の視野が広がったと思います。
榎本志結
イタリアはバレエ発祥の国で、その地に実際に行ってバレエを学び、イタリアの歴史的な建物や文化に触れられたことは、これからバレエを続ける上で、宝物になる経験となりました。ミラノは本当に芸術が身近にある街で、毎月第一日曜日は美術館が無料で入れたり、歴史的な建物がそのままの外観として残っていたりと、日本ではなかなか触れる機会の少ない芸術が街中にあり、歩いているだけで、たくさんの芸術を目にすることができる環境でした。
本場イタリアで実際に空気に触れて感じられたことを日本に帰ってもずっと忘れずにいたいなと思います。そして、学んだことを全てバレエに活かして、表現できるように日々精進して参ります。
中村美月
日本では触れることのできない本物の西洋文化を肌で感じられたことは有り難く、貴重な経験になりました。
ミラノに着いて衝撃的だったことは、舞台美術のような世界で本当に生活する時代があったのだと実感したことです。写真や映像でしか見たことのない建物の外観や石畳に囲まれた時、感激しました。
特に貴族の館を訪れた時や回廊を歩くとその時代の人々の生活を簡単に想像することができ、これは舞台上での表現に直結する材料だと思いました。
アカデミーでの研修は充実した時間になりました。アカデミーの方々はとても親切にしてくださり、私たちに興味を持って受け入れてくださったことが嬉しかったです。
この研修で学んだことを活かしながらこれからも精進いたします。
府川萌南
日本とは違った環境で不安もありましたが、楽しくたくさんのことを学ばせていただきました。
レッスンではいつもとは違う先生から、新しい視点での注意をいただき、アカデミーの生徒たちとレッスンを受けさせていただき、自分とは何が違うかなど自分自身をもう一度見直すきっかけとなりました。
ミラノはたくさんの美術館や教会があり、街自体が芸術的でした。芸術作品が街中にあり、イタリアの文化を肌で感じることができました。実際に貴族がいた時代や古典のバレエ作品が生まれた時代の絵画や家具、建物を見ることができて、これからそういった古典のバレエ作品に出演し、役を演じるときの雰囲気やイメージの参考に活かしたいと思いました。
ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミー スタジオ内風景
ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミーでの日々
オフショット集
新国立劇場バレエ研修所公演 バレエ・コンサート 2024
会場:新国立劇場・中劇場
公演日時:2024年11月16日(土)・17日(日)両日15:00
【出演】 新国立劇場バレエ研修所第20期生・第21期生・第22期生・第23期生
【ゲスト出演】小柴富久修、石山 蓮、森本晃介
【主 催】新国立劇場
【協 賛】全日本空輸株式会社
チケット料金(税込)全席指定:2,750円(税込) Z席 1,650円(10%税込)
お電話でのお求め:新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999
WEBからのお求めはこちら
>公演情報ページはこちら
〈〈Programmeプログラム〉〉
●『ダンス・ダンス・ショパン』
振付:牧 阿佐美
音楽:フレデリック・ショパン
ピアノ演奏:中川 彩
ゲスト出演:森本晃介(新国立劇場バレエ団)
●『パリの炎』よりパ・ド・ドゥ
原振付:ヴァシリー・ワイノーネン
音楽:ボリス・アサフィエフ
●『海と真珠』
- 振付:アレクサンドル・ゴルスキー
- 音楽:リッカルド・ドリゴ
●『ボーイズ・アンシェヌマン』
振付・音楽:ボリス・アキモフ
編曲・ピアノ演奏:吉田育英
*本著作物の上演使用は、ボリス・アキモフ氏により許諾されています。
●『エスメラルダ』よりパ・ド・シス
振付:アグリッピナ・ワガノワ
音楽:チェーザレ・プーニ
ゲスト出演:石山 蓮(新国立劇場バレエ団)
●キャラクター・ダンス
振付・指導:ゲンナーディ・イリイン
ピアノ演奏:吉田 育英
●『くるみ割り人形』第2幕より
振付:レフ・イワーノフ
(後にアレクサンドル・ゴルスキー、ヴァシリー・ワイノーネン)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ゲスト出演:小柴富久修(新国立劇場バレエ団)