中村恩恵×首藤康之×新国立劇場バレエ団 『Shakespeare THE SONNETS』出演ダンサーからメッセージ


11月28日(日)に初日を迎える 中村恩恵×首藤康之×新国立劇場バレエ団 『Shakespeare THE SONNETS』

2011、2013年と上演され大好評を得てきた本作に、今回は新国立劇場バレエ団からプリンシパルの小野絢子、米沢唯、渡邊峻郁が出演します。
中村恩恵と首藤康之が紡ぎだす濃密な世界観にどのように向き合っているのか、本作品についての3人のコメントをご紹介します。

小野絢子(28日出演)

ONO Ayako

Q1. リハーサル中かと思いますが、現在の本作に対する、印象をお聞かせください。

また、本作に出演すると聞いたときは、どのような心境でしたか?

A1. 初演の時に客席から観劇したのがこの作品との出会いです。心地良い仄暗さの中でまるでシェイクスピアの頭の中を旅している感覚になったのが印象的でした。

Q2. ご一緒に出演する、お相手の出演者様の印象をお聞かせ下さい。

A2. 私にとっては、渡邊さんはまだまだ謎に満ちているダンサーです!とても誇り高く、内に秘めているものが沢山あるように感じます。

Q3. シェイクスピア作品に対して、どのような印象をお持ちですか?好きな作品はありますか?

A3. 彼の作品は人間そのものが映し出されるので、どれも心が揺さぶられます。好きな作品は夏の夜の夢です。

Q4. お客様に向けて、本作の見どころ、PRコメントをお願い致します。

A4. ご来場される皆様と共にShakespeare Sonnetsの世界にどっぷり浸かれることを楽しみにしております!

米沢唯(29日出演)

YONEZAWA Yui

Q1. リハーサル中かと思いますが、現在の本作に対する、印象をお聞かせください。

また、本作に出演すると聞いたときは、どのような心境でしたか?

A1. 初めて観た時、中村さんと首藤さんのデュエットの美しさに圧倒されたのを覚えています。舞台の空気をガラッと変えた、中村さんのドレス姿も忘れられません。 この作品を私が踊ると聞いた時に最初に脳裏に浮かんだのも、中村さんの美しいドレス姿でした。お二人で創り上げられた濃厚な世界に、私が入って大丈夫なのだろうかと、不安です。

Q2. ご一緒に出演する、お相手の出演者様の印象をお聞かせ下さい。

A2. 首藤さんは不思議な存在感の方です。両性具有の天使、もしくは悪魔。天上へ翔ける人であり、地上へ落下する人。生きている人のようであり、死んでいる人のようでもあります。

Q3. シェイクスピア作品に対して、どのような印象をお持ちですか?好きな作品はありますか?

A3. シェイクスピア作品は、圧倒的な「言葉の力」で、あらゆる物を目の前に現出させます。「ロメオとジュリエット」は私にとって特別な作品です。

Q4. お客様に向けて、本作の見どころ、PRコメントをお願い致します。

A4. 本のページを捲るように、次々と違う人格が現れ、それぞれのドラマを紡ぎ出します。たっ た二人で様々な人物と場を生きたら、どんなものが見えてくるのだろう、とワクワクしています。

渡邊峻郁(28日出演)

WATANABE Takafumi

Q1. リハーサル中かと思いますが、現在の本作に対する、印象をお聞かせください。

また、本作に出演すると聞いたときは、どのような心境でしたか?

A1. 今振り付けを中村恩恵さん、首藤康之さんに丁寧に教えていただいている段階です。初めてビデオを見させていただいて感じたのが、お二方(首藤康之さんと中村恩恵さん)がまるで別の人物のように踊り演じわけられているのが素晴らしくて感動しました。
詩人が本のページをめくる動作から作品が始まるのですが、凄く印象的でそこからぐっとソネットの物語に引き込まれていきました。この作品にダンサーとして出演できることを嬉しく思いますし、僕のまた違う一面を自分でも発見することができるような気がして楽しみです。

Q2. ご一緒に出演する、お相手の出演者様の印象をお聞かせ下さい。

A2.
小野絢子さんはラインの美しさやテクニックはもちろんですが、舞台上でその役が本当に生きているかのように感じる自然な演技は毎回素晴らしいなと思います。

ソネットでもさまざまな役を見ることができるので、一緒に踊らせていただく側ですがとても楽しみです。

Q3. シェイクスピア作品に対して、どのような印象をお持ちですか?好きな作品はありますか?

A3.
シェイクスピアはロミオとジュリエット、リア王を読んだことがあって今ソネットを読んでいるところです。

愛、苦悩、嫉妬、喜び、絶望などさまざまな感情が表現されていて登場人物の心の動きを感じることができ、ぐっとひきこまれます。

Q4. お客様に向けて、本作の見どころ、PRコメントをお願い致します。

A4. 今回、首藤康之さん米沢唯さん、小野絢子さんと僕とのダブルキャストで出演させていただきます。舞台上でさまざまなキャラクターが見せる二人の物語を楽しんでいただけるよう頑張ります。はじめて舞台でセリフを喋るので、そこにも注目していただけたらと思います(笑)

ヘンリー六世+リチャード三世チラシ (1).jpg

10月27日~中劇場にて、同じくシェイクスピア関連イベントの【特別イベント】シェイクスピア歴史劇シリーズ映像上映 が開催されます。
無類の舞台好きで、シェイクスピア歴史劇シリーズも観続けている米沢唯が、このシリーズについても語りました。

私は「リチャード三世」から、このシリーズを観ています。最初に「リチャード三世」を観た時、シェイクスピアってこんなに血みどろなの、とびっくりしました。そこに生きる人たちは、血に塗れ、矛盾を抱え、呪い、絶望しながら、生から死へと駆け抜ける。そこには、身分や国や時代を超えた、「人間」が描かれています。しかし、「人間」は否応なく、身分や国や時代に引きずられます。そこが「人間」の愚かで哀しい、愛すべきところだと感じます。 このシリーズはずっと同じキャストで演じられていて、それは凄いことだと思います。これは俳優さん方の成長物語でもあるのでしょうか。


新国立劇場では、2020年秋はオペラ、舞踊(ダンス)、演劇の全3部門でシェイクスピアに関連した作品を上演しています。

この秋はどっぷりシェイクスピアの世界に浸かってみるのはいかがでしょうか?