バレエ&ダンス公演関連ニュース
【連載⑨】吉田合々香 & ジョール・ウォールナー アステラス・ダンサー ON & OFF
連載「アステラス出演ダンサーON&OFF」では、「バレエ・アステラス2023」の出演者たちの多彩な魅力をご紹介していきます。
今回の登場は吉田合々香さんです!
〈ダンサーON〉のコーナーではパートナーのジョール・ウォールナーさんとともに上演作品の見どころ紹介をしていただいています。
〈ダンサーOFF〉のコーナーは、素敵なたくさんのオフショットを掲載しています。
また、吉田合々香さんとジョール・ウォールナーさんのチャーミングな映像メッセージもご覧いただけます。
どうぞお楽しみください。
ダンサーON!
上演作品『No Man's Land』の紹介
吉田合々香さん「悲しいストーリーですが、とても心に響く素敵なパ・ド・ドゥ」
『No Man's Land』はとても悲しいストーリーで、第一次世界大戦で引き裂かれた夫婦の物語です。この世界大戦で戦死してしまった夫が、最後にもう一度だけ妻に会いに来るというパ・ド・ドゥです。妻である私からは、もう彼の姿は見えないのですが、確実に魂や心で彼がそこにいることを感じさせてくれる、とても心に響く素敵なパ・ド・ドゥです。皆様の前で踊らせていただけるのを楽しみにしています。
ジョール・ウォールナーさん「愛情にあふれた心に響く素晴らしい作品」
『No Man's Land』は愛のストーリーで、人が愛を失ってしまった時、愛する人を失ってしまった時、どういう感情を抱くかということを見せる、そんな作品です。妻である合々香さんの視点から描かれるシーンで、亡くなった夫を思い出し、彼の思い出に浸って踊る作品となっています。愛情にあふれた心に響く素晴らしい作品です。
上演作品『夏の夜の夢』の紹介
吉田合々香さん「身体全体が音楽に包まれるかのような素晴らしい作品」
リアム・スカーレットの作品はとても音楽的で、踊っていて身体全体が音楽に包まれるような素晴らしい作品です。当作品の最後のシーンで、タイターニアとオベロンが森の中で踊るロマンティックなパ・ド・ドゥを踊ります。
ジョール・ウォールナーさん「気持ちが温かくなる作品」
『夏の夜の夢』は、愛の物語で、タイターニアとオベロン二人の心がひとつになるような、気持ちが温かくなる作品です。またこの作品は、メイクアップや衣裳がとても華やかで、見ごたえがあります。「アステラス」公演で、私たちが踊る作品を見ていただけるのが、今からとても楽しみです。
©Jakob Perrett
<所属バレエ団紹介> クイーンズランド・バレエの魅力
ハングリー精神が旺盛で、演じるのが大好きなアーティスティックなダンサーが多い
私の所属するクイーンズランド・バレエの芸術監督はリー・ツンシン(*自伝「小さな村のちいさなダンサー」は世界各国で出版され映画化)で、約60名のダンサーが在籍しています。このバレエ団のダンサーたちはハングリー精神が旺盛で、演じるのが大好きなアーティスティックなタイプが多いと思います。
たとえば、小さな役、立ち役や歩くだけの役でも、自分なりの解釈を入れて、作品を少しでもよくしたいという気持ちで努力したり、貢献したいと考えています。
そんな素晴らしいダンサーたちに囲まれて、舞台に立てることはとても光栄なことだと感じています。
©Jakob Perrett
ダンサーOFF!
一問一答 スタート!
バレエを始めたきっかけは?
元々母がバレエを観ることが好きだったということもありますが、小さい頃から姉のことが大好きで彼女の真似をよくしていました。先にバレエを始めていた姉のレッスンについて行って、自分も踊りたくて仕方がなかったみたいです。そのお教室は3歳からという決まりだったので、それまで待って念願のバレエを始めたそうです。
あなたにとってバレエの最大の魅力は?
バレエは音楽、舞台美術や照明、衣裳と合わさる総合芸術。一回きりの本番なので二度とは同じ舞台を作れません。同じ作品でも演じる人によって、そして同じ人が演じても伝え方で全く違うメッセージをお客様に届けられる。生ものの様な芸術で、舞台に立つダンサーが皆その一瞬一瞬に心と魂を込めて踊り、作り上げるそんな感覚がとても好きです。リハーサルから役作りに沢山の研究と準備を重ねて、理解を深めて心から役に入り切れた舞台では、本当に自分が役の人物としてその人生を生きる感覚が舞台上で生まれる時があります。バレエの素晴らしい魅力だと思います。
海外に行こうと思ったきっかけは?
小学生の時にクリスマス・プレゼントでもらった海外のバレエ団の公演の『眠れる森の美女』のDVD を飽きずに何度も繰り返し観ていました。舞台美術、華やかな衣裳、表現力豊かなダンサーたちが立つ舞台を夢見るようになりました。憧れのダンサーたちが外国のバレエ団で踊っていることもあり、いつか自分もこのDVDのバレリーナたちのようになりたいと思ったのがきっかけでした。その数年後、コンクールで出会った恩師のドミニク・カルフーニ氏がフランスで学ばないかとオファーしてくださったのが海外へ出るきっかけでした。
海外で活動していて、印象的だった出来事を教えてください。バレエに関係ないことでもOKです。
みんな自己主張をすることが得意な印象があります。普段からリハーサルでもはっきりと自分の意見を言ったり、コンプレックスをそれぞれ持っている中、自分の魅力ある部分に自信を持って、物怖じせずに堂々と踊りでも自己主張をします。素敵だなと思いますし、刺激をもらいます。
趣味は何ですか?
料理やお菓子作りが好きです。母が得意で小さい頃からお手伝いをしながら、手作りのお菓子などを作る楽しさを知り、気分転換に今でもよく作ります。バレエ団ではお誕生日の子がいると誰かがお誕生日ケーキを持ってきて、みんなでお祝いする風習があるので、ダンサーのためにもよくケーキを焼きます。
日本に帰国した際、感じることを教えてください。
帰国して日本ってすごいなと思うのは、皆さんどんなに急いでいても、エスカレーターの前では綺麗に左右に分かれて整列すること。どの曜日のどの時間でもたくさんのお店が開いていて、やはり日本は便利で住みやすいなと思います。
後はタクシーのドアも自動なのに自分でよく開閉しようとしてしまい、家族に注意されます!
とっておきオフショット
吉田合々香さん、ジョール・ウォールナーさんから皆様へのメッセージ
吉田合々香さん
いつか踊りたいと思っていたこの公演で、信頼できるパートナーのジョール・ウォールナーと舞台にたてるのをとても楽しみにしています。クイーンズランド・バレエとして日本で踊る機会がなかったので、今回こうして皆様に観ていただけるのを心待ちにしています。この公演にはたくさんの素晴らしいダンサーが出演されますので、ぜひ楽しみにしていてください。
ジョール・ウォールナーさんから皆様へのメッセージ
「バレエ・アステラス」」で踊らせていただくことをとても楽しみにしています。またワールドクラスのダンサーが出演する舞台に立てることをとても誇りに思います。日本へ行くのはこれが初めてで、待ちきれない思いです。 合々香さんと踊るのをとても誇りに思っています。これまで多くの作品を彼女とクイーンズランド・バレエで踊ってきたので、良いパートナーシップをご覧いただけると思っています。
皆さんにお会いでるのをとても楽しみにしています。
宮西圭子に師事の後、ドミニク・カルフーニ、ヴィクトール・ウラーテのもとで学ぶ。2011年パリ国立高等音楽舞踊学校に入学、クロード・ドゥ・ヴュルピアンらに師事し、ディプロマを取得・卒業。13年ローザンヌ国際バレエ・コンクール・ファイナリスト。審査員であったクイーンズランド・バレエ芸術監督Li Cunxinにスカウトされ、14年に同団に入団、現在プリンシパルとして活躍中。主な主演作品に『マノン』『眠れる森の美女』『ジゼル』『ラ・バヤデール』『シンデレラ』『エチュード』『エリート・シンコペーションズ』、スカーレット『夏の夜の夢』『火の鳥』『デンジャラス・リエゾンズ』など。
「バレエ・アステラス 2023」~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて世界とつなぐ~
会場:新国立劇場・オペラパレス
公演日程:2023年8月5日(土)~6日(日)両日14:00開演
チケット料金(税込)
S席8,800円 A席7,700円 B席6,600円 C席4,950円 D席3,300円 S席セット券16,000円
Z席1,650円
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