オペラ公演関連ニュース

オペラ『夏の夜の夢』のリハーサルが始まりました


『夏の夜の夢』がいよいよ本格的に動き出しました。

感染対策を考慮し、出演者はこれまでディクション稽古(言語指導)や音楽稽古を分散やオンラインで行い、準備を重ねてきました。9月14日はリハーサル室では出演者と演出関係のスタッフによる立ち稽古の初日、別のリハーサル室では東京フィルとマエストロ・飯森範親さんのオーケストラ練習初日、オペラパレスでは舞台装置の搬入・仕込みと、劇場中が『夏の夜の夢』開幕に向けて一気に動く一日となりました。

立ち稽古冒頭では、舞台監督から感染対策や注意事項、そして舞台の構成の説明を受けた後、早速演出助手の澤田康子さんの指導のもとで立稽古が始まりました。マエストロはオケ練の休憩時間も惜しんで立ち稽古にも駆けつける獅子奮迅ぶりです。

澤田さんはじめ日本側スタッフは、演出家のレア・ハウスマンとリモートでの打ち合わせを重ね、演出プランを身体に入れて歌手達と演技を作っています。演出家や来日が叶わなかった美術・衣裳・照明それぞれのクリエイティブスタッフ達、そして、密集を避けるため自宅からリハーサルを見学する出演者やスタッフ達にも、リハーサルの様子はオンラインで配信しています。オペラには大勢の出演者・スタッフが参加しますが、まさにニューノーマル時代の現場です。


大野和士芸術監督の挨拶

リハーサル初日に駆けつけた大野和士芸術監督の挨拶を紹介します。


間もなく開幕しようとしている2020/2021シーズン、私が申し上げたいのは、「公演中止はしない」ということです。前のシーズン、私達新国立劇場オペラ部門は10本中5本がキャンセルになるという実につらい経験をしました。今シーズンは何か不測の事態がない限り、公演中止はしません。場合によっては計画通りフルの上演にならないかもしれない、演奏会形式になるかもしれない、そういう可能性はありますが、とにかくキャンセルはしないでお客様にお届けする、ということに致しました。そしてその第1弾が、この『夏の夜の夢』となります。
演出は、来日を予定していたレア・ハウスマンさんの素晴らしいサジェスチョンのもと、オンライン演出で行います。この作品は"世界初のオンライン演出によるオペラ"になるのです。そして非常にラッキーなことに、飯森範親さんがこのプロダクションのために時間を作って下さいました。インターナショナルなキャストの皆さん、それからレアさんはこの時点では来ることが難しい。逆に言いますと、オールジャパンの実力、私達が持っている実力を遺憾なく発揮し、私達がこれまでに培ってきた力をここで披露したい。さあ皆さん、リハーサルを楽しんでください。よろしくお願いします。



立稽古初日にリハーサルに参加したメンバー

立稽古初日にリハーサルに参加したメンバー(左より)
平井香織(タイターニア)、藤木大地(オーベロン)、大野和士(芸術監督)、飯森範親(指揮)、河野鉄平(パック)、高橋正尚(ボトム)


左より河野鉄平、藤木大地、平井香
左より河野鉄平、藤木大地、平井香織
リハーサルを見守るスタッフ達
リハーサルを見守るスタッフ達



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