初台アートロフトロゴデザイン単独カラーアイコン用_中.png

新国立劇場ギャラリースペースにおいて「初台アート・ロフト」という名のもと

空間全体をアートとしてクリエーションすると同時に、

文化資産である衣裳の修繕・保存にも力を入れています。

かけがえのない職人技術を紹介する「いま、ここ」シリーズや、

ギャラリー主催で文化を発信する「ボトルメール」シリーズなど、

新たな切り口から文化芸術を捉えなおし、その発信基地になるべく変身中です。

開催中の展示

舞台衣裳展示
2024年春 『針と糸で繋ぐ未来への扉』展
-With Needle and Thread, Connecting to the Door of the Future-

会期:2024年4月1日~2024年8月下旬まで

会場:1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー

27_1654.JPG

時空を超えた人生の旅を構想する屋根裏部屋「初台アート・ロフト」。アート作品である舞台衣裳に光を当て、新たな物語を創造します。2019年にスタートした「初台アート・ロフト」は、「ファンタジー展」「パラード展」「生命の木展」「神話への旅展」「想像力と技-素材と型-展」「時空をこえて展」「奇想空間展」など様々な切り口から舞台衣裳の展示を実施してきました。今回は、『針と糸で繋ぐ未来への扉』と題し、舞台衣裳と空間デザインから広がる世界=宇宙の表現を試みています。

宇宙の「宇」は大地四方、空間の広がりを、「宙」は古往今来、時間の広がりを表します。舞台作品の魅力のひとつは、舞台と客席がそれぞれ自由に空間と時間の広がりを持てることであり、その中で衣裳は重要な役割を果たしています。今回の展示では、オペラ『ローエングリン』(1997年初演/2012年初演)、『魔笛』(1998年初演) 、『ナクソス島のアリアドネ』(2002年初演)、『ホフマン物語』(2003年初演)、『エレクトラ』(2004年初演)、『イドメネオ』(2006年初演)、こどものためのオペラ劇場『ジークフリートの冒険』(2004年初演)から、未来感のある、とりわけ人の手がかかった素材や細工技術に特徴がある衣裳の数々をご覧いただけます。

今回の展示では、ストレッチ生地で縫製された花と蔦による装飾が各コーナーにエッジを効かせております。すべて手で制作された約2,000枚の花びらと約1,500枚の蔦の葉。それら装飾モチーフ、衣裳、小道具、植栽が有機的に融合調和し、一つの芸術的空間を創り出しています。会場であるオープンスペースは自然光が差し込み、その時々に様々な表情が楽しめる建築空間です。「初台アート・ロフト」展示の魅力は、この建築空間と展示作品が創り出す世界=宇宙と言えます。また、実際の衣裳やオブジェと併せて、今回も約200枚以上の展示作品の写真をパネルにてご紹介いたします。カメラのフィルターを通して表現された世界もお楽しみください。