バレエ研修所ニュース
【レポート】ウラジーミル・マラーホフ氏による特別クラスレッスン
10月初旬、ウラジーミル・マラーホフ氏による特別クラスレッスンが行われました。
参加したのは新国立劇場バレエ研修所の第19・20期生、予科生たちです。
マラーホフ氏は、世界最高峰のダンサーとして、ウィーン国立歌劇場バレエ、ABTなど各国の一流バレエ団でプリンシパルとして活躍、またゲストダンサーとして世界の主要劇場から招かれ、その圧倒的なテクニックや豊かで抒情的な表現力で、多くのバレエ・ファンを魅了してきました。
その後、ベルリン州立歌劇場バレエで総裁・芸術監督を務めながら、同バレエ団プリンシパルとしても活躍しました。
現在は従来の活動に加え、中国や日本などアジアでの舞台出演や後進の指導にもさらに積極的に当たっています。
初日挨拶時、同氏から「初日から最終日に向けて徐々に内容をレベルアップしていきます」と説明がありました。
氏の優しくユーモアたっぷりでありながら、繊細で知的なクラスレッスンは、日を重ねるごとに難易度が増していきます。
最初に、氏がお手本を示し、それに従い研修生たちは振りを覚えながら、身体を動かしていきます。その動きはどんどん複雑化して、まさに頭の筋トレ状態で、集中力と音楽的センス、身体的センスが要求される高度なレッスンです。
撮影:鹿摩隆司
レッスンでは、課題に最も応えることができた研修生に、氏から現役時代の数々の名舞台写真を収録した貴重な豪華写真集のサプライズ・プレゼントがありました!
▲その場で「Very Good!」と書いてもらったサイン入り写真集。
牛飼達也(第20期生)
今回の特別レッスンは研修生たちにとって忘れられない素晴らしい体験になったに違いありません。
今後とも研修生たちへの皆様の温かいご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。
日々の研修やこうした様々な体験を経て、その成果を皆様にご披露する12月公演「バレエ・コンサート2023」にぜひご期待ください!
Vladimir Malakhov
ウラジーミル・マラーホフは、世界最高のダンサーの一人。輝かしいテクニックと抒情的な表現力で観客を虜にしてきた。
92年にプリンシパル・ダンサーとしてウィーン国立歌劇場バレエに入団し、94年にカナダ国立バレエに入団。95年春にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でアメリカン・バレエ・シアター(ABT)に初出演した。複数の著名な振付家がマラーホフのために新作を振付けている。ゲストとして世界の主要な劇場に出演。2002年にベルリン州立歌劇場バレエの監督に就任する。04年~14年、新たに組織されたベルリン州立歌劇場バレエの総裁・芸術監督を務め、同団のプリンシパル・ダンサーとしても活躍した。
ヴァルナ国際バレエ・コンクール、グランプリ(86年)、モスクワ・バレエ・コンクール第1位(89年)、プレミア・ディ・ポジタノ(98年)、ブノワ賞(01年)、ニジンスキー賞(世界ベスト・ダンサー02年)。09年にはオーストリア科学芸術勲章を授与された。
世界の主要な舞台に出演する傍ら、99年にウィーン国立歌劇場バレエで『ラ・バヤデール』、ベルリン州立歌劇場バレエで『シンデレラ』(04年)、『眠れる森の美女』(05年)、「ラ・ペリ」(10年)を演出している。