理事長挨拶 | 新国立劇場

理事長挨拶

新国立劇場は、現代舞台芸術のためのわが国唯一の国立劇場として、1997 年秋に開場しました。オペラ、舞踊(バレエ、ダンス)、演劇の3部門の芸術監督の下、世界水準の公演を年間を通じて制作、上演しており、記憶に残る数々の舞台をお届けしてまいりました。これまでご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

公演制作と並び、次代を担うアーティスト育成は新国立劇場の重要な役割の一つです。オペラ、バレエ、演劇の3つの研修所を擁し、プロのオペラ歌手、バレエダンサー、俳優の育成に努めています。これまでに各研修所が輩出したアーティストは、新国立劇場主催公演のほか、国内外の舞台で幅広く活躍しています。

社会における劇場の役割として、新国立劇場では、より多くの皆様に舞台芸術をお届けする取り組みも積極的に行って参りました。青少年向けの普及公演、全国各地での公演、共同制作をはじめとする国内外の劇場との提携に加え、近年では、障がいを持つお客様への観劇サポート、公演映像の配信、そして劇場のオープンスペースを活用した舞台衣裳等の展示なども行っています。

昨今の激動する社会情勢により、劇場を取り巻く状況も大きく変化しております。このような時こそ、「心豊かで活力ある社会の持続的な発展に貢献する」という新国立劇場の使命に立ち返り、人々の心に安らぎと希望をもたらす舞台芸術を上演し続けながら、社会の変化に対応した新しい劇場の在り方も積極的に考えていきたいと思っております。

新国立劇場は、日本から舞台芸術をグローバルに発信する拠点としてこれからも歩み続けて参ります。今後とも、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

公益財団法人新国立劇場運営財団
理事長 銭谷 眞美

プロフィール

東北大学教育学部卒業。昭和48(1973)年に文部省に入省し、大臣官房審議官、内閣審議官、文化庁次長、文部科学省生涯学習政策局長、初等中等教育局長を歴任。平成19(2007)年7月~21(2009)年7月文部科学事務次官。平成21年8月に東京国立博物館長に就任し、約13年間館長を務める。令和4(2022)年6月公益財団法人新国立劇場運営財団理事長に就任。