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オペラ『夜鳴きうぐいす/イオランタ』リモート演出 リハーサル進行中

新国立劇場のリハーサル室では、『夜鳴きうぐいす/イオランタ』(4月4日初日)ダブルビルのリハーサルが進んでいます。
ヤニス・コッコスの新演出による『夜鳴きうぐいす/イオランタ」新制作は、新型コロナウイルス感染症に係る入国制限により、海外から来日をしていたスタッフ、キャストができなくなったため、指揮者・出演者を変更。そして、「この危急の時期における公演継続に最大限の協力を惜しまない」とのコッコス氏の決断により、演出・美術・照明・映像・振付のクリエイティブスタッフはリモートで創作活動を行うこととなりました。


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オンラインで稽古場に登場したコッコス氏、ブランカール氏 
画面の隣は演出補の三浦安浩さん



稽古初日は『イオランタ』立ち稽古から開始。急遽公演を指揮することとなった高関健さんのマエストロ音楽稽古、演出補の三浦安浩さんとの立稽古、振付のナタリー・ヴァン・パリスさんのリモート振付稽古、そして演出のヤニス・コッコス氏&アーティスティック・コラボレーターのアンヌ・ブランカール氏とオンラインで繋いでのリモート立稽古と、盛り沢山のリハーサルが始まりました。
演出補の三浦安浩さんは、2019年に新国立劇場オペラ研修所で『イオランタ』を上演した際、コッコス氏の演出助手を務めています。三浦さんからは、コッコス氏の人柄にも触れながら、感染対策やリモート演出といった状況にも「焦らず、決してパニックにならず、静かな気持ちで、お互い理解しあって創っていきましょう。それが作品のテーマでもあり、コッコスさんはそういう作品創りをする方です。」と挨拶がありました。
当日夕方にはいよいよオンラインで演出家と稽古場のキャストとが対面。コッコス氏は「困難な状況下ではありますが、よい作品が創れると確信しています。『イオランタ』には、夢幻的な雰囲気の中に、残酷な部分も含まれており、かなり内面的な演技が必要となります。そして、重要なテーマが"真実を受け入れる"というテーマです」とコンセプトを説明していました。
そして立稽古の様子を見ると「私とアンヌ、二人から心から"ブラボー"の言葉を贈りたいです。1回目の稽古から、このようにこの作品が"誕生する"という場を目の当たりにすることができ、感動しています」と感無量の様子でした。コッコス氏はリハーサル開始前に、アンヌ・ブランカール氏、ナタリー・ヴァン・パリス氏と打ち合わせを重ね、綿密に演出プランを練り上げてきたということです。作品が無事に動き出す瞬間を画面越しに確かめ、感慨はいかばかりだったことでしょう。


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リモートでコンセプト説明を聞く出演者たちと指揮の高関健さん
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初日稽古後、オンラインでのフィードバック



内面の演技を深めていく稽古を重ねる『イオランタ』に対し、もう一方の『夜鳴きうぐいす』は、中国(想像上の東洋)の王宮を舞台に、ストラヴィンスキーの音楽がダイナミックに開花する作品。振付家のナタリー・ヴァン・パリス氏が、日本側の振付助手の川竹麻耶さんと共に、マイムや合唱団、ソリストの振付稽古をリモートで行い、全体像を作ることからリハーサルが始まりました。ヴァン・パリス氏は日本時間にあわせ、連日早朝からリモートでリハーサルに登場しています!


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『イオランタ』立稽古の様子
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『夜鳴きうぐいす』立稽古の様子


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『夜鳴きうぐいす』立稽古 中央:針生美智子さん 
右端は振付助手の川竹麻耶さん
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リモートで振付をするナタリー・ヴァン・パリス


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稽古後、コッコス氏と打ち合わせをする舞台監督
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コッコス氏から届いた演出資料



コッコス氏は連日、リモートで立稽古の様子を見ては、稽古後にスタッフへフィードバックを伝えています。加えて、連日コッコス氏から届く膨大な演出資料! コッコス氏の愛情溢れる資料が、日本側スタッフの拠り所となり、出演者たちを動かしています。
遠くパリと繋ぎ、日々創作活動が続く『夜鳴きうぐいす/イオランタ』公演をぜひお楽しみに!


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