研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉連載①『アンドレア・シェニエ』より「祖国の敵だと?」『LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~』
新国立劇場オペラ研修生による『LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~』では、各自が自身のレパートリーとなるオペラ作品やアリアについて研究を深め、研修を積んだ成果を皆様にご披露します。
現在、研修生たちは11月21日の公演に向けて、本格的にリハーサルを重ねています。
今回は連載で、各自が歌う曲目について、研修生自身が皆様にその魅力や楽しみ方をご案内します。
初回登場は、程 音聡(第22期生)です。
【研修生による〈アリアをもっと楽しむ秘訣!〉】
オペラ『アンドレア・シェニエ』より「祖国の敵だと?」
オペラ『アンドレア・シェニエ』第3幕目のアリアです。
ジェラルドはシェニエとの決闘中、決闘相手がかつて自身が深く共感した詩人だと気づきます。ジェラルドは負傷しつつも、シェニエを逃がし、さらには決闘相手は見知らぬ人だったとシェニエを庇います。
数ヶ月後、シェニエは逮捕されます。ジェラルドは、シェニエをおとりに、シェニエに恋するマッダレーナをおびき出そうという密偵の誘惑に負け、シェニエの告発準備を始めてしまいます。
純粋な革命への思いが欲望へと変化する様を自嘲気味に表現した、冷酷で無慈悲かつドラマチックで力強いメロディーが聴きどころでです。
華東師範大学卒業。上海音楽学院大学院修了。昭和音楽大学研究科修了。『イオランタ』ベルトラン役、『悩める劇場支配人』ドン・ペリツォニオ役、『ジャンニ・スキッキ』ジャンニ・スキッキ役で出演。レパートリーに『フィガロの結婚』フィガロ。
オペラ研修所試演会『ジャンニ・スキッキ』より(2021年7月公演)〈ジャンニ・スキッキ役〉 撮影:平田真璃